OpenOffice.org 3.0がリリース間近と聞いています。ただ、個人的にはOOoには複雑な思いも。既にMS Officeのアップグレード意欲を失った身としてはOOoは大変あり難い存在ですが、一方で釈然としないのは、せっかくの開発力が既存製品のクローン作りに費やされている部分。「その労力を何か画期的な製品の開発に振り向けてもらった方が...」という気がしてなりません。
まあ、オープンソースという活動の性格は、新しい何かを生み出すことには向かず、ある種の独占的、支配的な力を広く一般的に解放することにこそ力を発揮するものなのかもしれません。
ただ、結局のところ、OOoがどれほど頑張っても本家MS Officeから大きくシェアを奪うことは叶わないような気がします。有償であろうとも、PC購入時にプリインストールされていたり、企業にはボリュームライセンスで導入されていたりと導入のコストは見えにくくなっていますし、MS Officeがどれほど使い辛かろうがOOoがどれほど優れていようが、他の皆と同じという都合の良さの前には代替品を導入するすべての動機がかすんでしまいます。
てなわけで、個人的にはオープンソースの有志にはMS OfficeではなくAcrobatクローンに取り組んでもらいたいと思っています。レジスタンス的観点に立てば、AdobeもMicrosoftに負けず劣らず帝国化していますし、それなりに取り組み甲斐のあるテーマではないだろうかと。
実は、商用ドキュメンテーションを生業にしていると、世の中にはまだまだ不効率な慣習がまかり通っていることを痛感します。例えば、我々が制作した取扱説明書に対するクライアントからの修正依頼原稿が、
P.○○ □□行目 △△△△△ → ▽▽▽▽▽
といった感じのExcelの表として支給されるとか。これはもう最悪の手法です。いわばテキストを手がかりとした間接アドレス方式のようなもので、もしP.○○の部分が書き間違っていると意図しない箇所を修正してしまうことにもなりかねません。その意味ではプリントアウトに手書きの赤字を入れてもらった方がよほど好ましいのですが、それはそれで乱筆に往生したりテキストを手打ちする必要性が出てきて厄介だったりします。
そういった事象に対して最もスマートな解決策はAcrobatでPDF上に注釈コメントを付加することです。この方法なら必然的に修正場所が特定され、テキストも入力されています。ただし、Acrobatは商用印刷向け機能を多数有していることもあって結構なお値段がします。JustPDFのような代替品もありますが、やはり有償の製品ですのでクライアントに対して導入してくれとはなかなか言えません。そこでもし無償のAcrobatクローンがあればPDFによるドキュメントベースのコミュニケーションがもっと広まるのではないかと。
この際、商用印刷向けの機能は省いてもらって構いませんので、注釈関連の使い勝手に力点を置いたAcrobatクローンの開発を一考してもらえませんかね。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
PowerYOGA on 2008/09/29
こんにちは。私は(Ubuntu上で)PDF文書にコメントをつけるのにInkscapeを使っています。ただ、これはIllustratorと同じで、ページ単位でPDF文書を編集できるだけなので、複数ページの文書は、該当ページを抜き出した後、再び元に戻してやるというややこしいことをしなければなりません。
このほか、PDF Editというアプリケーションで簡単なコメントはつけられるのですが、(私の環境では)ちょっとバグっぽくて使いやすくありません。オープンソースの本格的なPDF関連ソフトは、本当に待ち望まれるものですね。
まつもと on 2008/09/29
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まつもとさん、コメントありがとうございます。
Mac(Leopard)なら、OS添付の《プレビュー》で注釈を付けたりもできるのですが私どものクライアントは皆Winなので...。
オープンソースコミュニティの志向はどうしてもOS、ブラウザ、メーラー、Officeといった本流に向かいがちなのでしょうが、Acrobatのような一部の人たちだけが便利に使っているツールと切磋琢磨してみるのも世のためには有益ではないかと思っています。Adobeへの良い刺激にもなるでしょうし。