今回の買収報道には驚きました。てっきり、広告モデルで収益上げるノウハウ、SEO効果とPV自体をCnet買収で吸収するための策、と思いきや、日経でデジタルメディアを先導されたTさんによれば、For Saleだったのを、asahiパソコンとかがなくなってIT方面が弱くなっていた朝日が、やや何となく引き受けたらしい、という情報があったそうです。
戦略性が感じられない、ということですが、これはベンチャー設立と同様、事後に戦略を打ち立て、強化しても良いのではないか、と思います。
そこで、実は以前から、Asahi.comさんに提案していた標記の「再有料化計画」について、Cnetブロッガーとして概要を書いてみます。
有料記事にするのは良いけれど、ログイン、パスワード入力を必須にすると、検索エンジンにはかからなくなります。最新の注目記事を、そのコンテンツ自体の魅力によって、キーワードから検索してもらえないのでは、記事自体に対価をいただくモデルとして致命的。
そこで、次のようにします:
■記事から、Mextractr によって、5W1Hを抜き、伏せ字にする。抜いた5W1Hは、タグに、出現順、もしくは、5W1Hごとに50音順に入れてHTMLページを生成。
その結果ですが、、SEO効果は元記事通りそのまま残ります。いや、事実報道などで最重要の要素、5W1Hがタグに入っているのだから、元記事よりもSEO効果は高くなる可能性も十分あります。
そして、辿り着いた読者が読む文章はこんな感じです:
【原文】
メタデータ、Web閲覧メモやスケジュールをクラウドにクリッピングする "Mextクリッパー" サービスを無償提供開始
メタデータ株式会社(本社:東京都文京区、代表:野村直之)は4月8日、Web記事やWeb メールの本文からイベント情報や打ち合わせ日時の情報(以下アポ情報)の5W1H(いつ、どこで、何を、等)を抽出して、クラウド上の個人カレンダー、スケジューラの登録画面上の「タイトル」「日時」「場所」等のフォームに自動で振り分けて登録可能とする“Mext クリッパー”サービスの提供を開始した。メリットは、【スケジュール登録が10 秒で完了】、そして【いま注目した情報を逃さずクラウドにクリップ】の2つである。
【5W1Hを伏せ字にした結果】
メタデータ、Web閲覧メモやスケジュールをクラウドにクリッピングする "Mextクリッパー" サービスを無償提供開始
【…法人・団体名
1…】(本社:【…住所1(都道府県)…】【…住所1(市区町村)…】、代表:【…個人名1…】)は4月8日、Web記事やWeb メールの本文からイベ
ント情報や打ち合わせ日時の情報(以下アポ情報)の5W1H(いつ、どこで、何を、【…個人名2…】)を抽出して、クラウド上の個人カレンダー、スケ
ジューラの登録画面上の「タイトル」「日時」「場所」等のフォームに自動で振り分けて登録可能とする“Mext クリッパー”サービスの提供を開始した。
メリットは、【スケジュール登録が10 秒で完了】、そして【いま注目した情報を逃さずクラウドにクリップ】の2つである。
何か起きた出来事の骨子は十分わかります。それが重要なことであれば、ちゃんと原文の形で読みたくなることでしょう。 ソース中のタグと丹念に対照すれば、読めなくはありません。しかし、より多くの時間とストレスがかかります。
そこで、「すぐ、ちゃんと読みたいぞ」と思って、「購読」ボタンを押すと、1ヶ月1500円のカード引き落としで読めるようになる、という仕組みです。
いかがでしょうか? 週刊アスキーの仮想報道の連載の中で歌田明弘さんは、今回だけ新聞社間のカルテル、談合を認めて、一斉に有料化を、という説を唱えておられました。あるいは、大手は潔く会社をたたみ、極小のコストで有料コンテンツを細かく小売りする報道ベンチャーが多数乱立する近未来像についても書いておられました。
これらと比べて、上記の拙提案には、十分、現実性と、移行性と、日本の風土に合った「軟着陸」のビジネスモデルが含まれているように思うのです。しかし、もちろんAvex主導のCCCDが、「元データを損なう」技術は絶対に受け入れられない、と拒否反応を一部で起こした事実も忘れられません。このときは、レッドブック、オレンジブックなどのCDの規格を破るとともに(構造データがXMLでなくなるようなものか、、)、一部のCDプレーヤーのピックアップがトラッキング迷いで激しく動き、音質の低下のみならず、CDプレーヤーの寿命を縮める可能性があって、批判されました。
これに比べれば、アスキーテキストの文字コードの規約も、HTMLの規約も完全に守ったまま、また、道具であるPCにも何ら悪影響を与えないまま、正当なSEO効果、即時性、面倒な手続きなく記事全体を眺めることができる、などの点で、「5W1H分離」の提案には一定の優位性があるように思います。
テクノロジーでカバーできるところはテクノロジーで頑張る。今後の日本経済、日本発のソフトウェア、ネット上のビジネスの進展のためには、「技術は輸入、物まねばかりで寂しい」と言われた悪評を跳ね返しつつ、海外で類例の無い領域を開拓すべきではないでしょうか? そのような芽をみつけるたびに、「ガラパゴス」と言って非難するよりは、同様のテクノロジーとビジネスモデルを海外に輸出することを考えても良いのではないでしょうか?
