BigBangより:
もうかなり昔の話ではあるが、代理店のコンペに参加していると、電通から「然るべきルート」以外のルートで、圧力というか、「ご連絡」が来ることはよくある話だった。記憶に一番残っているのは、別の会社のチームとして、翌日のコンペに間に合わせようと前日の深夜まで、スタッフと企画作業の追い込みをかけていたときの出来事だ。
深夜に鳴った電話は、我々のチームのトップからで、作業をすぐ停止[続きを読む]
当方「初音ミク」記事には目ざといのでこのブログを読んだのですが、内容に納得すると同時に少し前に読んだある記事を思い出しました。
この記事によるとアメリカではネット広告の規模は今年2007年で200億ドル、2兆4千億円に達しており、前年比25%で伸びているとの事です。 BigBangさんによると日本の広告全体の規模が6兆円ですから、アメリカのネット広告は既に日本の広告の売り上げ全体の半分近くに迫っている事になります。 この予想によると2011年で420億ドル、4兆4千億円に達するとの事です。 2015年ごろには、アメリカのネット広告の売り上げが日本の広告市場全体を追い越すのは間違いないでしょう。 Googleの売り上げは既に1兆円を超えています。
これに関連してIBMの1部門である、IBM Global Business Serviceが "The end of advertising as we know it" と言うレポートを出してます。 この中でIBMは以下の様に述べています。 和訳はTechCrunch日本語版11月12日よりNamekawa氏。
広告予算が新しい、対話的なメディアに急速にシフトし、これらのメディアが伝統的な広告の5倍以上の率で成長すると予想されている中、伝統的な広告関連企業は大幅な収入減の危険にさらされている。 この新しい事態を生き残るためには、マスメディアはその「マス」を対象とするという態度を捨てて、さまざまなニッチに存在する消費者に訴えかけるすべを学ばねばならない。
広告配信者はさまざまなマルチメディア機器を利用して、特定の ターゲットに的確に対話的広告を送り届けることができなくてはならない。 広告代理店は大いに実験性と創造性を発揮して、消費者の心理を深く洞察し、爆発的に増加している選択肢から適切な予算配分を見出す必要がある。 広告関係者は全員、従来の広告モデルに対して、よりオープンなプロセスによって売買される広告モデルを受け入れなければならないだろう。
本レポートは、広告業界の力関係を根本的に変化させる4つの要因に注目した。 すなわち、アテンションのコントロール、 創造性、効果の測定法、広告手段の4分野における変化である。 消費者のアテンションのシフトは、インターネット利用時間がテレビ視聴時間に迫っていることで明らかである。 消費者はCMによって視聴時間が分断されることに飽きあきしており、付随する広告を含めたコンテンツの視聴経験において、どのようにフィ ルタ、配信、対話性のいずれの側面においても自らの主導権を強く行使するようになりつつある。
IBMの調査によれば、DVDレコーダーの所有者の50%以上が番組を録画後後再生して視聴している一方、伝統的なテレビCMはそのままオンライン化することは不可能である。 アンケートによれば、40%の視聴者が オンライン・ビデオ内の広告を「他のあらゆるフォーマットに比較してもっとも不快」と回答している。
アマチュアやセミプロのクリエーターがきわめて低コストで独自の番組を制作してはじめており、 これが次第に従来のプロダクションを脅かすまでになっている。 一方、放送メディア側もクリエイティブ面での役割を多様化させている。 広告主は広告業界に対し、さまざまな広告プラットフォームについて、詳細かつ個別に消費者の反応を測定し報告する説明責任を、一層強く求めるようになっている。 従来の独占的な広告チャンネルや広告販売の慣行に、広告主による「セルフサービス広告」が取って代わりつつある。
--- 要約終わり ----
やはりWeb2.0関係ではアメリカは日本のかなり先を行っていると思えます。 日本の産業の国際競争力を比較をすると、かなりでこぼこが大きくて、自動車に代表されるような「ものづくり産業」は世界のトップですが、マスコミ、金融、広告、小売等の「国内向け産業」の競争力はかなり低いのです。 その為、こういう産業関係の製品、サービスではアメリカに比べてかなり見劣りがします。 その典型の一つがこの広告業界でしょう。 電通が独占しているのもBig bangさんの書いているように自由な競争が無いからでしょう。
GoogleがYouTubeを買収したのも、動画広告の伸びる事を予想したからとも言われていますし、 先週世界のソーシャルネットワーキング(SNS)最大手の2社、MyspaceとFacebookが同時に広告の掲載を始めることを発表しました。 今までSNSは広告が載っていなかったのですが、これで新たな収益機会が増える訳です。 そしてSNSの中にはGoogle等のサーチエンジンが入っていけないので、このSNS大手2社の広告への進出は、Googleに取って、そしてYahoo等に取ってかなりの脅威では無いでしょうか?
いずれにしてもアメリカで始まっている事は必ず日本にも来ます。 今後10年ほどで日本の広告業界もかなり変わると思われますが、それがアメリカのような競争による新興企業の台頭ではなく、Big Bangが予想(?)しているような、電通のより巨大化だとしたら、あまり日本に取って良い事とは思えません。 何か私の古巣のソフトウェア業界の「下請け絶望論」と同じ構図に見えてきます。 せめて「初音ミク」に代表されるWeb2.0がその突破口になってくれれば良いのですが。
これに絡んで(やたら絡みますが)、シリコンバレーでコンサルタントをしている女性(渡辺千賀さん)のブログに、かってはシリコンバレーに住んでいる者、最新技術やベンチャーに興味のある者だったら必ず読んでいたと言われる、サンノゼの新聞”San Jose Mercury"紙が、ネット広告へのシフトに乗り遅れ倒産しそうだ、と言う記事を書いてます。
日本でも大手の新聞がこのような影響を受ける時代が来るんでしょうか? 恐らく上記の電通と同じに、既存の新聞社がネットにも乗り出していく可能性が高いようです。 ただ、Yahooには孫正義が居ますから、ここが何かやる可能性はあると期待できます。 その意味で日本では世界の流れと違い、GoogleよりもYahoo Japanがビジネスや社会を変えていく目になりそうです。 ちなみにこのブログはシリコンバレーやアメリカでの生活、ビジネスに興味のある人にはとても面白いのでお勧めです。 渡辺さんには私も一回お会いしてるので、そのうち「アメリカで活躍する日本人」について書くときに又紹介しましょう。
ミクが「現代用語の基礎知識」に乗るようです。 「趣味と萌え」というカテゴリーは、ま、しょうがないかなという感じですが、「初音ミク」と「みっくみっく」が別に入るというのは面白いですね。 次は「鏡音りん」(Vocaloid第二段)ですか。
今日のおまけはこの前に続いてドイツ、ニュールンベルグ市の風景です。 前に書いたように、これは戦争後復元した歴史的町並みです。 でもヨーロッパにはこういう古い感じが良く似合う。

では今日はここまで。
大額和良(おおぬか かずよし)
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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BigBangさん。 こちらこそ読んでもらえてうれしいです。 続編ぜひお願いします。 私はアトランタ在住なので日本の実情に疎いですので、興味深かったです。