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    店舗のソーシャルメディアマーケティング -kazu ( @ogawakazuhiro )

    2010-07-21 22:31:00

    ツイッターの活用で有名になった、東京・六本木の豚しゃぶ専門店「豚組しゃぶ庵」オーナーの中村仁さん( @hitoshi )の著書“小さなお店のツイッター繁盛論”を献本いただいたので、今回はそれに関連し、「店舗のソーシャルメディアマーケティング」について触れてみたいと思います。

    中村仁さんは、現在複数の飲食店を経営する社長ですが、元々は大手電機メーカー、広告代理店などを経た優れたマーケターです。その資質を活かした飲食店経営をなされているので、「豚組しゃぶ庵」をこのような形で繁盛させるに至ったことは納得しきりです。

    特にこの著書の中で共感したのは、「お店に集客するのがゴールではない」という観点です。

    飲食店などの店舗では、従前からフリーペーパー、クーポーン誌などを用いた(初回)割引クーポンで集客することは常套手段です。ツイッター登場以降、そのフリーペーパーの代わりと言わんばかりに、ただツイッターでクーポンをばらまく様子が散見されます。このように、ツイッターで割引企画を展開することは「ツイ割り」(ツイッター割引の略)などと呼ばれていたりします。もっとも、フリーペーパー、クーポン誌などでクーポンを配るよりも、いつでもリアルタイムに、しかも余計な広告費などをかけずに流布できるツイッターでのクーポンは一定の合理性があるとは思います。タイムセールスなどもツイッターならではの企画として、用い方によっては大きな成果を出せるはずです。

    しかしこの手の割引クーポンによる集客が常態化すると、割引だけに引き寄せられる新規客がフローし続け、固定客、ロイヤルカスタマー作りをすることにより本来得られる店舗の安定成長基盤をいつまでたっても築けないジレンマに陥ります。いくらツイッターという新たな可能性を秘めた手段が現れたとしても、ただ割引クーポンをばらまくだけであればそのジレンマを味わう手段が増えただけということになってしまいます。

    そこで、「お店に集客するのがゴールではない」という基本的な観点に立ち返る必要があります。

    今まで縁のなかったお客に、割引クーポンをフックに来客してもらうというスタートライン自体は決して悪くはないとは思います。重要なのはそのようなフックで集客したお客にお店の魅力をどのように伝えられるか、そしてリピート客にできるかということです。割引クーポンはあくまでもそのきっかけ作りであり、初回来店時のもてなしとフォローこそが不可欠となります。以前、あえて半額以下の割引クーポンの新規顧客のフローだけで良しとし、あえてリピートしてもらえるようなサービス作りにはコストをかけない、だからアンチCRM、顧客データなどむしろ邪魔という強烈なスタンスの店舗と出会ったことがあります。 それはそれで凄い割り切った商売の仕方だなと、逆の感心とある種の失望感を抱いたことを忘れられません。安さだけを求めるお客もいればこそ成り立つのでしょうが、少なくともここ日本ではリーズナブルでもそれなりのサービスを受けられる時代ですから、それもなかなか通用しなくなっているはずです。

    さて、僕らは著書「ソーシャルメディアマーケティング」の中で、店舗や地域企業、中小企業のソーシャルメディアマーケティングとして「ゲリラ戦」と称した戦術を提唱しています。本来、ソーシャルメディアマーケティングはそれ単体で展開するのではなく、マスメディアやリアル(店頭やイベント)等とのミックスによりその価値と効果を最大化するものだと僕らは考えています。ところが現実として、例えば小さな店舗であればマスメディアでの広告宣伝を用いることは現実感がありません。そこであえて、手段をソーシャルメディアにフォーカスしたマーケティングプランで攻めまくる戦術もあり、というのがこのゲリラ戦です。 

    ソーシャルメディアマーケティングのゲリラ戦におけるポイントはいくつかありますが、特にセグメントを絞ることが有効となります。例えば、地理、人口層や性別層、富裕層、価格、製品、業界などがセグメントの切り口となります。まさに豚組さんはその辺りをお手本のように体現しています。ツイッターという手段にフォーカスした上で、「六本木エリアにある豚肉料理専門店」というセグメントで徹底的に勝負し、我々のマインドシェアを獲得していきました。日本全体よりも東京、東京よりも六本木、飲食店よりも和食、和食よりも豚肉料理、そのようなセグメントの絞り込みの中でこそ見事な成果を出されたのではないでしょうか。元来、マスメディア活用とは縁遠いゲリラ戦であっても、根気強くコツコツ挑んでいるうちに取材等でマスメディアに取り上げられ思わぬアテンション効果を得られることもありますし、豚組さんもまさにそうだったと思います。その来るべき日のアテンション獲得を虎視眈々と目指しながらのソーシャルメディアマーケティングのゲリラ戦が、店舗にとっての一つの戦術だと僕らは考えます。 -kazu

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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