■ダウンロード違法化はグーグルの一極支配を加速する?
今朝投稿したばかりの「ダウンロード違法化は死亡フラグ?」に対して、早速、アンカテ(アンカテゴライズドブログ)に秀逸過ぎるエントリーの投稿がありました(「ダウンロード違法化はグーグルの一極支配を加速する」)。
余りに秀逸過ぎるのでリスペクトを込めて「禁ダウンロード法:2010年のWikipediaより引用 【架空記事】」を書いてみました。
これはWikipedia日本語版の『禁酒法(※1)』項目を元にダウンロード禁止法(という法律はありません、念のため)の成立した近未来日本を想像でデフォルメして翻案を施したメタ・テキストです。
実際の著作権法改正および関連団体とは余り関係がありません。また、Wikipedia日本語版には、もちろんこんな項目はありません。
■Wikipedia日本語版2010年度記事より引用..
「禁ダウンロード法(ダウンロード違法化法案)」
日本国で2008年に制定された著作権法改正法案の一部。審議当初はダウンロード違法化法案と呼ばれていた。その後、米国の有名な悪法「禁酒法」になぞらえて「禁ダウンロード法」と呼ばれることになるが(略称:ダウ禁)、これはあくまでネット上のスラングである。
経緯:
元来儒教の影響が強かった日本では、無料ダウンロードに対する批判が根強くよくあり、2007年に著作権法改正が議論されたのを端緒として、2008年違法ダウンロードのユーザー責任を問ういわゆる「ダウンロード違法化法案」が可決された。
倫理的な理由に加え、没交渉的なネットユーザー(当時はニコ厨とも呼称されていた)がニコニコ動画に入り浸り、ワーキングプアやニートの温床になっているとするネット外の無理解者達による批判の声は大きく、非ネットユーザーを中心としたダウンロード違法化運動はかねてから存在していた。
そこに米国におけるサブプライム問題露見に伴い、金融危機再来を予防するという経済的な動機が出現し、なし崩し的なダウンロード違法化への機運が一部で盛り上がった。なお、そこにはネットエコノミー全般で常に負け続けてきたことによる米国ネット市場およびその背景となっている高度資本主義全般への反発感情もあったと見る向きもある。
ダウンロード違法化を適用するには著作権法の修正が必要となるため、修正法案は文化庁管轄の私的録音録画小委員会での検討が舞台となり議論が進められた。
インターネット先進ユーザーの会などの消費者サイドは積極的に対論を張ったが、著作権者保護団体による強引な議事誘導は、かねてから指摘されていた文化庁天下り体質の庇護の下順調に進み、2008年通常国会を無事通過した。
ダウンロード違法化法ではストリーミング再生や“情を知らない”ことによる故意ではないダウンロードなどは禁止されなかった。
そこで、多くのネットユーザー達は運営コストが極端に安価な海外拠点にサーバー設備を有しているストリーミング・サイトや、実は違法サイトであるにも関わらず“適法サイト”を名乗る偽造バッジ付のコンテンツ共有サービスやPtoPサービスなどから続々ダウンロードした。
そのために国外および少数の国内業者を含んだ非合法のサービス利用が飛躍的に増大するという皮肉な結果を招いてしまった。
問題:
実際にはざる法であり、巧く機能しなかったと言われている。ダウンロード禁止によって著作権侵害を抑止しようとしたが、逆に違法コンテンツを巡る犯罪行為等が増加したためである。
1.海外サイトの適法性を判断・管理する仕組みを整備することが出来なかったために、主に米国およびアジア圏のコンテンツ共有サービスが爆発的に利用され、日本国内のニーズが海外で満たされるという現象を生み出した。
これにより、米国のグーグル、マイスペース、フェイスブック、Joostなどは大きな経済メリットを得た。同時にアジア圏、中国、台湾、韓国などのネットベンチャーがアニメ動画やコミックなどをブーメラン的に逆輸出するというビジネス機会を最大限に活用したため、そこから株式公開することでアジアITベンチャーの起業意欲を総体的に増大させるという結果を招いた。
当時、日本が誇っていたアニメ等サブカルコンテンツの輸出拠点が日本国内からアジア各国周辺地域(これ以降「CHINAMATION」という言葉が頻出する)に移転した契機になった法案という見方もある。
もちろん国内ベンチャーは違法化による萎縮効果、金融関係者達による暗黙の投資自粛によって後塵を拝する他無かった。
2.違法ダウンロード取締り官のネットリテラシーが低く、稀に存在したギーク的な取り締まり担当者も同じネット・ユーザー達から極度に白眼視される悲惨な業務に耐えられず辞職する例が相次いだ。
そこで外国人労働者に委託するようなケースも増大し、結果としてネット・レーシズム(※ネットに於ける新たな人種差別)的な兆候をもたらしたという評価も現時点ではなされつつある。
