Web2.0に限らず、世の中で起きている流れの本筋として確かだと思うのは、ロングテールと呼ばれる現象です。水が上から下に流れるように、尾っぽが長くなっていくのは避けられない法則です。それがインターネットの出現と普及によってより顕著に、加速して、はっきりと目立ってきたから「ロングテール」という現象に人々が注目するようになったのでしょう。
ロングテールとはマイナーな商品でもたくさん集まれば大きな数になり、商売になることを言います。代表的な企業はアマゾンです。図書コード(ISBNコード)さえついていればどんな本でも売っています。発行部数100万部のベストセラーから同50冊の自費出版まで並べています。リアルの書店ではとても扱えないようなマイナー本を扱っていることで注目されていますが、逆にマイナー本を出している立場からこの現象を見てみましょう。本の著者を作家と呼ぶならば、この世に作家はどれだけ増えたことでしょう。
こういう現象は作家に限りません。ミュージシャンもそうです。CDは簡単につくれます。売ることもできます。できないのは大量にやることだけです。少量だったら誰でもできて、なりたいものになれてしまいます。タレントも、アイドルも、マジシャンも、占い師も、みんなそうです。
ちなみにアイドルなんて、昔は御三家などといって、日本中を見回しても限られた数しかいなくて、ものすごい存在でしたが、今は秋葉原駅前にいけば、よくわからない人たちがたくさんいます。「アイドルやってます」といったブログも大量に見受けられます。どこでなにをやっているのかわかりません。知る人ぞ知るです。その中には1000人のファンを持つ人から800人、500人、100人、50人、5人のファンしかいない人まで、ロングテールのスロープを描いているのだと思います。
このロングテール現象がIT技術のおかげで爆発的に進んでいることがWeb2.0の最大の特徴かもしれません。すべてがロングテール。SOHOやアフィリエイターといった存在も、経営者や商人のロングテールと言えます。目だって増えてきた探偵会社は警察や警備会社のロングテールでしょうか。塾は学校のロングテール。仕事の種類そのものも、ものすごく多様化し、細分化してきています。
もちろん大組織、大資本がなくてはできないことは厳然としてあります。製鉄所、石油会社、自動車会社などなど。けれどもこういうものも、方向としてはロングテール化へのある種の引力が働いているように思います。たとえば通信会社は、昔はNTTだけでしたが、今はKDDI、ソフトバンクなどが出てきていますし、エネルギー産業でも、小口で電力を売るような会社が出てきています。技術の発展で、より小資本、少人数でやれることが増えてきているからです。
宇宙にロケットを発射するなんていうことも、今は国が行っていますが、将来は民間企業がどんどんやるようになるでしょう。それも最初は大企業、次に中堅企業が宇宙に進出し、500年後か1000年後か知りませんが、未来にはスターウォーズよろしく、一匹狼のならず者みたいな人でも、今の白タク業者のように、宇宙船を所有して商売をやるようになるでしょう。
自然界の絶対的な法則としてエントロピーの法則というものがあります。これは熱いお湯は放っておくと必ず冷えていく現象を表したものです。冷えたものを放っておいて熱くなるという逆は絶対にないのです。砂場で作った砂山も放っておくと必ず崩れて低くなっていきます。その逆は絶対にありません。
シェア100%の会社があったとして、放っておくとそのシェアは絶対に減っていきます。そのシェアを奪おうとする者が必ず現れるからです。
ロングテールというのは、高い山の裾野がどんどん長くなっていくというイメージなので、私にはエントロピーの法則に則っているように思われます。つまり自然の法則に基づいた現象なので、業界、業種に関係なく、あらゆる分野に起きていることであり、今後もさらに進展していくことなのだと思います。
けれども一方で、高い山がなくなるというわけではありません。尾っぽには必ず頭があります。その頭はますます大きくなるかもしれません。なぜなら人間の習性は、エントロピーの法則に逆らうものだからです。それは本能です。砂場の子供は必ず山をつくります。できるだけ高い山を作ろうとします。これは起業した経営者が少しでも会社を大きくしようとするのに似ています。低きに流れようとする自然の法則に逆らって、できるだけ高くあろうとする。そこに自身の存在意義を感じる習性も、人間は同時に持っているからです。
ブロガー紹介
投稿型電子書籍サイト「ポケットjp」(http://pocket.jp)を運営する。実践主義の経営ジャーナリスト。近著に『不動産業界を変える ハウスドゥの挑戦』http://tinyurl.com/2jt5nqがある。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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言い忘れがひとつありました
ロングテールが一番でているのが
エッチなサイトです
あれはまさにマニア心をくすぐります