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
nomuran on 2009/07/06
Yahoo!にしても、Financeの一部記事(株価予測など)は有料とか、様々なビジネスモデルにのって、100数10のサービスが有料、無料、キャンペーン中だけ有料、と入り乱れているかと思います。
過去のものについては、こんなものもあるのですから有料化は無理でしょう:
http://web.archive.org/web/19961219124321/http://www.asahi.com/
(→一部しか収集していないようではありますが、収集したものは1年半以上古いものは公開される仕組みですね)
コンテンツ自体でお金をとるには、携帯のような乱暴な(月に100円や300円だと使って無くても忘れてて引き落とされ続ける人が多い)課金モデルでなく、本来は、きめ細かく、需給関係にも応じた課金がなされることになるのではないでしょうか。わかりやすい料金体系、払いやすい絶対額であることも重要ですが。
以上は一般論。
個人的に、歌田さん、佐々木俊尚さん、Tさんとお話し、彼らの主張もよく知っている朝日新聞の様々な部署の10名ほどの知己とお話した感触からすると、彼らは絶望的なほど、変わらねば、と個人個人は思っています。しかし、それが、1本筋の通った打開策に結びついて、会社全体のガバナンスを支配するには凄まじいエネルギーや、カリスマ的存在(しかも恐ろしく賢くて正しい判断が超高速にできる)が必要、という組織力学のネックを前に、さらに絶望感に浸ったいる感じがします。
それがわかっていない脳天気な「逃げ切り世代」のブログは無視して良いでしょう。
個人的には、新聞のポジティブな編集機能をとても惜しんでいるので、漸次的にビジネスモデル、ビジネススタイルを改変できるテクノロジーで貢献できないか、と考えている次第です。
nomuran on 2009/07/06
草木生(そうもくしょう) on 2009/07/06
気になったのは、我々読者ブロガーの立ち位置です。「朝日新聞が変わるか、CNET Japanが変わるか、ブログについて考える。http://japan.cnet.com/blog/mugendai/2009/07/02/entry_27023465/」で書いたことですが、現在、朝日新聞では、アスパラクラブという記者や編集者のブログが掲載されています。これのコメントは、購読者のみです。もっとも、これは自己申告なので、現実に購読しているかどうかはつかんでないはずです。さて、肝心なのは、このブログでは、私たちのような一般読者が書けるものではなく、編集者や記者という朝日新聞の関係者(有名人の記事も含む)によるブログなのです。あくまでも新聞のスタイルをネットに持ち込んだ形になっているからなんとか成り立っているのだと思います。ところが、私たち読者ブロガーは、朝日新聞どころか、CNETにすら、まったく関係はありません。もし、asahi.comやCNET Japanが有料化されれば、自分の過去のエントリーを見るのも有料化されるのでしょうか。
mugendai on 2009/07/06
草木生さん、こんにちは、
>専売所では購読者の住所は把握してませんし、する必要がありません。
ふーむ、、これは不思議。だとしたら、どうやって彼らは新聞を配達できるのでしょうか?
