最終更新時刻:2008年10月6日(月) 19時43分

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ART HACKS! アート市場をハックする試み(1)

公開日時:
2006/08/18 21:24
著者:
尊仁

長かった夏休みも終え再び現場復帰。中島みゆきも謡っているようにお盆とお正月だけ日本人は清浄な気持ちになり、そしてまた娑婆に戻るのです。

さて、今回は、今まではなんとなく雰囲気で“日本の現代美術マーケットは無いに等しい”的な言葉で若干ごまかしていた部分をもう少し掘り下げてみたいと思います。

なぜなら、“アート”と“資本主義”の幸福な化学作用(アルケミー=発展的相互作用)を検討してみる際に、目の前のマーケットが果たしてどうなっているのか考えてみないことには、この先リアリティのある議論ができないからです。

■思考ツリーで考える日本のコンテンポラリーアート

現状、定量的な情報や分析がほとんどないのでどうしても定性的な“好き嫌い”とか“イケテルイケテナイ”とか“面白い面白くない”といった主観的かつ感覚的な判断のいずれかの方向に流れてしまいがちな部分を、ここでは幾つかの分岐に分けて“相対的に”考えてみたいと思います。

つまり幾つかのツリーに分かれている分岐点を俯瞰することで、全体としてのアート市場観をブラウズしてみようということです。

アート市場__マーケットは存在する __大きなマーケットが存在する

     |              |__小さなマーケットが存在する

     |_マーケットは存在しない__日本美術は断絶をしてしまった

     |              |__日本美術は現代アートとは別物

     |_マーケットは立ち上がる__市場が拡大していくだろう

     |              |__適用範囲が拡大していくだろう

     |_マーケットは立ち上がらない_市場が縮小していくだろう

                    |___適用範囲が縮小していくだろう

非常に簡単ですが、仮に上のような判断分岐を設定してみたいと思います。

まず上の二つの分岐はマーケットが“存在する”“存在しない”で、下の分岐は“これから始まる”“これからも始まらない”です。

さらに、もう少し補足すると、上の“大きなマーケットが存在する”は実際には“アートはアノニマスにあちこちに存在しており、実は(解釈次第では)マーケットスケールが大きいんだよ”という見方。

また、下の“小さなマーケットが存在する”は、より具体的には、“純粋芸術というニッチ市場は非常に小さいとはいえ確かに存在しているんだよ”という見方になるでしょう。

■期待と不安の市場予測

さらに、その下のかつては“存在した”“存在しない”は、日本の古典芸術を西欧主流の現代芸術に連なる流れと同一文脈で捉えるかどうかのスタンスの違いだと思います。

※ここは案外掘り下げ甲斐のある分岐のようです。

最後の“これから存在する”“これからも存在しない”は、言ってみれば未来予測ですから、多かれ少なかれ“どうあって欲しいのか?”の期待論、待望論とみなすべき分岐点と言えます。

そして、もう少し付け加えるとその将来予測については“市場そのものの拡大or縮小”あるいは“その適用範囲がより拡張を遂げていくor縮小していく”のふたつの捉え方があるように思います。

■仮想のシナリオで考えてみる現代アート市場待望論

そこで私の個人的な現状把握としては、もし『現時点での現代美術愛好家の認識』という風に視点を仮設をするとすれば、

日本のコンテンポラリーアートは非常に小さなニッチ市場”であり、“それは今までの日本文化が育んできた伝統芸術とは断絶”をしており(ただし、現代芸術的な価値観で再解釈はできるだろう)“今後も市場そのものは立ち上がらないだろう”が、“アート的なアプローチがその適用範囲を広げていくかも知れない”といったところではないかと感じています(※私個人の現状認識および将来への展望は、これとはまた異なります)。

皆さんの現状認識はいかがでしょうか?次回以降では、この思考の分岐ツリーに沿ってアート市場待望論の両極端、つまり、“実は非常にイケテイル”と“実はまったくイケテイナイ”のそれぞれのシナリオについて考えてみたいと思います。簡単な思考実験ですので、どうか気軽にお付き合いください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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