最終更新時刻:2010年2月10日(水) 21時17分
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BDブランクメディアが身近に? "LTH"ディスクついに発売へ

公開日時:
2008/02/20 19:08
著者:
Shin_s

ここ数日、東芝 HD DVD 撤退絡みのニュースばかりが目立った、次世代DVD界隈でしたが、地味ですけどしかし今後の Blu-ray Disc の普及にとても重要と思われるこんなニュースも。
東芝の撤退発表と同日なのがなんともはや皮肉というかなんというか・・・。

太陽誘電株式会社は、Blu-ray Discメディア市場に参入。記録膜に有機色素を使ったLTHタイプのBD-Rを2月26日に発売する。録画用メディアで、単品と5枚組を用意。価格はどちらもオープンプライスで、店頭予想価格は単品の「BR-V25WTY」が1,000円弱、5枚組の「BR-V25WTY5P」が4,000円台半ばの見込み。記録速度は1〜2倍。

三菱化学メディア株式会社は、記録膜に有機色素を使った追記型Blu-ray Disc(BD-R)メディア「VLR130N5」を2月26日に発売する。録画用メディアで、5枚組。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4,800円前後の見込み。記録速度は1〜2倍。

また、日立マクセル株式会社も、LTHタイプの録画用BD-R「BDR25VL.1P」を3月上旬より発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1,000円前後の見込み。なお、同日に太陽誘電もLTHタイプのBD-Rを発表している。

この“LTH”規格というのは、現時点で DVD にくらべて安価とは言えないブルーレイディスクのブランクメディアをより身近にすると期待されているもので、次のような特長があります。同じ記事から。

2007年春に、Blu-ray Disc Recordable Format Ver.1.2で採用された記録方式「Low to High」(LTH)に対応した、有機色素系BD-R。記録膜に有機色素を使っており、レーザー光の当たった部分の記録層の性質を化学・物理変化させることで、記録後に、低い反射率から高い反射率に変わることから「Low to High」と名付けられた。製品のパッケージにも「LTH TYPE」と表記されている。

有機色素記録層の成膜にはスピンコート法を使用するが、この方法ではCD-R、DVD-/+Rの既存の製造設備を活用できるため、大規模な設備投資が不要となり、ディスクの低価格化が見込めるという。三菱化学メディアでは有機色素に、CD-R、DVD-/+Rでも活用しているAZO系色素を採用。青紫色レーザー記録用に独自開発し、BD用に最適化している。

三菱化学のものはかつては DVD レコーダーも手がけており、DVD/BD ドライブの最有力メーカーのひとつでもあるパイオニアとの共同開発のもので、昨年の9月に発表されていたものが実用化されたものです。

両社は、2004年より色素系のBD-Rディスクの共同開発を進めており、三菱化学メディアは有機色素記録材料の改良とディスク試作を担当。パイオニアは試作ディスクの評価やドライブとの互換性検証やシミュレーションによるディスク構造設計を担当した。両社の技術を融合することで、2倍速記録の有機色素BD-R開発に成功したという。

(中略)

なお、新しいLTHディスクは、既存のBD-R用のHigh to Low(HTL)と読み取り方式が全く異なっているため、ドライブ側の対応が必須となる。パイオニアの現行BDドライブでは対応しておらず、今後の発売予定のドライブで順次LTH対応としていく予定。発売済みのドライブについても、ファームウェアの更新などでの対応を検討はしているが、対応できるかどうかは未定という。

今回ディスク発売の発表があったことで、近いうちにパイオニアからも対応ドライブの発表があるのではないかと期待できますね。

互換性に問題あり?

いいことづくめのような今回の LTH 規格ですが、実はそうでもありません。

すぐ上の引用にも書かれていますが、

BD-R LTHは2007年3月にBDA(Blu-ray Disc Association)によって承認されたばかりの規格で、従来のBD-Rとは互換性がない。BD-R LTH対応と明記された機種でなければ、原則として録画も再生もできないのだ。

ということなのです。具体的に、現時点でどのレコーダーが対応しているかというのはあまり資料がないのですが、太陽誘電の発表(太陽誘電:世界初、有機色素記録層を採用した追記型ブルーレイディスク発売[PDF/534KB]の際には

対応レコーダーはソニーの「BDZ-X90」「BDZ-L70」「BDZ-T70」「BDZ-T50」と、松下電器産業の「DMR-BW900」「DMR-BW800」「DMR-BW700」「DMR-BW200」「DMR-BR100」。

という情報が公表されたようです。

ただこの規格を含めての BD ディスク規格策定関しては、BD規格策定のキーマンと言われている松下電器産業蓄積デバイス事業戦略室の小塚雅之室長が、DVD 時代の混乱の反省を踏まえて以下のようにおっしゃっています。

−LTHのBD-R(有機系色素利用ディスク)を利用した際の、互換性はどうですか?

