最終更新時刻:2009年11月12日(木) 7時30分
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東芝デジタルメディアネットワーク社という“社内カンパニー”を通して東芝本体を見る

公開日時:
2008/02/18 00:31
著者:
Shin_s

センセーショナルな報道の嵐の中⋯⋯

東芝が“同社が開発し唯一サポートする次世代DVD規格“HD DVD”事業から撤退する”という件、NHKの報道以来、各方面に激震を巻き起こしていますね。
すでに“大手マスコミ”と言われる新聞社、テレビ局等は、NHKの報道内容に“沿った形”で、ある意味“センセーショナルに”伝えており、すでにロイターなどを通して、海外メディアでも報じられているようです。

ですが、この件について、きわめて冷静で、かつ“唯一、当の東芝デジタルメディアネットワーク社に問合せをしてから”書いたと思われる記事を、“たった一件だけ”発見しました(笑)。
#それって基本じゃないの?(汗)
#あと余談ですけど、この NHK の報道ページもそうだし、新聞社のネット記事によくあるんですけど、せっかくネットに載せているのに一日ないし数日で消されることが多くて、ぶっちゃけそれはどうなのよ?と思います。

2月16日、NHKが夜のニュースで「東芝HD DVD撤退で調整」と報じた。しかし、1月のワーナー離脱BDの寡占が進んだ後も、HD DVD撤退の動きは(少なくとも東芝デジタルメディアネットワーク社においては)なく、あまりに唐突な情報という印象がぬぐえない。主席技監の山田尚志氏なども、中国でのCH-DVD(中国版HD DVD)で積極的に活動していた。

(中略)

加えてNHKの報道にあった「青森の工場」では、現在はHD DVD関連製品を全く作っておらず、レコーダーも含めて中国で生産されている。また、その中国の工場でも、HD DVD関連製品が常時ラインに流れているわけではないだろう。

そこで東芝DM社のHD DVD戦略担当者に連絡を取ったところ、「HD DVD事業から撤退する結論は出していない。撤退について公式な会議の場で議論もしていない」と完全に否定した。「撤退に関してDM社は何も判断していないし、撤退のシナリオもない」。おそらく、このコメントは真実だろう。

筆者の本田氏はその後、「どうも東芝本体のリークなのではないか?」という興味深い見解を述べていらっしゃるのですが、それは当該記事を参照していただくとして、ふとこの『東芝デジタルメディアネットワーク社』なるものは一体どういう会社(地位)なのだろうかという疑問が浮かび、はじめて調べてみました。
#実は、この件、価格.com での東芝 RD-A301 に関するクチコミ掲示板の『技術に対する誇り』というスレッドで、guong さんという方が書かれたコメントにインスパイアされて調べ始めたものです。ありがとうございます!

東芝デジタルメディアネットワーク社とは?

そこにも書きましたが、東芝で HD DVD 事業を担当しているのは、こうした記事に関心のある方ならつとにご存知だと思われる『デジタルメディアネットワーク社』(東芝DM社)です。

しかし、“社”となってはいますが、あくまでもいわゆる“社内カンパニー”であって、完全に独立した会社組織(株式会社等)ではないようです。

東芝:会社概要(組織(組織図・経営幹部))

から判断する限りですが。

【2008/02/18 02:50追記】東芝デジタルメディアネットワーク社の東芝に置ける位置づけ(社内カンパニー)は書いた通りですが、同社は“株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社”であり、独立した法人でもありました。お詫びして訂正させていただきます。

東芝:会社概要(事業グループ)』というページで、同列に並ぶ“東芝テック”という会社には株式会社とついているのに、これ(DM社)にはついていなかったから・・・と苦しい言い訳をさせてください(汗

お詫びついでですが、追加情報として、そんなこんなでネットを漁っていましたら、かなり詳しい同社のサイト(技術系情報満載)を見つけましたので紹介させていただきます。
東芝デジタルメディアネットワーク社:技術系職種情報(テクノロジー アンド ワークスタイル)

