統一地方選挙が始まってからすぐに、mixiの「足あと」機能を使った選挙活動について疑問の声が上がり始めた。
選挙期間中に候補者が「足あと」をつけまくる売名行為が問題となったのだ。
しかし、今回の件は、コミュニティ内での迷惑行為の排除、良好なコミュニティ環境の維持といったSNS特有の問題だけではない。選挙活動のあり方、政治家の活動や資質といった政治と選挙のあり方といった問題についてまで考えなくてはならない深みを持っている。
これはインターネット上のコミュニティと政治家のあり方を切り口に、今後の政治(と選挙)が問われているのだと考えなくてはならない。
なぜなら、このままではいずれmixiが選挙のたびに戦場になってしまう。現実の世界がそうなのであるから、いずれSNSの世界もそうなってしまう可能性があるからである。
以下、「質問状」「論点」「mixi運営者側の見解」「メッセージ」とポイントをまとめてみた。皆さんも一緒に考えていただきたい。
■以下は、問題の候補者が自ら明らかにするべき点として具体的に私が考えたものです。
質問状としましたので、候補者の方はHP等に回答を掲載できるはずです。
【質問状】問題の候補者が、自ら明確にするべき点について
・人に迷惑行為をしている自覚があったのか?(SNS特有の顔の見えない社会での行為の問題)
・自分の政治理念とmixiはどんな関係があるのか?
・選挙運動にmixiの「足あと」を利用したのか?(意識するとしないとに関わらず、結果としての認識)
・客観的に見て、そのような認識、行動の人に市政を任せることができるのか?
<更に具体的に>
・mixi利用期間は?(どんな経緯でmixiに参加したのか?その後のmixi利用状況は?)
・選挙期間中の行為の内容は?
・選挙告示前までの行為の内容は?
・組織的なものか、個人的なものか?
・影響の範囲はどの位のユーザーに及んだか?(「足あと」をつけた対象(ターゲット)はどうやって絞り込んだのか?結果としてその数は?)
・「足あと」をつけた頻度はどの位の期間か?(一日何人?同じ人にどの位の間隔で?一分間に何人くらい?)
・「足あと」付けの作業者は当人か?(候補者本人は知っていたのか?)
・「足あと」をつけるツールの利用はあったのか?
・不特定多数のユーザーに大量の「足あと」を付けて、いかがわしいサイトや怪しい儲け話のサイトへ誘導する迷惑行為が横行している現状を認識していたのか?
・そもそもどういう思想でこの行為を行ったのか?
・そもそもあなたはmixiを愛用していたユーザーさんですか?
■論点
・選挙期間だけの問題ではなく、日頃政治家がmixiにどのように参加できるのか、どう関わるべきか、という議論が必要。
・mixiだけの問題としてではなく、そもそも政治活動、選挙活動がどうあるべきか、の議論が必要。
・「何をしているのか分からない」、「活動が見えない」という声に応える一つの手段としてHPやブログがある。mixiも活用したい、との意見はあり、その方法やあり方については議論が必要。
・政治家(を目指すような人)が、怪しいサイトへの誘導といった迷惑行為と同一レベルで語られる現状について、議論が必要。
■mixi運営者側の見解
今回の件に関し、mixi運営者側の公式の見解は出ていない。しかし、コミュニティ利用上の注意などから、その考え方は既に提示されている。
「mixi ご利用上の注意事項 3.コミュニティでの注意点」にて「 Q.コミュニティでのマナーはどういうものがありますか? 」との質問に、「円滑なコミュニケーションをおこなうためにも、インターネット上でのマナーやルールを理解した上で、他の人の迷惑となる行為は慎みましょう。」と呼びかけている。
しかし、mixi運営者側も今回の件に対して「mixiを利用される政治家の皆さんへ」といったメッセージを出す必要があるのかもしれない。内容は踏み込んだものでなくても、上記のように今までに出ているものをまとめ、再度提示するだけでも良いのではないだろうか?それが良いコミュニティを維持するために、素早い対応として求められ、政治家以外のユーザーへ運営者側の姿勢を示すことにもつながるからである。
■最後に -メッセージ-
私も今回の統一地方選挙では候補者の一人(相模原市議候補)でした。ホームページもブログも選挙期間中には更新せず、mixiも一度も開くことはありませんでした。たいていの候補者にはそんな時間はなかったものと思います。
しかし、選挙告示以前には、mixiは大好きでよく参加していました。学校の同窓会情報を受発信したり、また私は市議会議員をしていますので、時々懐かしい友人や普段お会いすることのできないような地域の方からのメッセージが飛び込んできたりして、大変うれしい思いや驚きを沢山与えてもらいました。深刻な相談事や、市政に対する新しい発想のお話を聞かせてもらうこともありました。時には、mixiの話題で声をかけて頂いた方を探したり、市内のいろいろな方のHPやブログを読ませてもらうこともありました。しかし、いろんな方のページや日記を読ませてもらうことは、同時に「足あと」をつける事になってしまうことが気にもなっていました。「mixiで戸別訪問をしている」といわれる可能性があったからです。私の場合は、普通のユーザーさんが利用されるのと同程度の利用なら問題ないだろう、一市民と同じ感覚での参加なら良いのではないだろうか、と言う意識で参加させてもらっておりました。これからについては考えなくてはなりません。
mixiを含めインターネットでの選挙活動が認められていないことはもちろんですが、mixiでは政治活動も規定で明確に禁止されています。
自分の主義・主張をがんがん掲載すると言ったことはないにしても、政治家の行動にはそれが「”売名行為”ではないのか」、「名前の宣伝ではないのか」と言った疑問や批判がつきものであり、名前や顔を出す行為はそう受け取られるものである、という自覚が必要だと思います。
mixiが何のために存在し、ユーザーの皆さんがどういった目的で、どのようにそれを利用しているのか。そこに新たな有意義な活用方法を提示するならまだしも、ユーザーの方の楽しみを奪い、利用を妨げ、迷惑となるような行為は、政治家であろうとなかろうとしてはならないはずです。mixiをはじめ、SNSが文化としてより人々の生活に溶け込み、活用され、人々の生活や心を豊かなものにしてゆくためには、その機能や参加の仕方についても、より踏み込んだ議論が必要だと思います。
本来、人の模範とされるようでなければならない政治家です。怪しいサイトへの誘導と同一レベルで語られる迷惑行為は慎むのが当然だと思います。
しかし、今回の件は、顔の見えないSNSならではの問題ではないと感じています。現実の世界では、これ以上の迷惑行為が堂々と行われ続けているのです。
駅で大声を張り上げ、朝から何度も電話での投票依頼のお願いをし、街宣車で自分の名前を何度も連呼して走り回る。mixiは現実の世界の縮図に過ぎないのかも知れません。今後、こうした現実がSNSの世界にももっと入り込んでくる、そうした危機感をユーザーも運営者側も持つべきであると私は考えています。
今回の件は、SNSだけの問題ではありません。現実の政治と選挙の問題について、私たち一人一人がしっかりと考え、議論しなければならない現実を突きつけているのだと考えています。
この件に関しては、引き続き、意見や主張を続けてまいります。
皆さんのご意見も、ぜひお聞かせ下さい。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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