最終更新時刻:2009年11月28日(土) 10時00分
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ピノコ萌えの一考察 【手塚漫画の萌え属性について】

公開日時:
2007/11/17 20:22
著者:
尊仁

■実は「萌え」強度の高い手塚キャラたち

以前からずっと気になっていたのですが、手塚治虫作品に登場するキャラクターには強烈な“萌え”属性が散見されます。

「三つ目がとおる」の和登さんが日本最初の“ボクっ子”なのでは?という指摘。あるいは「リボンの騎士サファイア王子(実は王女)の“異性装”などは特に分かりやすく、手塚がかなり早い時代から“萌え”要素を先取っていたことを示す事例ではないかと思います。

アトムの妹は「ウランちゃん」ですが、これなど「妹」属性+「ロボット」属性+「戦闘美少女」属性という“萌え”に於いても相当強度の高い属性が与えられています(もちろん当時は“萌え”という用語も概念も無かった)。

「アトム」が構想段階では「ロボット少女」として企画されていたというような逸話も伝えられているのですが、もしも“戦闘美少女ロボットとしてのアトム”が成立していれば、日本のアニメ史はもっと様変わりしていたかも知れません。

■ピノコ萌えは多様。そして先鋭的。

個人的には手塚が生み出した“萌えキャラクター”のなかでも最強と思える「ピノコ」を元に、手塚漫画キャラのあまりに早い“萌え”要素の獲得を見直してみたいと思います。

ウィキペディア日本版の「萌え」および「萌え属性」の項目は非常に充実しているのですが、この「萌え属性」項目に挙げられている各属性のうちピノコ(※1)に該当する属性を取り出すと下記のようになります。

ざっと見て分かるように、そのカバー対象は非常に多岐に渡ります。ロリ(※貧乳、幼児体型なども含む)、ドジ、ツンデレ、不思議ちゃん、赤面、黒コゲ料理などの基本属性もカバーしています。

また、「幼女に見えるが実は成人女性(年齢属性)」、「再構成された人体(ホムンクルス属性)」、「ピノコ語(言語障害属性、※2)」など、かなり先鋭的な属性が複相的に織り込まれていることが分かります。

■ピノコに見られる“萌え”属性 Wikipedia 「萌え属性」 から抽出 (一部このエントリー用に追加)

身体的な特徴

 年齢 少女(幼女)、若い姿で登場するが実は高齢(童顔)
 種族(人間以外) ホムンクルス、人形(正確にはホムンクルスでも人形でもないが近縁性を喚起させる)
 髪型
 身体  貧乳(微乳、つるぺた)、幼児体型、小柄、ろりぷに(このエントリーでの追加)
 その他 フリークス的なもの(奇形、ふたなり、障害者)

性格・行動

 性格 勝気(強気、負けず嫌い)、生意気(小生意気)、気弱(人見知り)、ドジ(ドジっ娘)、天然ボケ、能天気(呑気)、ぶりっ子、不思議ちゃん、ツンデレ、短気、ひねくれ者
 料理・食事 料理(黒コゲ料理・ゲテ物作りも含む ※3)
 仕草・癖 赤面、涙目、上目遣い、背伸びしてのキスおよび吸引キス(このエントリーでの追加)

話し方・口ぐせ

 一人称 名前一人称
 口調 甘え声
 口ぐせ アッチョンブリケ、ちぇんちぇ、あらまんちゅなどのピノコ語(言語障害属性、このエントリーでの追加)

ファッション

 ファッション (一般) 吊りスカート
 下着 白パン、児童向け下着
 アクセサリー リボン(このエントリーでの追加)

その他の要素

 職業・社会的立場 秘書、人妻
 生い立ち 病弱(虚弱)、薄幸(天涯孤独、不幸体質)
 人間関係 医者と患者(このエントリーでの追加)
 シチュエーション 三角関係、妻であり娘でもある(このエントリーでの追加)
 特殊事例 再構成された人体、天才無免許医の助手(このエントリーでの追加)

 

※1 『ピノコ誕生の経緯』 Wikipediaより

単行本第2巻「畸形嚢腫」(テレビアニメでは「Karte44:ピノコ誕生」で取り上げられている)で、ブラック・ジャックの手術を受けた患者の体内から奇妙な形の脳や内臓が取り出され、その後ブラック・ジャックの手によって一人の幼女として組み立てられた。

※2 『ピノコの言葉』 Wikipediaより

発声が上手くなく、とくにサ行の発音が苦手で、タ行の発音と同じになってしまう、独特の幼児語を話す。ちなみに幼女として組み立てられる前の状態ではテレパシーらしきもので会話していたが、この時は普通の言葉遣いだった。

※3 『ピノコの料理』 Wikipediaより

作中では魚を捌いたりフライを揚げたりといろいろな料理を作っているシーンもあるのだが、味噌汁にソースを入れる癖が直らなかったりするのでそんなふうに(いつまでも料理が巧くならないと)言われてしまう。買ってきた卵のパックを帰宅の途中で落として、卵をすべて割ってしまったが、もったいないからと20個分の卵で卵焼きを作ってブラック・ジャックに食べさせたこともある。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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このエントリーへのコメント

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人造人間萌え的な感性をフランケンシュタインコンプレックスと言ったりするんらしいんですが、確かに手塚作品の多くに登場するモチーフですよね。そういえばこの路線の最近の傑作には鋼の錬金術師がありましたねえ。そこでもホムンクルスと人工生命技術に関連付けられた不老不死(賢者の石を媒介にする)が登場します。鋼の..と手塚作品を比較対照した漫画論なんて相当面白そうです。

  尊仁 on 2007/12/01

3

今年、映画「どろろ」を見ていて、寿海(じゅかい・百鬼丸の育ての親)が48の魔物によって失われた箇所を義肢や義足で補い百鬼丸を形作るシーンがあったんですが、監督が原作者手塚に対するオマージュなのか、わざわざ電気ショックを与えるシーンを加えていました。これって、「鉄腕アトム」の誕生シーンを思い出させますよね。そして、ブラックジャックが「畸形嚢腫」の中でピノコを組み立てるシーンも思い浮かべます。「どろろ」で父親の醍醐景光が、天下を取るために自分の息子の体を48の魔物に捧げたシーンは、ゲーテの「ファウスト」の(そう、手塚が何度も漫画化したファウストです)すべての学問を究めた老学者でさらなる満足を求めて悪魔と魂の契約を結ぶ箇所とも共通しています。さらに言えば、アトムも百鬼丸もピノコ(なお、ピノコとはピノキオの女の子版という意味です)も、「ファウスト」の中のホムンクルス(人造人間)を作るシーンを髣髴とさせます。

  mugendai on 2007/12/01

2

メルモちゃん、とても気になって全集版コミック取り寄せました。思ってたよりスゴイ内容でした。子供の頃は全然変だと思わなかったのですが。

  尊仁 on 2007/12/01

1

ピのこもいいけど、アタシハヤッパリ、メルモちゃん!

  おさむ on 2007/12/01

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