最終更新時刻:2009年11月10日(火) 21時59分
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ネットブックは「回転寿司」になれるか?

公開日時:
2008/12/03 11:20
著者:
soyo

最近ネットブックが話題になっていますね。
業界の救世主になれるのか、ちょっと考えてみました。

制約から統一規格化されているネットブック

まず、ネットブックの定義について。

Atom搭載のモデルが主流ですが現状では以下の制約下で
競争をしており、どの企業もほとんど構成が変わりません。
どれも似たような性能なのはそのせいです。

Intelのネットブック規格

  ・液晶サイズが10.2インチ以下
  ・最大メモリーは2GBまで(出荷時)
  ・光学 (CD/DVD)ドライブ非搭載

Microsoftの低価格向けOSライセンスの制約
(Windows XP Home Edition)

  ・内蔵ストレージ容量
    HDDの場合160GB以下
    SSDの場合16GB以下

一般的にはグラフィックや容量の多いファイルの編集などに
適さないPCとされるスペックですね。つまり、ネットブック規格は
Wintel連合による現行PC市場の拡大策として作られたブルー
オーシャン的な規格と考えられます。

ところが、実際には1台目としてフルスペックを購入していた
エントリー層がネットブックにシフトしてしまうと言う誤算もあり
現状ではPC市場全体へ価格圧力という副作用も発生して
いるようです。

回転寿司で寿司は市場を拡大

で、突然ですが、市場成長プロセスの比較のため回転寿司の話。

「時価」「カウンター」と敷居が高く、高級消費の代名詞だった
寿司が今日、一般的になり市場も拡大した背景には、回転寿司
による体験消費の拡大が大きいとされています。

そもそも寿司を体験する機会がなければ寿司の市場自体が大きく
ならなかったという考えです。実際、回転寿司を食べて寿司の美味
しさに気づき、結果的に高級寿司も食べたくなる消費者が増えて、
市場全体が活性化しているというストーリーは有名です。*

 *もちろん、それ以外の要素もあるので「回転寿司の経済学
  (渡辺 米英 著)」など関係図書も参考になります。

結局、市場は三角形になっていてボトムとなるエントリーユーザーが
増えれば結果的にトップを構成するハイエンドユーザーが大きくなり
市場全体でハッピー。そんなオーソドックスな理論が成り立っている
という事です。(これを学術的に見た「規制緩和の経済学」はもっと
複雑ですが、今回は省略・・・;)

PCの市場拡大にネットブックが貢献

PCの場合もこの回転寿司理論で大きくなる可能性は十分あります。
制約の多いネットPCでインターネットを中心にPCの操作や楽しみ方
を体験してもらい、その上でより高度なグラフィックやゲーム、資料
作成などへの需要を高めていくという戦略。PC買換サイクルの
ハードルを下げるやり方ですね。

しかし、現状では価格低下による市場拡大論よりもニーズによる
購買というのも結構強そうです。

 「低価格ミニノートPC」購入者実態調査
 2008年11月 5日(ヤフーバリューインサイト株式会社調べ)

思惑違いのニーズでブレイクする事もあり・・

調査結果を見ると、ネットブックを初めて購入する割合がノートPC
やデスクトップPCより多いのは想像通りですが、購入時の重視する
ポイントを見ると、「携帯性、常備性」の高さが群を抜いています。

つまり、価格もさることながら、現行ノートPCの肥大化した機能と
重さや大きさに対して、気軽に扱えるネットブックの携帯性が真の
ニーズで在った可能性があります。

言うなれば、「寿司が食べたい」と言うより好きなだけ皿を選べて
食べられる「回転システム」がウケタという考え。「PC」よりも
「ミニ(携帯性)」が市場を拡大させている可能性もありそうです。

このデータから今後は値段ではなく、携帯性にフォーカスした
PCが再度出てきてもおかしくないですね。(ポメラもPCでは
ないですが、そんな需要を見込んでいますね)

何れにしても、結果的にネットブック市場が拡大しPCの出荷台数を
増やし、家庭市場は前年同期比で31.6%増という成果を生んで
います。ソフトやアクセサリーなど周辺市場を考えると、施策としては
現状で合格点である事は疑いもありません。

2008年第3四半期国内PC市場速報を発表

大手が生き残れるにはネットブック参入しかない

このまま行けば将来、理由はどうであれネットブックを購入した層の
何パーセントかは確実にハイエンドPCに対する需要となるでしょう。

ただ、問題が在るとすれば現在の制約されたネットブックの機能と
性能が「進化」してネットブックがハイエンド化してしまう事態です。
新しいPCの使い方を提案し続けなければ技術の進化に伴うハイ
エンドな低価格化競争は避けられません。供給側から見て、パン
ドラの箱を空けたと言われる所以はココにあります。

また、現在のネットブックの主力企業はブランド力のない台湾系企業
ですが、それらが囲い込んだエントリーユーザーへ格安のハイエンド
機を供給する事になれば、現在のブランド企業のPCはかなり厳しい
状況になります。

iPodシャッフルなど低価格とデザインでエントリーユーザー囲い込んだ
アップルに音楽再生機市場を席巻されてしまった日本企業の過去の
苦い経験をどう生せるかが、今後の大手PCメーカーにとって生き残りを
探るカギとなりそうです。

来年は大手企業に動きが・・・?

ネットブックも視野に入れるソニーのPC事業倍増計画
超小型VAIOノート PCG-1P1L 米FCC入り・ソニー初のネットブック?

個人的には連敗中のソニーが噂通りネットブックに参入するか
注目しています。そして、今や守る側になったと言われるアップルも
参入するのでしょうか。価格競争と利用シーンの拡大という意味では、
ネットブック参入は「正当進化」の過程であり、避けては通れないと
言う気はしますが・・・如何に?!

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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