>nomuranさんが朝日新聞の技術系の方に提案しているそうですが、
これは経緯の記述が不十分でしたが、、先方が、弊社に相談にこられたのです。それで、技術もアイディアも、2、3ヶ月前に提供しました。しかし、このスピード時代に、この間進捗がないようでしたので、まずCnetに、次に、電波局、著作権関係の別部署の知り合いに、最後に役員クラスの方へ、という流れは描いていますが、、途中にたった人の顔をつぶすようなことはいたしません。本当に改革するにはまずいやり方ですので。
新聞社の変革、生き残りのお力添えができれば名誉なことではありますが、自社の主たるターゲット事業領域ではないので、先方が望まれれば、というスタンスです。また、エンジン自体はGoogleが本気出せば1、2年で作れるかもしれないけれど他では難しいことがわかっていますので、アプリのアイディアを平気で晒すことができます。チャンスは、どの新聞社さんにもさしあげたいです。中でも両方ご縁があった、ということで朝日&Cnetさんをゆるやかに応援させていただく意味でこちらに書かせていただきました。しかし、当然、ライバル紙の方々、IT Proの知り合い20数名にも読まれるだろうな、とは思っています。
nomuran on 2009/07/06
あの、専売所では購読者の住所は把握してませんし、する必要がありません。領収書に名前と用途が書かれていれば経費として落ちるじゃないですか。
nomuranさんが朝日新聞の技術系の方に提案しているそうですが、つつき先が違うんじゃないかな。良い技術も「決裁力のない人」に話すのは無駄で回り道になってしまいますよ。
草木生(そうもくしょう) on 2009/07/06
なるほど。
紙の配達を受けている人が住所を明らかにしていない、というのは有り得ないですが、逆に、カード決済から入って、なんらかの形で紙を後から受け取れるようにする(郵便局の局留めのようなもの?)、というのは有り得るかもしれないですね。
カード番号だけで決済はしたは良いけれど、発行したアカウントが使われ放題、、という可能性は、やはり下に書いたのと同じ、「警告」によって同時使用をおさえることはできそうです。
カード決済の住所と配達先が一致すれば、メルアド無しでも、いけそうですね。これは、カード会社と、個人情報のやりとりで合意できれば、と。
>また、現在、自分は、ときどき、コンビニでいろいろな新聞社の新聞を追加で買っています。このような人はウェブを読む際に割引等を受けられそうでしょうか。
このアナロジーは面白いですね。
多少は1日分の紙をコピーされたり、、ということはあるかもしれませんが、せいぜいその日の分だけ。QRコードなりをスキャンすれば携帯からアクセス・キーがセットされる。1部ごとに違うQRコードが印刷できれば、、となりますが、輪転機にそんな能力があるかどうか。
>さらに、記事中にあるように、ネット新聞がいっせいに有料化等、現実性があるのであれば、ネットカフェやビジネスホテルの LAN からはネット新聞読み放題とか、実施してくださるとありがたいような気もしました。
これも面白い、現実的な解の追求ですね。
場を限定して、月額5万円以上払って原文を再配信する、というビジネスモデルは回ることでしょう。そこで、ハッキング、ネット全体に原文を盗んで再配信する業者をきちんとつぶせるか。JASRACの自動パトロールプログラムが、もっと多数、無数の違法uploadを検出している状況をみると、発信サーバをつきとめてその都度つぶすのは、少なくとも国内ではなんとかなりそうに思います。
、、と書いてきて、現状日本のTVドラマ等で著作権違反が恒常化している中国からの違法な原文再配信を食い止められるか、が課題なような気がしてきました。少し考える必要がありそう。中国政府自身がやっているような、外国の一群のURLへの日本からの接続禁止措置に踏み切れれば、なんとかなるかな。でも、この一線を日本が超えるのはあまりに大きな代償を払うことになるやもしれません。
nomuran on 2009/07/06
詳しいご説明、どうもありがとうございます。おかげで、具体的にイメージすることができました。
新聞社に、個人識別可能なメールアドレスを提供しないといけないことになるのですね。さらに、販売店の方がメールアドレスを把握される可能性を考えないといけないわけですね。
個人的には、メールアドレスはほとんど周囲に知らせていないので抵抗があります。少し考えたいと思いました。
