最初に述べたいのは、ネット社会における情報格差の問題です。
これがおもしろいのは、強者と弱者の逆転現象が起きているように見えるからです。
10年前、ネット社会の情報格差と言えば、パソコンを持っている人と持っていない人の格差だったように思います。ところが携帯を含めてほぼ全員がネットにつながるツールを持つようになった今は違います。
それをどれだけ深く使いこなすかで格差が生じています。そしてこの格差は以前と違って、強者には不利で、弱者には有利な環境を生み出しています。これは平準化を促すことだから基本的によいことだと思います。
どういうことかというと、
たとえばライブドア事件報道がワイドショーなどで盛んに報じられていたとき、識者として招かれているはずのコメンテーター数人が誰一人としてライブドアが何をしている企業かもわからず、「虚業」と決め付けていたことなどは、この現象を最も明確に証明していたように思います。
虚業で時価総額8000億円にもっていけるなら、それこそ神業です。いくらなんでもそんなはずはないのです。そこを深く考えようともせず、わからないことを認めたくもないから「虚業」と断罪して、詐欺師だったからあんなことができたというくらいに断罪して、片付けてしまっているように見えるのです。
ライブドアが何をやっているかは調べればわかることですが、問題はそういうことではなく、テレビに出演しているような人には感覚としてわからないはずです。なぜならリアル社会で自らの立場を確立し、活躍しているからです。
リアル社会にしっかりとした生活の基盤があり、そこで忙しく働いている人ほど、ネットとは縁が遠い。ここがおもしろいのです。ヤフーを見て、メールを活用しているだけでネットを知っているつもりになっているが、WEB2.0と言われても、全然ピンと来ないというのがそういう人です。
ゲオの創業者である遠藤結城社長(故人)が、「50歳以上の人間はネットなんか全然わからないよ。みんなわかっているふりをしているだけ」と言っていたのを思い出します。頭がいい人だからこういうことが言えるのです。わかっていないのに、わかっているふりをする経営者は危ないです。
なぜ、わからないのか。それは年齢だけの問題ではなくて、リアル社会での勝者だからです。リアル社会で忙しいのだから、画面に向かってチマチマなどやっていられないし、そういう立場でもないのです。
では今、ネットを本当にフル活用し、その感覚を一番よく理解しているのはどんな人でしょうか。
それは、ネットに頼らないと生きていけない人、リアル社会で忙しくない人、リアル社会で道を逸れてしまった人、何の基盤もない若者などです。(ライブドアはそういう人たちの頂点に位置する存在のように見られ、祭り上げられていたふしがあります。)
つまり一般に「負け組」とか「フリーター」などと言われている層、現実社会では弱者と見られている人たちのなのです。実際、一般的な枠組みからはフリーターと見られている若い人の中にも、ネットで何百万円、何千万円と稼いでいる人、何千人というネットワークを持っている人が数多くいるのです。
そして、年齢がいっている勝ち組。この社会を動かしている中枢にいる人ほど、ネット社会で起きている新しい動きに疎いのです。
この二極の間には非常に大きな乖離があるのです。
この現状を認識するかしないかで、企業経営の方向性は全然違うものになると思います。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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異論があります。
多くの若者は、技術を知っているだけで、メディアでもあまり報道されないような価値の高い情報自体を持っているわけではありません。
マスメディアで流された情報を再加工して流しているだけで、一次リソースを握っていません。
価値ある情報を握り、それから利益を得ている層は「勝ち組」に集中しています。
「負け組」から情報でもってして巨額のお金を儲けるような人間は、ごく少数です。
そして、所得、学歴と、情報がすべて一方に偏り、もう一方はすべてにおいて貧しくなる。
今後の日本はそういう方向により進むと予測しています。
私はそんな情報格差社会を肯定しているのではなく、危惧しているのですが。