また、違法サイトや非合法組織による買収工作や利益供与のための接待工作などが後を絶たず、結局のところ、官庁焼け太りといういつもの定番パターンを繰り返してしまった。
3.不健全な違法コンテンツ交換の習慣を打破することが目的だったのに、より不健全な非合法サービスや海外の違法サイトによる倫理コード無視のコンテンツ提供によって精神的荒廃の度合いはいっそう酷くなってしまった。
4.非合法サービスを巡る精神衛生問題や、違法サイトに関わるヤクザ組織、海外マフィアなどの抗争によるネット治安の乱れという大きな問題が露呈してしまった。
5.サブプライム問題以降、円安がさらに進行してしまったことによる景気後退が、ネットコンテンツの流通不活性、あるいは意欲的ネット・ベンチャーの海外移転などによる新興株式市場の地盤沈下という悲観的状況が大きくクローズアップされるようになった。
余りの取り引件数の少なさに海外トレーダーは「NICE VOTE」という空疎なコメントを交し合っていたらしい(出典を明示する必要あり)
6.故意ではないと称して、適法バッジ画像だけの適法サイトから幾らでもダウンロードすることができた。ちなみに、適法サイトを示すデジタル透かし式のバッジ画像は1ファイル2千円程度でeBayやヤフオク経由で取引されていた。画像ファイルの流出元アドレスにgo.jpやor.jpが数多く含まれていたという報告書も最近になって公開された。
違法サイトを示すバッチを違法サイトが提示するはずも無いので、そもそも実施自体に疑問があったという懸念が現実に白日の下に晒されてしまった形だが「適法と記してあったのでDLしました」という摘発ユーザーのコメント信憑性はともかく、運用の適切性担保については当時から疑念の声が絶えなかった。
ただ、こうした運用上の問題噴出は権利者保護団体のネットに対する無知によるものなので、自業自得なのでは?という見解もあった。
7.導入当初から破綻が危惧されていた当制度だが現実に終局を迎えた直接的な原因は取り締まり担当官の上長が使用するパソコンから上場前ベンチャー企業の電子株式が流出した事件の発覚であった。
この新興企業は適法サイトを判定する自動診断ソフト「 matchers pomperd 」を独占的に業界団体向けに販売をしていた。
株式流出の原因は国産PtoPソフトの間違った利用だったというネット上の風評が存在するが、現時点では確かなことは分かっていない。
PSE不況、Pマーク不況に続く官製不況の完成版という評価の声もあるが、当時の担当課長が著作権管理団体の現理事を務めていることなどを見てもこの風潮は当分続きそうである(客観的研究とは言えない主観の表明、削除を検討するべき箇所)。
当時首相だった福田康夫氏は、「あの法律は安部さんの負の遺産であって私のあずかり知らぬ事」と非公式コメントで語っている。ちなみに2008年の流行語は『それってタイーホ?』だった。
以上
※1:元ネタの『禁酒法』は、こちらです。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
尊仁 on 2007/12/19
尊仁さん
>禁ダウンロード法:2010年のWikipediaより引用 【架空記事】
このエントリ、最高にCoolです。(直前記事にコメント出来ませんでしたので、この記事にコメントさせて下さい)
私は、仕事柄「問題点の調査、解析、分析」を繰り返してきて「問題点を非常に単純化する」が癖になっており、また、
>Appleは、かつてパブリックコメント内で文化庁の著作権問題当事者としての資質に対して激しい攻撃を加えています。
Appleな話でしたので、コメントを入れさせて頂きます。
これは、尊仁さんが書かれた、
>“ネット=ダークサイド、ユーザー性悪説”の思考法は、その本来満たされるべき社会的な合目的性からはもはや大きく乖離していると考えます。
に尽きると思います。上の方で検討為されている方との「大いなるジェネレーションギャップ」を感じて仕方がない。自分のHNの話でもComing Outしましたが、本当に上の方は「歌ばかりお詠みになって」おられると思います。「歌を詠んでいてば」天下泰平なのでしょうか?(平安時代の様に)芥川龍之介「羅城門」の様にならなければ良いと思っております。
長々と、済みませんでした。
朝之丞 on 2007/12/19
ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。
この記事に対するTrackBackのURL:
メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。
朝之丞さん、どうも!今日は会社のことをほとんど出来ていないので非常にマズイです。でも、お褒めの言葉大変ありがとうございます。
禁酒法になぞらえるなんてお上も恐れぬ不届き千万なエントリーではありますが余り書き直すのが大変ではなかったという事実!恐ろしいですねえ(苦笑)。