あと気になるのは、朝日新聞社が一般大衆向け新聞社であるということです。
住所がないとウェブ新聞を読めないかもしれないのは、少しばかり困ると自分は思うかもしれません。
記事でご提案のクレジットカードの場合、契約時に、カード会社が申請者の住民票を取れる承諾をしているような気がします。
新聞販売店やコンビニで、ウェブ個別記事を読むための識別番号付き回数券など販売してくだされば、それを利用して、住所や銀行口座、クレジットカードを持たない方々も、ウェブ新聞を引き続き読むかもしれませんが、自分がそのような立場に立ったら、そのときはできれば無料で読みたいかもしれないとも思います。
それとも、それらの層は肇から相手にしない課金モデルが現実的なのでしょうか。
また、現在、自分は、ときどき、コンビニでいろいろな新聞社の新聞を追加で買っています。このような人はウェブを読む際に割引等を受けられそうでしょうか。
さらに、記事中にあるように、ネット新聞がいっせいに有料化等、現実性があるのであれば、ネットカフェやビジネスホテルの LAN からはネット新聞読み放題とか、実施してくださるとありがたいような気もしました。
sumimotoshohei on 2009/07/05
sumimotoshohei様、
コメントありがとうございます。
朝日新聞には、
https://www.assc.jp/np/asahi-np.html
というインターネット購読申し込み頁があります。
メールアドレスで、個人識別をしているようです。
通常、1世帯で紙を購読するので、識別上は十分と思われます。
(複数世帯で1メルアドを共有するのは稀でしょうし、住所他も抑えていて1紙しか配達されないので問題ないでしょう)
オフラインで購読申し込みをした人、世帯には、配達所から、メールアドレスを記入、確認してもらえば良いと思います。こうしてメルアドで名寄せをした人には、そのメルアドでログインすれば、付加料金を払うことなく、オンラインで購読可能にすれば良いでしょう。異なるIPから同時アクセスされている事態はチェック可能ですので、数10人以上に自分のメルアドとpasswordを教えるような妙な不正があったとしても、「規約違反によるオンライン購読停止」の警告を送れば、払っている本人はパスワードを変えることでしょう。以後、友人/知人さんは、1500円を払って独自に購読することになるでしょう。
nomuran on 2009/07/05
面白い提案と拝見しました。課金可能な情報提供が成立しうるのですね。
科学記事に限ったことかもしれませんし私の勘違いかもしれませんが、紙媒体よりも、ウェブに出てくるのが少し遅かった、と感じたことが最近ありました。
遅い分、定期購読料が安い、というご発想であるならば、うなずけます。
ただ、紙とウェブと二重課金されるとなると、少しばかりつらいかもです。
紙の購読者には課金しないなどの措置は、ご提案の仕組みでは可能なのでしょうか?
sumimotoshohei on 2009/07/05
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アスパラ倶楽部他の件は、自民党の総裁選と同様、「党員でないと投票できない」という、コモンズの領域なのかもしれない、ととらえています。良い、悪いの議論は(まだ)していません。ちょうど総裁選のように、実質総理大臣の選挙でありながら(総総分離の場合は別)、お金を払って党員になった人しか投票できないのはとんでもない話だ!と評価することもできるのかもしれません。
※でも、朝日や読売が自称読者にしかコメント書かせないというのは、紙の時代の自称読者投稿から選んで「(読者の)声」欄を作っていたのと同様な気がして、個人的にはあまり抵抗ありません。お金を払って食い入るように記事を読んで評価した人のコメントは、無料で読んだ人のコメントよりは、責任感が担保されているはず、という説にも一定の説得力があるかと思います。
もちろん、ネットビジネスを大発展させるための、グランズウェルとの付き合い方、に照らして優れた戦略かどうか、などは全然別問題。
佐々木さんが吐露するオーマイの問題などマイナスの存在も参考に、フル・ネット時代の知識編集、情報評価のあり方を議論し、考え抜き、旧世界の新聞に新たな役割を担って頂く、という発想があっても良いのではないでしょうか。