最終更新時刻:2009年11月27日(金) 11時56分
-

Apple iTunes 7 の“正常進化”に思う

公開日時:
2006/09/13 23:45
著者:
Shin_s

オーディオ・ビジュアル絡みのネタの多い当ブログですが、たまにはちょっと毛色の違うことを書いてみます。
それはそうと皆様、お久しぶりです。

実は、僕は Mac、Apple の大ファンでもあるのですが、自分の本家ブログの『Sky's The Limit: さらに強力になった iPod+iTunes 連合』というエントリで、昨日深夜(13日未明)にアメリカで発表された改良版の iPod と iTunes のことを書いていました。
そのうち、ソフトウェアである iTunes については、思うところもいろいろあり、こちらで続けてちょっと書いてみます。

ハードについての評価・感想は、よろしかったらそちらのエントリをご参照ください。

iTunes 7 の Cover Flow はおもしろい

さて、そのエントリでもちょっと触れたように、この Apple の音楽配信ビジネスが成功したのは、よく言われていることですがハードとソフト(iTunes)がシームレスに使えて、しかも使い勝手が他の同様の製品とくらべて段違いにいいということにあります。

その iTunes が今回同時に Ver 7 にアップグレードされたわけですが、これがまたいい。

ウインドウ周りの細かいデザインやマウスの右クリックで出てくるメニューの改善など、細かい改良があるのも見逃せないんですが、ひとつすごくいいと思ったのが、アルバムのアートワークの表示。平たく言えば“ジャケット写真”ですが。

これがある楽曲・アルバムを聴いていると、iTunes のウインドウの上部にこんな表示が出ます。 Cover Flow という機能だそうです。

060913_itunes7coverflow440_1

上の写真をクリックすると、この部分を含めた iTunes のかなり大きなウインドウ(1168×909px)が開きますのでご注意ください。

iTunes 7 をインストールし、「環境設定>一般」で「見つからないアルバムアートワークを自動的にダウンロードする」にチェックを入れると、自動的にライブラリにあるアルバムのジャケット写真を探しに行くようになっているようです。

残念ながら、このデータはまだそれほど多くはないようです。
いま見たら僕の iTunes には6千曲弱(27.60GB)のデータがあって、アルバム数もそれなりにあるんですが(調べる方法って?)ほとんどのアルバムのジャケット写真がない状態です。
iTunes Store に写真があるのが明らかなものでもダウンロードされていないのも多いですから、そこから引っ張ってくるというのではないのかな? その辺、まだよくわからないんですが。

上の画像は、わかりやすくするために、アートワークがあるものだけをプレイリストにまとめてみたものです。
実際にすべてのライブラリが見える状態でこれをやると、真っ黒なジャケットに?がある画像がズラッと出てくるだけで、あまりおもしろくはありません(笑)。Gracenote の CD データのように、これが充実してくれると本当におもしろいと思うんですけど。

これぞ Apple のユーザー・インターフェース?!

とにかく、このジャケット写真がその下のスクロールバーや、最近当たり前になってきたマウスの左右スクロールホイールでサクサクと動きます。見ていて、触っていて気持ちがいいです。まさに、“Cover Flow”です。
当然、その下にあるライブラリの表示もそれに合わせて変化して行きます。

あるいは逆に、下のウインドウのライブラリの楽曲をクリックするたびに、上のウインドウ内のこのジャケット表示がスルスル〜っと動きます。これまた見ていて気持ちがいいし、やはりアルバムのジャケットが表示されるというのが実にわかりやすいです。
なんとなくこれは、CDではなく、いにしえの(笑)レコード(30cmのLPね!)を、レコード店の店頭で、パラパラ〜っと手で探って行く感覚に近いような気がしました。映像があるというのはやはりわかりやすいものだ、と再認識させられた気がします。

いずれにせよ、こういうのを体験できるのが Apple のユーザーインターフェースならではで、それこそがまさに僕が Apple や Mac OS を好きな理由なのですが。

実は?

と言いつつ。

これ、種を明かしちゃうと Apple 自身が考えたわけじゃなくて(笑)、あるサードパーティの方(会社?)が作ったものを Apple が買い取って組み込んだものです。
発表時にチャットをしながら見ていたのですが、そこで看破していた方がいらっしゃいました。

We are pleased to announce that all CoverFlow technology and intellectual property was recently sold to Apple. It has been incorporated into the latest version of iTunes.

このもともとのアプリに関する日本語での詳しい説明は『CoverFlow RC1 : PISCES』にありますので、ご興味のある方はご覧ください。

しかし、いずれにしろ、この機能はまさに iTunes に昔からあったかのように、ピッタリとはまっているように思えます。
iTunes がアートワークの表示機能を実装したときから、これは約束された機能であるかのようです。もともとのを作られた方も、それにインスパイアされてこの機能を作ったのかもしれません。

Apple も以前は自社開発のプロプライエタリな技術に重きを置き、というか完全にそれ以外を廃する哲学を持っていたかのように見えましたが、この例でも明らかなように、オープンな技術だったり、いいものであればサードパーティのものを取り入れる柔軟さがあるように見えます。

そうした柔軟さを、Apple らしさでカバーして提供する、ということをこれからも続けて行ってほしいと感じました。

WBSでも取り上げられていたが?

さきほど、テレビ東京のワールド・ビジネス・サテライト(WBS)の中でも取り上げられていて、「今回の iPod はマイナーチェンジのようで見るべきものがあまりない。Apple の焦り、手詰まり感みたいなのが感じられる」というような評価をされていました。

たしかに、先に取り上げたハードにしても、完全なフルモデルチェンジ、斬新な新機能というものではないかもしれません。
しかし、もともと定評のあったハードとソフトが一体となって、まさに“正常進化”していく。それはユーザーにとってあるべき道です。その放送中でも、ソニーのウォークマンには「カロリー計算機能」がついている、といったレポートがありましたが、裏を返せばそんなことくらいでしか差別化を考えられない“手詰まり感”があるのは、Apple 以外の会社の方ではないでしょうか?

特に、このカテゴリーでは盟主であったはずのソニーが、どうがんばってもいまだに後塵を拝し続けるどころか、さらに差を広げられて行くように見えます。それはまさに、もっともっと愚直に、基本的な音楽プレーヤーとそれに直結する音楽ソフトをこそ、改善して行かなければならないことを物語っているように僕には思えます。
ソニーも、Apple 同様に自社のオリジナルな技術を重視する会社です。それはソニーらしさを醸し出す重要な要素ではあるのですが、もう少し柔軟に立ち回らないと、日本はまだしも、すでに世界的にはデファクトスタンダードになりつつある iPod+iTunes 連合には到底立ち行かなくなるのではないでしょうか。というか、時すでに遅し、になっているように感じますが。

そういう意味ではこの番組でのレポートの、iPod というハードだけを取り上げて、それと一体であるべきの、一体として評価しなければ意味のない iTunes に一切触れないレポートのあり方に、大いなる疑問も感じました。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。