前回の投稿で、Second Life(以下セカンドライフ)ユーザーはセカンドライフの世界(=インワールド)で何をしているのか、ということについて触れ、ユーザーは、今までにない形の新しいコミュニケーション方法、新しいエンターテインメントを体験している、と私はその中で結論づけました。では、ユーザーがそんな時間を共有することのできる新しいコミュニケーションを体験しているさなか、インワールドでは今なにが起こっているのでしょうか。
今から少し前、セカンドライフ系雑誌の第一次創刊ブームが来たころ、日本のセカンドライフユーザーが急激に増加しました。創刊雑誌の表紙にも見られる「セカンドライフで大儲け!」といった見出し、記事、特集。こういった内容のものを見て、参入されたユーザーも少なくないはずです。
しかし現実には、キャンプといった1時間に日本円で5円から10円を獲得することのできるアルバイトや、リアル社会にもあるアンケートアフィリエイトのようなもので獲得できるお金は知れたものだったのです。
クリエイティブ作業(=商品をデザインする、など)によりブランドを確立し、商品を販売し続けることで収入を得ることはできますが、雑誌に見られた「大儲け!」が出来た方はとても少ないように思います。
こういったメディアの情報とインワールドの状況とのギャップを感じ、セカンドライフを離れたユーザーも少なくありません。今、ユーザーの増加率はセカンドライフ系雑誌の第一次創刊ブーム時のそれより穏やかになっています。
そういったユーザー(情報と現実のかい離を感じたユーザー)が離脱したことにより、セカンドライフ人口が減ったかといえば、じつは減っていなかったりします。登録ID数は日々伸び続け、また世界同時ログイン数のピークも週を追うごとに増加しています。これは世界的な統計データを参考にしたものなので、日本国内のそれを表したものではありません。
しかし感覚値でも人が減っているという実感はありませんし、SIM(=島)が増えることで人の分散はあれど堅実にユーザーは増えているというのが現状ではないでしょうか。
上記を総括し考えてみると、今現在セカンドライフをプレイしているユーザーはクリエイティビティを高く持ち、また発揮しているクリエイター色の強いユーザー、そしてそれを購入、評価し自らのオリジナリティを表現するユーザーとなり、その純度が上がっているということがいえます。ネットでよく使われる「玉石混交」の玉の部分が磨かれているまさにその状況が訪れていると考えています。
ユーザーというセカンドライフ内に存在するコンテンツ(セカンドライフがコミュニケーションツールであり、またユーザーが一情報たりうるとするならば、ユーザーはコンテンツと置き換えられますよね)が熟成し、ワインやウイスキーのように美味しさと深みを増しているという状況が、現在のインワールドで起きているのです。
ゲームにしてもリアルの店舗にしても、すべてのユーザー(お客様)を満足させることはとても難しいものです。セカンドライフについても同じことが言え、参入してくるユーザー、そして離脱するユーザー、プレイを続けるユーザーこの3点のバランスがどうであるかが重要なのです。
端的な人口増加数を過剰にうたったり、一時的なSIM内ユーザー数をもってセカンドライフ自体の過疎化と評価したりすることは、複雑な"コミュニケーションツール"であり、そうでしかないセカンドライフを表現するのにはどちらも言葉足らずですよね。
セカンドライフ内で起きている熟成。それは3Diの熟成でもあり、 ユーザーというコンテンツの熟成、またユーザー自体の熟成でもあり、メタバースを構成する地盤の形成にほかなりません。熟成し、3Diという基盤が出来上がったとき、メタバースがメタバースとして機能し、私たちの手足の延長となるはずです。
私は、熟成を待つことはできませんでした。自らをもってその熟成を促進させたいと、セカンドライフの扉を開いてしまいました。そして今も、その選択肢はユーザーになりうるみなさんのお手元に。
おやすみなさい。さざんでした。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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