昨日”マイクロソフト と トヨタ そして グーグル”というエントリを書いたら、”マイクロソフトがヤフー買収”のニュースが飛び込んできました。
446億ドル(4兆7千億円)という金額にも驚きますが、これが買収提案発表前のヤフーの株価の66%増しだというのも”さすがにマイクロソフト”という感じです。 グーグル対抗と言う事は誰にでも判りますが、こんな事日本企業にできるでしょうか? いくらグーグルが脅威だといえ、現在のマイクロソフトに比べたら売り上げ規模で4分の1、利益では5分の1の企業にすぎません。 その上、マイクロソフト自身は空前の好決算。 こんなところで、わざわざ危険をおかして大買収するなんて、トップ経営陣の危機感が相当強いのでしょう。 CEOのSteve Ballmerはとっくにビリオネイヤなのに、こんな攻撃的な姿勢をくずしていません。 こういう荒々しい力がいかにもアメリカ企業らしい。 いつでも満足せずに成長を目指している。 まさしく、資本主義の権化と言ったところです。 大企業の中でもIBMとマイクロソフトは常に変化に対応し、成長を続けているのは大したもんです。
さてオファーをかけられたヤフーですが、もう何回もマイクロソフトからのオファーを蹴っています(2006年、2007年)、最近では2007年2月に断わっていますが、CEOも変わって今は創業者のYangがCEOですし、グーグルの脅威は増すばかり。 レイオフも始めました。 今回は受け入れる可能性が高いんじゃないでしょうか? ビジネスとしても、マイクロソフトのDesktop OS, ApplicationsとYahooのWeb技術は良い補完関係になるでしょう。
あまり言われませんが、マイクロソフトのサーバーやソフトウェア開発ツールも今後のSaaSに対応していく上で、ヤフーは助けになるでしょう。 そして何より、日本を除いて(日本は本当にWebでもいろんな意味で例外市場です)、グーグルには単独で対抗できません。 このまま行けばジリ貧なのは目に見えています。 ジリ貧でも、”本当にどうにも成らなくなる”まで改革できない日本企業と違って、ヤフーは変われると思います。 その最短、最善の道がこの買収を受け入れる事でしょう。 これで真の意味でグーグルに対抗できる企業が生まれますし、下からはFacebookが追い上げてくるし、アメリカのWeb業界は、一段と面白い状況になってきました。
今年アメリカはサブプライム問題などあって景気は良くないですが、そんな事とは関係なく、Web業界は今後も発展を続ける、その底力の一旦が見えたようです。 恐らくグーグルも黙っていないでしょう。 高株価を使っての買収合戦が一段と激しくなるような気がします。 その為には、アメリカ市場の株価がむしろ低い方がやり易い面もあるでしょう。 マイクロソフトやグーグルの株価は底堅いのでそれほど極端には下がらない、買いたい企業の株価は下がる。 と言う状況なら株式交換比率は(株式交換で買収する場合)買うほうに有利になるでしょうし、両社とも現金も充分あるし。 次のグーグルの一手が見ものです。
買収と言えば、今ちょっと影が薄いですが、数年前まで買収(M&A)で成長している企業の代表だった、Ciscoはどうなったんでしょうか? アメリカでも高速ネット接続が普及してきました。 WiMaxもいよいよ今年は普及元年になりそうだし、通信関係もCiscoが又買収に乗り出すのではないでしょうか? こう見てくると、アメリカ企業の意気の良さは充分。 株価も夏くらいからは回復基調に入れば、来年は”お荷物”だった大統領も新しくなるし、アメリカ経済の先行きは明るいようです。
それに比較して、日本経済はどうなるんでしょう? あいも変わらず、”日本経済のファンダメンタルズはアメリカより強い”、”日本企業の技術力は今でも世界有数だ”と言い続けるんでしょうか? 私も日本経済の基盤はしっかりしてるとは思いますが、”世の中常に動いているんだから、止まってないで変わらなけりゃ”、”技術、技術と言ったって、もう中国、インドでも技術開発できる時代になっているんだから” とか、言いたい事は一杯あります。 やはり、危機感の問題ですかね? まあ、国内個人金融資産1500兆円あれば、利子で食っていける国ではあるんですけどね。
経済アナリスト 森永 卓郎氏の記事です。 結構納得できる事を言ってますが、 結局”日本経済のファンダメンタルズはアメリカより強い”、”日本企業の技術力は今でも世界有数だ”だから”日本株は低くなり過ぎている”、”円の適正評価は1ドル80-90円”と言う結論になってます。
しかし、こういう経済分析で一番抜けている(判らない)のが、”経済の勢い、ダイナミズム”です。 ケインズが言った、「企業家は animal spiritでビジネスをする」と言う、”動物的感覚”とでも訳しますか? これが入っていないので、結局現実と離れてしまうのです。 まあ、それは評論家の仕事では無いのかもしれません。 ビジネスの一線で頑張っているビジネスマンも実際の株取引をしているディーラーや投資家も、評論家とは違う目で経済を見ているのですから。
1978年、創業当時のマイクロソフト社員。 Bill Gatesは向かって左の下。 ”子供に見えた”と言うIBM担当者の言葉が残っています。 このときHarvardを退学したばかりだから、20歳そこそこ。 とても、後の”世界一の金持ち”には見えませんね。

では今日はここまで。
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