最終更新時刻:2009年11月27日(金) 8時00分
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Appleが日本を軽視する理由

公開日時:
2007/05/26 12:57
著者:
PowerYOGA

少なくともMicrosoftのそれに比べれば、Appleの日本人開発者へのサポートは大きく劣っています。

それでも、Mac OS 9の頃までは、かの有名な「Inside Macintosh」を始め、日本語で書かれた開発者向け資料も多かったと記憶していますが、今日では、新参者にとってMac系のプログラミングは随分と敷き居が高いものになってしいました。

これは、

日本でもWindowsが圧倒的なシェアを握っている一方で、業務用システムの類いも総じてWebベースになった以上、今さら多大なコストを費やしてまで技術資料を和訳するほどの価値が見出せない

といった見解の現れなのかもしれません。
Appleとて一営利企業ですから、勝算の薄い戦場では最小限の兵站でまかないつつ、状況の変化を待ちたいと考えるのは当然でしょう。

でも、もう一つの理由として私の脳裏をよぎったのは、

Appleは、もはや日本のソフトウエア開発力に期待していないのではないか

というものです。

実際、世界市場で活用されている日本製ソフトウエアがどれだけ存在するでしょうか?
さすがにゲームソフトでは国外でもヒットしたものが多々ありますが、ビジネスシーンやクリエイティブ用途向けのツール、ユーティリティ関連ではどうでしょう?
年賀状印刷や会計処理のような日本特有の事情を踏まえて開発されたものを除けば、我々が日ごろ使っているツールは、ほとんどが日本向けにローカライズされた外国製品ではないでしょうか。

ならばAppleが日本軽視、と言うか日本の開発者支援の注力度を「英語圏の次」に位置づけて実行に移すまでに至っていないのは必然かもしれません。
現役の開発者を今まで通りにサポートしておけば、新製品のデバイスドライバ類も継続的に提供されるのだから、当面はそれで構わんだろうと。

また、日本では、いわゆるベンチャーキャピタルが未発達なこともあって、斬新なパッケージアプリケーションなどが登場しづらいと見ている可能性もありそうです。
仮に世界を変えるかもしれない画期的なアイディアを誰かが思い付いたとしても、その人自身がよほど能力に恵まれているか、あるいは体力と理解力を備えたソフトウエア企業の要職に就いているのでもなければ、具現化する術を得られず、埋もれたままになってそれまで、という風土と見なされているわけですね。

Appleの思惑を邪推して自虐的に言うなら、

日本では、ソフトウェア開発者の仕事はクリエイティブワークではなく、ブルーカラー的な肉体労働の色合いが濃い。よって、不特定多数が対象の開発者サポートを充実させたところで、大したものは出てきそうにない

または、

優秀な日本人開発者は海を渡ればいい。それほどでもない人や事情が許さない人は、Windowsを使って、面白みに欠ける国内のシステム開発に従事するか、さもなくば、持ち前のジャパニメーションセンスでもってFlashムービーでも作ってなさい

そして、

OS、ハード、アプリ、必要なものは我々が作ってあげるので、あなた方は買って使ってくれればそれでいい

さらには、

米国や欧州に比れば日本でのMacの売れ行きは鈍いじゃないか

結局のところ、

日本人開発者を手厚く支援するメリットは、MicrosoftにはあってもAppleにはない

ってなもんでしょうか。

書いていて、ちっと悲しくなってきました...。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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このエントリーへのコメント

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beさん、お返事ありがとうございます。
コンピュータにせよプログラミング言語にせよ、英語文化の産物でしょうから、「俺はプログラムだけやりたいんだ!英語なんてどうでもいい」なんて人は開発者としては大成しないような気がします。
ただ、その一方で、Microsoftの方は敷き居を低くしているという事実や、外国文化を貪欲に取り入れて自分たち向けにリファインする指向性、そして開発者の現役実務年数などを考えれば、日本でAppleが相対的に支持率を落としてきたのは必然の結果だとも感じます。
「我々は世界市場で普遍的に通用するだけの良いものを作って提供しているのだから...」という正論も、この特異な国では通用しないのだと。ユーザーレベルではOKでも、ビジネスとしては成立しづらいでしょうから。
Macの販売数が伸びれば必然的に提供されるサポートも充実してくるのでしょうが、メーカーの考え方としては「サポートの充実によって販売増を狙う」という積極策の方が好ましいと思います。

  PowerYOGA on 2007/05/31

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お忙しいのに、一つ一つのコメントにコメントバックありがとうございます。
なるほど。確かに。
それなら、Xcodeは無料!を声高に叫ぶ必要もありますが、これの英語ばっかりなのかな?
ついでに、プログラム言語そのもの構築志向が英語が基本なので、(include,if_then, while...) 英語もついでに覚えるのはどうでしょうか?ま、「俺はプログラムだけやりたいんだ!英語なんてどうでもいい」って事なんでしょうが。。。

  be on 2007/05/31

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元販売員さん、コメントありがとうございます。
特定分野に偏りすぎてるという部分は、経緯からして致し方ない気も。一昔前を思い起こせばAppleはずいぶん迷走していましたから。もし、あのタイミングでジョブズがNeXTごと復帰していなければ、と考えるとゾッとします。
市場に関しては、確かに現状では難しいように見えますが、そこを切り開いてこそ、という気もします。

