■Wikipediaの記述を通じて少しだけ見えてくること
Wikipediaの『初音ミク』項目の記述について、日本版の記述内容に比べ中国版の内容が非常に充実していることが指摘されています。
実は、似たようなことが『ブライス(ドール)』項目についても起こっています(こちらは英語版ですが)。
項目:ブライス(日本版の記述)
項目:Blythe (英語版の記述)
日本版も決して不十分ではないのですが、英語版にあるような各モデルの形式に関する記述はブライス理解のうえでは基本的な情報のように思います。
実は約2兆円といわれる国内キャラクター市場でブライス商品がランキング上位100位以内に入っていることは意外と知られていません(参照資料が散逸しています。見つけ次第リンクをしますね)。
また、2000年以降、主にブライス市場を開拓してきたのはむしろ発祥の地アメリカ(現在ライセンシングしているのはハスブロ社)ではなく、この日本であるということもほとんど知られていないようです。
商品マーケティング及び企画・デザインを担っているCWCを純粋な国内企業と位置付けるのには若干気が引けます(彼らは数多くのクリエータを扱っているクリエーティブエージェンシーで、その対象は国内マーケットに限定されない)が、実際に商品のプランニングと生産をリードしているのは東京のCWCとタカラです。
CWCは、アジアにおけるブライスの代理人として全てのライセンスの管理、そして、モデルとして俳優としてのブライスのキャリアを築き上げています。ブライスドールの復刻についての任にあたり、CWCのチーム(通称JunieMoon)のクリエイティブディレクターたちにより、デザインやコンセプト、ファッションやアクセサリー、パッケージデザインまでまとめられ、製造元である(株)タカラとのコラボレーションによりブライスドールが完成します。
また、ブライスの展覧会やイベント、ファッションショー、チャリティーオークションまでとりまとめています。About CWC http://www.blythedoll.com/jpn/whats/aboutcwc/index.html より
■ブライス環境として非常に充実している「Flickr」について
ここまでですと単なるWikipediaの充実度というだけの話なのですが(Wikipedia日本語版の内容を拡充すれば済む話ですね)、ブライスを巡る日本国内と海外との違いというのはそれだけに終わりません。
私自身まだまだカバーできていないメディアが数多くあることを承知の上で触れますが、写真共有サービス『Flickr』で見る限りその違い(※1)は歴然です。実際数えたことはないのですが(暇なときにやってみますね)、『Flickr』のバディアイコンに於けるブライスの使用率およびブライス関連コミュニティの数、および質(強度、深度)。また、更新される頻度やコンテンツ自体の質・量には驚くばかりです(※1:日本に比較すべきメディアが無いため「違い」という表現には若干問題があるかも知れません)。
詳述はしませんが、ブライスの多くは限定モデルとしてリリースされており、またCWCのライセンス範囲がアジア圏に限られていることもあって、海外のブライスユーザー達はその恩恵に浴しにくい筈。。なのですが、それらの決して少なくない海外ブライス・ユーザーの情報受信力+発信力はちょっと想像を超えて非常に活動的なのです(このあたりもデータを通じて定量的に分析してみたいですね)。
たかだか数千体しか流通していない限定モデル。しかも国内需要も非常に高い商品であるにも関わらず、なぜ、ここまで多くのユーザー達がワールドワイド(個人的な印象としては、欧州各国及びアメリカに幅広く分散しているようです)に所有しているのか?
しかも、ほとんどタイムラグ無しに(限定品の多くは国内直営ショップやネット経由、携帯経由で予約販売されます。また、ご想像の通り、ヤフオクにはすぐにそれらの限定品が放出されますが海外発送お断りのケースが多いのです)入手できるのか、ちょっと興味を覚えます。
実際、eBayで少しサーチしただけでも(eBay内のBlytheカテゴリー)相当量のブライスが流通していることが分かりますし価格帯は国内(ヤフオク)と比べてもかなりの高値で取引をされています(なのですが、それでも欲しい!という飢餓感はヒシヒシと感じられます)。
■日本発のポップカルチャーが海外で熱く受け入れられた事例のひとつなのかも知れない
元来アメリカで1970年代に1年だけ販売されたブライスが、2000年のPARCO CMを通じてリバイバル(これらのブライス達は“ネオブライス”としてビンテージ・ブライス=ケナー社によるオリジナル・ブライス達と区別されます。また、“プチブライス”と呼ばれるナノ・サイズのブライス達も非常に人気を博しています)した経緯もかなりユニークな歴史的逸話を伴っているのですが、ウェブメディアを介して拡張、浸透し、ますます熱を帯びているように見える海外のブライス環境が今後、どのように発展・成長していくのか?
あるいは、実のところは、マニアックな一部ユーザーによるニッチ市場にしか過ぎないのか?現状では余りに情報が少なくてなんとも言えないのですが、非常に気になるところです。
少なくとも、Flickrを通じてコンタクトのあるコミュニティ仲間達のブライス熱は日々増幅しているという印象です。彼らのコメントに触れていると、日本で生活していることの(すでに当たり前の事になってしまっているのですが)付加価値に少しだけ気づかされます。
また、これは本来私自身がブライスについて感じていた興味からは若干ズレるのですが、キャラクター市場をネット・オークションの取引状況やコンテンツ共有サービス、ブログ、ソーシャル・ブックマークなどのコンテンツ量+質を定点観測することによって把握、分析してみるのも面白そうです。
もしかすると日本のポップカルチャーの輸出入状況がクリアーに見えてくるのかもしれません(日本版Wikipediaへの海外からのアクセスが非常に多く、その大半がアニメ、コミック、ゲームに代表されるサブカル・コンテンツだったという記事が少し前にあったように記憶しています※これもリンクを見つけ次第追加予定)。
補記:上のエントリーはできるだけ正確を期して書いているのですが、ブライス市場については分からないことが多いので誤解している部分もあるかもしれません。詳しい方からの補足、修正はいつでもお受けしますし歓迎します。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
23hawk on 2007/10/22
なるほど、SFでも周縁界隈の方が詳しくなる状態があったんですね。
STARTREKに無茶苦茶詳しい日本人、日本漫画にとても造詣の深い外国人(そう言えば実例が周囲にもいました)、お互い様なのでしょうか!?
takahito on 2007/10/22
このエントリーを読んで、SFマニアの諸先輩方を思い出しました。
戦争報道でもそうですが、どうやら現場より周りのほうが情報が集まるような気がします。
(というより、現場ではなんでもないことが外部で価値あるものになる場合が多そう)
その昔、トレッキーだった先輩達が外国人より何倍も詳しかったり、ICQで知り合った外国人達が異常にHENTAIマンガに詳しかったのとなんだか似ているような・・・(笑)
23hawk on 2007/10/22
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お互い様というか、一言で言えば・・・隣の芝生は青い?(^^;