最終更新時刻:2008年11月21日(金) 20時26分

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Top500: 日本のスパコン能力

公開日時:
2007/11/14 11:30
著者:
能澤 徹

 スパコンTop500(2007-11)で、インドのシステムが117.9Tflopsで第4位にランクされ、日本のトップの東工大のシステムは、その約半分の56.4Tflopsで第16位であった。日本のスパコン戦略は本当に大丈夫なのか?

以下に、TOP500にランクされたシステムの国別総和の表を示す。


国名 実行性能 (TF) 実行性能 シェア% 台数 台数 シェア %

平均性能(TF)

1 US 4164.0 59.78% 283 56.60% 14.7
2 Germany 536.5 7.70% 31 6.20% 17.3
3 UK 512.4 7.36% 48 9.60% 10.7
4 Japan 291.1 4.18% 20 4.00% 14.6
5 France 222.6 3.19% 17 3.40% 13.1
6 India 194.5 2.79% 9 1.80% 21.6
7 瑞典 Sweden 186.2 2.67% 7 1.40% 26.6
8 西班 Spain 137.5 1.97% 9 1.80% 15.3
9 Taiwan 103.0 1.48% 11 2.20% 9.4
10 China 87.2 1.25% 10 2.00% 8.7
11 Russia 82.6 1.19% 7 1.40% 11.8
12 瑞西 Switzerland 74.6 1.07% 7 1.40% 10.7
13 Italy 69.1 0.99% 6 1.20% 11.5
14 Netherlands 65.2 0.94% 6 1.20% 10.9
15   Finland 44.0 0.63% 5 1.00% 8.8
16   Canada 32.1 0.46% 5 1.00% 6.4
17   Norway 28.2 0.41% 3 0.60% 9.4
18   Malaysia 27.7 0.40% 3 0.60% 9.2
19 Korea 15.7 0.23% 1 0.20% 15.7
20   Turkey 13.8 0.20% 2 0.40% 6.9
21   Egypt 9.9 0.14% 1 0.20% 9.9
22   New Zealand 9.4 0.14% 1 0.20% 9.4
23 Australia 9.0 0.13% 1 0.20% 9.0
24   Indonesia 8.0 0.12% 1 0.20% 8.0
25   Luxembourg 7.8 0.11% 1 0.20% 7.8
26   Singapore 7.7 0.11% 1 0.20% 7.7
27   Belgium 7.6 0.11% 1 0.20% 7.6
28   Poland 6.4 0.09% 1 0.20% 6.4
29   Brazil 6.2 0.09% 1 0.20% 6.2
30   Denmark 5.9 0.09% 1 0.20% 5.9
  Totals 6965.8 100% 500 100%

 

 日本は実行性能シェアにおいても、台数シェアにおいても、米、独、英についで第4位である。性能的には、概ね、米国の14分の1、独、英の2分の1程度であり、インドの2倍、中国の3倍程度である。台数的にも、概ね、米国の14分の1で、英国の5分の2、ドイツの5分の3、インド、中国の2倍程度といったところである。 インド、中国の追い上げは激しい。

 では、日本はスパコンに予算を割いていないのか、というと、これはNOである。文科省の2005年10月の資料では、日本の15の主要大学・研究機関のスパコンのリース料合計は年額で260億円となっている。これは4年償却で考えると、買取でおよそ1000億円規模である。

 今回のTOP500で第3位にランクされたニューメキシコ州政府の126.9TflopsのSGI-Xeonシステムは$11M(約12.65億円、Y$115)と報道されている。つまりTflops単価は約1,000万円である。Sun、Cray、APPROなどのOpteron系もTflops単価は概ね700-800万円程度であり、またIBMのBlue Bene/Pも”1Mflops当たり10セント”、つまりTflops単価1150万円程度と報道されている。

 こうした国際価格を適用すれば、日本は、主要15機関の年間スパコン予算だけで、10ペタflops程度の総計算能力を確保できることになるのである。勿論、調達時期のスキューがあり、10ペタ丸々とはならないにしろ、国際価格で調達すれば、数ペタflops程度は確保できる予算額なのである。少なくとも、独英と同じ、望ましくは独英の2倍の1ペタflops程度は問題ない予算額である。
 要するに、日本のスパコン総演算能力が乏しいのは、予算が足りないからではなく、調達の仕方が悪いのである。調達の過程で、国税の円の価値が3分の1、4分の1に目減りしているのである。 (調達に関しては様々な議論があり、別途議論をしてみたい)

 文科省はスパコン戦略立案において、現在の国際的スパコン供給状況では、インドに限らず、マレーシア、中国、台湾、韓国などの政府が、若干の予算をつけるだけで、国際価格で調達できれば、いつでもTOP500のTOP10にランクインでき、日本を出し抜くことが出来るのである、という国際社会の厳しい現実を再認識すべきであるし、運用経費で首が絞まってしまった地球シミュレータの反省も無く、地球シミュレータの3倍超の施設を作って、同じ過ちを繰り返そうとしている「次世代スパコン開発」は、今、すぐにでも、再検討を行うべきではないだろうか。

 

 なお、筆者の誤解、思い違い、転記ミス、計算違い、あるいは不適切な表現等がございましたら、ぜひ、コメント欄にてご指摘いただけますと幸いです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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