  PowerYOGA on 2007/05/29

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WinもMacもやる店にいて、実際に両方の担当だったわけですが、Macユーザはデザインや印刷、動画、音楽に偏りすぎてる上に個人で独立しているプロ?が多い極端に多いのが仇になったかなと思います。
自然とIllustlator/PhotoShop、QuarkXPress、FinalCat、Qbase等、定番と呼ばれるものだけしかまともに売れない上に、Apple(ジョブス)が「これからは○○だ」みたいに宣伝しないと何も起きないという状態にでした。
開発者の能力云々以前に、日本企業がパッケージ作ったりして利益上げられる市場が無いんじゃないですかね。
分かりやすい一例はmp3で、Windows側は98年頃からジワジワ拡がって来ていて、それなりに再生機、作成ソフトの市場が出来上がっていたのに、iPodが発売されるまでMacユーザの多くには殆どmp3自体が認知されてませんでした。
現在のAppleの状態を考えると、iPodは色んな意味で衝撃でした。

  元販売員 on 2007/05/29

16

beさん、コメントありがとうございます。
それはまったくの正論です。何も英文学者レベルになる必要があるわけではなく、翻訳ソフトなどを使ってでも技術資料が読み解ければいいのですから。
しかしながら、「MacかWin、どっちかでプログラミングを始めたい」という学生などに「Macの方はどうも敷き居が高そうなので...」と思われれば、それはよろしくないことだろうと思います。

  PowerYOGA on 2007/05/29

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その程度の英語は開発者に取って必須と考える方が話しが速そうですが。。。。

  be on 2007/05/29

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わんださん、コメントありがとうございます。
タイトルこそあえてそうしていますが、私も軽視しているのではないと思いますし、有用なら外国産でも一向に構いません。
ただ、今のところAppleが日本を別格視するほどの動機付けがないのだろうというだけで。

  PowerYOGA on 2007/05/28

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別に軽視しているわけではないと思います。
よく使われるソフト(ワープロや表計算からお絵描き、動画編集など)がたまたま日本製ソフトウエアでないというだけではないでしょうか。
私は日本語がきちんと扱えれば(多言語対応できていれば)海外のソフトでも構いません。「日本製」にこだわる必要は全くないと思います。

昔のMacユーザーなら「日本製」の一太郎やATOKで痛い目にあったこともあるのではないでしょうか。

  わんだ on 2007/05/28

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とおりすがりさん、コメントありがとうございます。
考えてみましたが別に何も...。私も両サイトともよく存じ上げていますし。
ひょっとして私のこのエントリーが、「日本の開発者の頑張りが足りない」とか「能力が劣っている」などと言わんとしているといった具合に受け取られているなら、それは心外です。

  PowerYOGA on 2007/05/28

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とりあえず、以下で頑張っている人たちがこのブログをみたら、どう感じるのか?考えてみてください。
http://www.cocoa-study.com/
http://developer.apple.com/jp/documentation/japanese.html

  とおりすがり on 2007/05/28

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kkさん、コメントありがとうございます。
パイの倍増の件は、まったくそうですね。
ただ和訳の件は、言語特性やコストの大小というよりは、純粋に勝算との兼ね合いだろうと思います。OS自体はマルチリンガルですし、英→日の翻訳スタッフには事欠かないので、やる価値があると見れば費用も惜しまないでしょうから。

  PowerYOGA on 2007/05/27

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市場&開発陣が西側onlyだった80年代と、東側が統合されてパイも開発者も倍になった今では、日本自身が何も変わらなくても比重は半分になります。
しかも増えた国の大半は印欧語の国ですから、非印欧語で翻訳コストの高い日本語(字数の多い漢字を含むうえ、語をスペースで分けないといった相違点もあり)への翻訳コストをペイできる可能性が減ったのでしょう。

  kk on 2007/05/27

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ゆきちさん、こんにちは。
増井さんのみならず、個人のレベルでは優秀な日本人も結構いるものの、これが組織になると...、ってことじゃないですかね。

  PowerYOGA on 2007/05/27

7

まあ、増井さんの渡米を見ても、「開発力に期待してない」」ってことはないと思いますが、もしかすると、それが例外なのかな。

  ゆきち on 2007/05/27

6

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
私も同感です。タイトルこそ「軽視」と書かせてもらいましたが、実際のところAppleは、日本における諸条件を考慮した上で、適切と思える注力具合で取り組んでいるのでしょう。
ただ、まだメジャープレイヤーが登場していないがために、現状のレベルで留まっているのだと。もっと積極策に打って出て欲しいとは思いますが。
おっしゃるとおり、Macのシェアや販売数が伸びれば、状況も変わってくるはずです。そうなることを願いたいものです。

  PowerYOGA on 2007/05/26

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