小塚:問題ないですよ。現時点でまだ、市販ディスクがないため、どこのメーカーの、どの製品でも100%読める、という試験ができないので微妙な言い回しになっていますが、問題が出るとは思っていません。基本的に規格の設計段階で、「互換性に問題が出ないように」という条件で規格を決めているわけですし。ファームウエアのアップデートが必要な機種は出るかもしれませんが。さらに言えば、有機系色素のディスクでも、ファイナライズは不要です。無機系ディスクと同じ感覚で使えます。その分、規格化作業は厳しかったのです。

(中略)

記録側は、DVDの際、-RAMだ、-RWだ、+RWだと、規格が乱立してしまったものを、BD-R/REだけにして、きれいに整理しました。

例えばディスクのファイナライズにしても、DVD-RAMで必要なかったことが好評でしたので、BDではBD-REでもBD-Rでも無くしました。アドレッシングにしても、基本は+RWで使っているのと同じウォブルに情報を載せる方式ですが、新しいアイデアを入れて、より信頼性が高く、2層でも作りやすいものにしています。アプリケーションもTS記録のみです。

みんな、赤(DVDの世代)のディスクで、色々と反省があったので、それに学んで作り直したわけです。LTHで互換性を大切にしたのも、DVDでいろんなディスクが出てユーザーが混乱しやすかったという問題への反省です。そうじゃないとコンセプトがぶれてしまう。

ディスクがこれから市場に出るばかりという現時点では、この言葉を信じるしかありませんね。個々の対応状況、あるいは不具合情報などが出てくるのを待ちたいですが。

BD-Rの価格の現状は?

より詳しい状況、技術的な解説については『BD-Rメディアが1枚500円に!? − Blu-rayの新規格“LTH”の真相を富士フイルムに聞く AV&ホームシアターNews』がわかりやすいと思うので、参考にしていただければと思いますが、この中から少し価格面のことを引用。

今回説明してきたBD-R LTHタイプ。登場する時期は「今年中に発売したい」とコメントを貰えたにとどまったが、将来的な価格イメージについては、ある程度の見通しを聞くことができた。

「DVDレコーダーは、10万円のレコーダー発売時、店頭売価500円のDVDが販売されました。レコーダーの発売サイクルは年1度程度となっていますし、今年秋にはコピーワンス見直しの内容も確定し、不確定要素がなくなるため、確実にコストダウンができるようになるはずです。そう考えると、個人的にはここらへんのタイミングで10万円レコーダーが登場するのでは、という感じがします」。

これには私も同意見で、10万円レコーダーが登場するタイミングに、メディアは1/200の価格。つまり、来年中にはBD-Rが1枚500円になる可能性があると思う。

現在の同メディアの価格をざっと調べて見たところ、1層BD-R/25GBが1枚・1200〜1300円程度、10枚パックですが秋葉原やネットでの最安値が、およそ800円/枚を切ったところ、といった感じです。
今回の LTH ディスクはいまのところまだ、実売が1,000円弱ということですから、それより少し安いという程度です。
しかし登場した最初からここまで安価であるということは、やはり今後、より大量に安定的に生産されるようになったおりの、価格の下落を期待したいものです。

DVDとの価格比較

DVDとも比較してみましょうか。もちろん、一枚あたりの容量が全然違いますので、容量あたりの単価でですが。

DVDで最近流行りのスピンドル50枚組なんかだと、やはり最安値で1,500〜1,600円程度ですかね(注:一応、日本メーカーもので(^^ゞ)。まあ、有名どころで2,000円台前半というところでしょうか。ざっくり40円/枚として、40÷4.7GBで8.5円/GB。

対して BD はというと。25GB・1000円/枚のもので40円/GB。これが500円になれば、20円/GBということになります。

これでもまだ倍以上ということになりますが、AVCREC や消えゆく(笑)HD Rec といった機能で、HD ソースが DVD にも落とせるようになったとはいえ、本来のそのままの画質で録画・保存できる BD 本来のメディアがこの程度まで値が下がってくるのであれば、割と気軽に使用できるというきっかけにはなるでしょう。

とにかく、今回の東芝 HD DVD 撤退にあたっての実質的な規格統一とあわせて、BD 普及への原動力となってほしいものです。

【閑話もいいところですが】最初に発表を行った太陽誘電ですが、知る人ぞ知るというか、こういうところをご覧になる方で知らない方は逆にいらっしゃらないでしょうが、一般的には知られていないですよね。
個人的な話もいいところですが、こんなことがありました。
実家の母から「友人から DVD ディスク(ブランクの)を借りたので、返す分を買ってきて」と言われたんですが、僕としては信頼できるこのメーカーのものを買いたかったんですが、母曰く「ソニーとかの一流メーカーじゃないとダメ!」って(笑)。
DVD はもう上にも書いたスピンドルで買うのが当たり前になっていますが、いままで同社のものを何百枚と使い続けて絶大な信頼感があります。・・と言いつつ、ごくたまに読めないのがあるけどね〜(^^ゞ がんばれ、太陽誘電(って名前が超地味なんだよなぁ、きっと/汗)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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