余談の類いですけど、ここを見ると「へ〜、HD DVD 事業統括部の光ディスク装置設計部は“東芝サムスン ストレージ・テクノロジー”という会社に同居してるんだ」など、いろいろ興味深いことが見つかったりしました。
そう、サムスンって同じ韓国のLGと並んで、BD/HD DVD コンパチブルプレーヤーを出していたりするわけです。と思えば、ソニーや松下に先駆けて、BD プレーヤーを真っ先に発表したりもしましたし(当時、発売も最初と謳っていたはずです)。朝鮮日報には「三星(サムスン)-ソニー陣営のブルーレイ・・・」なんて記述もあったりしますしね。ひょっとして、東芝の BD 一号機はサムスンの力を借りたりする?(^^ゞ
(追記終わり)

【2008/02/18 18:45追記】サムスンの件、自分でこんな記事書いていたのを忘れていました。
サムスン、業界に先駆けて Blu-ray Disc プレーヤーを発表:Sky's The Limit "CNET Japan EXTRA" - CNET Japan
(追記終わり)

そしてワンダー藤井氏の真実の姿?

で、あのワンダー藤井こと藤井美英(ふじいよしひで)氏は、その東芝DM社の“カンパニー社長”であって、かつ東芝本体の“執行役上席常務”も兼任していらっしゃいます。

東芝:会社概要(組織(組織図・経営幹部):役員一覧)

いま上の役員一覧ページを見て少なからず驚いたのですが、彼は決して東芝の“取締役”ではないということです。取締役会のメンバーではない。
23人もいる常務のおひとりにすぎないんですね。
さまざまな記事中に紹介される際に見られる“社長”という肩書きだけで、僕も相当の裁量権を持っている人かと勝手に想像していましたが、どうもそうでもなさそうです。

次世代 DVD 戦争について、いままでこのブログをはじめ、さまざまな場所でいろんな意見を書いてきていましたが、こんな基本的なことを調べてなかったとは、ちょっとした盲点でした。なんでも興味深く調べてみるものですね。

逆に言うと、どうして、失礼ですが(東芝の中では)その程度の地位である彼が、あれだけ有名になった(いまは、“矢面に立っている”かな?/笑)のか不思議に思ったり。
もちろん、そのひとつはあの有名な「HD DVD が負けたら土下座する」といった趣旨の発言をはじめとする“ワンダーな(笑)”言動・パフォーマンスの数々にあるわけですが。

SCEI久夛良木氏との共通点?

ふとさっき思いついたうがった見方ですが・・・。

ソニーの久夛良木健氏(現ソニーコンピュータエンターテインメント【SCEI】名誉会長、同社前代表取締役会長兼CEO、元ソニー取締役・執行役副社長兼ホーム、ゲーム、半導体担当COO)もその発言(の過激さ)で有名で、敵も多かった人ですよね。

藤井さんがそれに倣ったとは言いませんが、もし HD DVD 事業が大成功を収めたら、彼は立役者(のひとり)と見なされるのは間違いなく、そうした大言壮語を吐いて有名になることで、その夢を見ていらした、酔っていらしたんではないでしょうか?
で、奇しくも同じ道をたどりつつあるという・・・(爆)
#あぁ、あのロイターの記事のタイトル(Toshiba's HD-DVD going the way of Betamax)は、同じソニーの“負け規格”を引き合いに出すことで、そういうのも言外に言ってたのか・・・な?(^_^;;

いや、久夛良木さんの率いた SCEI のPlayStation は、現バージョン(PLAYSTATION®3)こそまだ思ったような成果を挙げられていないようですが、いままで大成功と言ってよかったわけです。
#いや、とはいえPS3だって、2007年第3四半期までに、世界で通算約1049万台も売れている!(出典:PLAYSTATION®3 Worldwide Hardware Unit Sales | CORPORATE INFORMATION| Sony Computer Entertainment Inc.)んだから、HD DVD にくらべれば・・・(^_^;;
プレステだって最初は「いくらソニーとはいえ、勝手の違うゲーム業界で成功できるとは思えない」みたいな評価もあったのですから。

そんな実績のある久夛良木さんと同じと言ってしまうと、久夛良木さんの方が怒りますよね(汗

東芝の“他社”の堪忍袋の緒が切れた?

