周知の通り、ソニーで先日経営陣の交替が発表された。それを受けて、海外の主だったメディアがこのところ、ソニーの現状や、新CEOとなるHoward Stringerが直面する課題について書き立てている(例の「ソニーショック」を契機に日本のメディアがひところ大騒ぎしていたのとちょっと似たものを感じたりもする)。
CNET News.comで今週初めに、"Samsung is now what Sony once was"というタイトルのNYTimes.comからの配信記事が上がり、最も多く読まれた記事となっていた。内容は「(クールなのは)むかしソニーで、いまサムスン」といったこのタイトルの通りで、両社の対照的な現状を述べている。
"In the last three years, Sony's electronics division has dragged down company profits. With the division forecasting losses for 2004, Sony is expecting about $1 billion in profits for the year ending this month, about 1.5 percent of revenue of about $69 billion. By contrast, Samsung, in the year that ended in December, had $10 billion in net income on sales of $56 billion. High profits allow Samsung to invest billions in research and development, maintaining 15 laboratory complexes around the world."
革新性を生み出す源のR&Dにも体力差が現れている、といったところか。
また、"How the iPod ran circles around the Walkman"というタイトルの別の記事(これもNYTimes.comからのシンジケーション)では、Stringerの掲げる「ハードとソフトの融合(convergence)」を目指す戦略が、そもそもいまの時代にあわない(というか、1960年代の巨大コングロマリット全盛の頃から実はそれほど有効なものではなかった)として、お馴染みの「コンテンツ側と家電側とがどう干渉し合ってしまうか」を説明し、さらにその上で、いまの時代には両者をつなげるソフトウェアの部分の力がないとうまくいかない、というのをAppleのiPod-iTunes-iTunes Music Storeを例に挙げて述べている(いくらMP3対応の、HDDやフラッシュメモリを積んだWalkmanを出しても、いまだにハードウェア屋の発想でつくられている、というのが筆者の見方)。同時に、Steve JobsはPixarとAppleを別々に活動させて、それでうまくやっているじゃないか、という言い方もしている。
こうなってくると、何事もscrap and buildというか、「ニューヨークがダメなら西海岸があるさ」的な彼の地では、仕切り直しのための分割論が出てくるまでもう一息っといったところに思える。そして、実際にBusinessWeekの記事では、あくまでソニーにとっての「最終手段」としながらも、同社の分割の可能性を示唆している。曰く「映画部門はコスト削減がすでに成果を挙げ、また『スパイダーマン』のようなヒットも生み出しているから、この部分だけを切り離して株式公開すれば大人気になるだろう。またゲーム部門も、単独で十分戦える。そして、家電部門も他に頼るものがなくなれば、コスト削減と新製品の開発をもっと真剣にやらざるを得なくなる・・・」とし、最後に:
"Silicon Valley has murmured that parts (=electronics unit) of Sony would fit nicely with Apple."
と記している(3月21日号の"Sony's Sudden Samurai"という記事、"Think The Unthinkable"という小見出しの下で)。
・・・長年のMacユーザーでもあり、また「ステレオ・ジルバップ」時代からSONYブランドに憧れを持っていた私には、どう反応していいのかわからないコメントである。
(編集子H.S.)
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