藤井さんのことはさておき(また脱線しました)、とすると逆に、東芝DM社“だけ”の判断で(本体の反対があるのに)その事業を継続することができるのでもなさそうです。
東芝本体の取締役会がノーと言えば、簡単に・・・というと少々語弊がありそうですが、DM社の事業を撤回できそうな気がしませんか?

従業員3万人超、2007年4〜12月期連結決算で売上高5兆円超(出典:asahi.com:東芝、売上高5.5兆円 4〜12月期、過去最高 - ビジネス)という巨大会社の内情など、僕のごとき一介のユーザーにわかりようもありません。

また、NHKが報じた、HD DVD 事業からの撤退にあたって見込まれる「数百億円の損失」がどれほどの影響をあたえるものなのか想像すらできません。おそらく、5兆円規模の売り上げの会社が、数百億円の赤字額であたふたするほどではない、とは言えるのではないでしょうか。
ただ一方で、当期利益(出典:同上)1261億円という数値から見ると、看過できない数値でもありそうですが。

しかし、そういう数字上の問題はともかく、同業他社・ハリウッドの映画スタジオ・レンタル業者・販売業者、そしてなによりユーザーがそっぽを向いているという、まさに“四面楚歌”的な状況が明らかになった現状、単にそうした数値でははかれない“会社全体のイメージ”に対する大きな損失を見過ごせなくなってきたのではないでしょうか?

東芝の基幹事業は、半導体や原子力発電などの電力システムなどだと聞きます。
“たかが一社内カンパニー”のせい、それも決して基幹事業とはいえない事業のせいで、東芝全体のイメージダウンが大きくなることを、そうした他のカンパニー、そしてそれを統括するカンパニー社長や執行役たちは、決して良くは思っていないだろう、ということは部外者でもなんとなく想像がつきます。そろそろ潮時、という声が社内のあちこちから聞こえ始めているのではないでしょうか。
手前味噌ですが、この見方はあながち間違ってはおらず、“当たらずと言えども遠からず”なのではないかと思っているのですが。

最初に挙げた本田氏の記事では、リークが(あったとして)この土曜にあったのは、

このタイミングならば翌日の新聞記事には間に合い、月曜日に東芝が動き始める頃には“東芝HD DVD撤退へ”が周知となり、既成事実化してしまっているのは間違いない。そうなれば、東芝全体の組織としても撤退の方向へと踏み出しやすい。

という見解でした。こうした報道に対して東芝はすでに

報道では、「東芝がHD DVDについて撤退の方向で最終調整に入り、店頭販売は続けるが、生産や新規開発は終了する」などとしていた。東芝では、「現在市場の反応を見ながら今後の事業方針について検討はしているが、報道のような決定をした事実は無い」としている。

といった声明を発表してはいますが、さて、あした・・・いや、もうきょうですが、この18日からの週になにかもっと具体的で突っ込んだ発表があるのか、期待して待ちたいと思います。

UPDATE:2008年2月18日(月)

以下のような報道がされています。

東芝のHD DVD撤退報道を受け、2月18日午前の東京株式市場では、同社株価が上昇した。

前場終値は前週末比50円高( 6.37%)の834円。Blu-ray Discに対し劣勢と見られていたHD DVD事業の早期撤退方針が伝わった上、好調なNAND型フラッシュメモリの新工場建設計画の報道もあり、同社の選択と集中の姿勢が好感されたようだ。

東芝は同日、HD DVD撤退報道に対し、「当社として決定した事実はない」とのコメントを発表している。

おもしろい動きですが、わかるような気はしますね。HD DVD 既存ユーザーへのフォローという大きな問題はあると思いますが、基本的に大いに歓迎すべきことですから。
ただこれで、このあと「撤退しない」とでも言いだすことがあったら、株価も猛反発で下落するのかもしれませんね。

いずれにしろ東芝は、ことここに及んでは、できるだけ早い段階で具体的な“検討結果”を明らかにする必要があるとは言えるでしょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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