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    純国産スマートTVになるか!?話題のガラポンTVを取材してきた

    2011-06-03 16:30:00

    プロフィール

    土屋夏彦

    私を育ててくれたラジオがついにサイマルインターネット配信スタート、これは 国の政策の遅さを見かねて放送(ラジオ)が通信業界に革命の手を上げた瞬間だっ た…。そんな業界の裏側を鋭くえぐってみたいと思います。
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    純国産のスマートTVの呼び声も高い「ガラポンTV」が遂にこの4月より本格始動。昨年8月に行われたウェブの可能性を発掘するイベント「WISH2010」では「AMN賞(アジャイルメディア・ネットワーク賞)」にも輝き、先日の日経エレクトロニクス主催の「スマートTVサミット」(5月27日)でも「24時間×30日×7チャンネル全テレビ番組録画」というユニークなコンセプトは参加者の多くの興味を誘っていた。「インターネット(通信)を利用してテレビ(放送)番組の視聴スタイルに革命を起こす」と言うのだが、これはまさに私の領域と、早速突撃取材させていただくことになった。



    ガラポンTV 取材(5/24)保田歩社長に聞く:場所:神田明神下のオフィスにて

    オフィスは、秋葉原電気街のすぐ横の神田明神下交差点から徒歩で1分のところにある。社長の保田歩氏は慶応義塾大学卒業後、システムエンジニアとしてインターネットバンキングのシステム作りに携わる一方、趣味でアパレル販売のサイトを立ち上げるなどしているうちに、趣味が高じて、ヤフー株式会社に転職。新規事業企画のプロデューサーとしておもしろ動画サイト「myzo」など数々のサービスを立ち上げて来られた異色な経歴の持ち主である。

    ネーミングとしては少々インディーな感じもある(笑)このマシンだが、本当に純国産スマートTVとしての力量があるのだろうか?


    ガラポンTV弐号機


    ■ガラポンTVの構想はいつごろから考えていたことなのでしょう?


    △ヤフー在籍時から、テレビで使う検索サービスや、関連動画が次々にオススメされる動画視聴サイトを新設した経験から、「テレビ番組は面白い」「テレビ番組を検索して即視聴したいニーズの存在」「ソーシャルな動画視聴の可能性」「モバイル環境での動画視聴へのニーズ」などの、現在のガラポンTVの要素は認識していました。現状のガラポンTVの具体的なサービスモデルはヤフー退社後に確定しました。


    ■「テレビ番組の視聴スタイルに革命を起こす」新サービスということですが、どんなところが革命を起こす素質があるのでしょう?


    △テレビ番組をテレビモニターで見ない時代が来ると予感していました。いままでテレビを見ない時間にテレビが便利に見れるようにすること、すなわち発想は「ロケフリ(※)+全番組録画」がテレビ視聴革命の原点になっています。地上波ワンセグのテレビ番組を最大七チャンネル、1カ月間ぶっ通し(1TBのハードディスクを接続した場合)で録画できることで、いつでもどこでもテレビ番組をテレビモニター以外で見ることができることになり、それが革命だと思っています。


    ※ロケフリ:ロケーションフリー(LocationFree)とはかつてソニーが販売していたネットワークを通して遠隔地でテレビを視聴できるようにするための製品群のこと。2000年9月に「エアボード(旧名称)」として発表されて以降ラインナップが拡充され、LF-PK1、LF-PK20、LF-W1HDなどが販売されていたが、現在ではすべてが生産完了となっている。(ウィキペデイアより抜粋)


    ■ワンセグチューナーが搭載ということですが、あくまでiPhoneやタブレットなどの大きさで視聴することが前提なのか?今後、BS、CSなども考えられますか?


    △やりたいとは思いますが、現在はワンセグ専用機のため、これを実現させるためには大きな設計変更をしなければなりません。当分は地上波ワンセグ7チャンネル24時間同時録画で約1ヶ月(1TBHDDの場合)という仕様で進めて参ります。


    ■ワンセグということだが、ガラポンTVで録画したものは通常のテレビモニターにも出力できる?HDMI出力は?


    △ガラポン本体にはHDMIやビデオなどの出力ポートはありません。すべて自宅内LAN経由で画像を送るシステムになっています。例えば、ガラポンTV端末内の録画番組をPCで再生し、PC画面の出力先をHDMIケーブル/VGAケーブルでテレビにつなぐか、またHTML5とH.264/AAC再生に対応したプレイヤ(もしくはFlash動作可能)を搭載したネット接続テレビでも、ガラポンTVを楽しむことができます。しかしあくまで画質はワンセグレベルになります。

    △基本的には、通常のテレビモニターをリアルタイムで放送されているテレビ番組と奪い合うことはしないという発想です。ガラポンTVは、今までテレビ番組を見ていなかった時間や場所でテレビ番組を見てもらうことを狙っているので、テレビモニター以外での視聴を促進していきたいです。


    ■iPhone、iPad、Androidなどタブレットから視聴するとありますが、端末は1つしか登録できないのですか?例えばiPhoneを登録してしまったらiPadでは見られなくなる?


    ガラポンTVをiPadで視聴する様子


    △ガラポンTVの視聴方法は、自宅内では、ハードディスク(HDD)に録画した番組を自宅内LANに視聴モニター(iPadなど)に接続させて視聴します。自宅外で見ようと思ったときは、一般のインターネット回線経由で、自宅内LANにタブレットなどを接続し、録画番組をいつでもどこでも視聴できます。その際、視聴する端末を登録する必要があります。登録は一度に1台までなので、登録していない端末で視聴したい場合は、すでに登録済みの端末を一旦ログアウトしてから、新しい端末でログインし直せば視聴できます。


    ■HDDの代わりにUSBメディアなどにするとメリットがありそうだが・・・

    ※7チャンネルで1TB約1ヶ月、2TBのもので約2ヶ月、全7チャンネル×24時間録画できる


    △USBにも番組をためることはできるかもしれないが、すべて暗号化されるため、そのUSBメモリをPCに挿しても中の録画ファイルは見られません。また、USBメモリの場合、書き込み速度がハードディスクよりも遅いためうまく動かない可能性が高いです。(未確認)


    ■番組検索ができるとのことですが、これまでは、録画したい番組を番組表やキーワードなどで検索して予約という方式でしたが、ガラポンTVではどうなるのでしょう?


    iPadで録画番組を検索する様子


    △ワンセグ7チャンネル24時間すべて録画されているので、録画予約という概念はなく、未来の番組を検索して予約するという行為は存在しません。過去の番組リストの検索はワンセグ番組と同時に送られてくるEPGデータを使い、「タイトル」「出演者」「日付別」「局別」「番組ジャンル」などで検索ができます。番組情報は、各局がワンセグの電波に乗せているデジタルデータを使っています。

    △検索は「字幕データ検索」(狭域検索)と「番組情報検索」(広域検索)の2種類あり
    「字幕データ検索」では、番組タイトルや出演者など整理されたデータを使ってすばやく検索でき、「番組情報検索」では、番組解説データなど細かな情報データをくまなく検索するため、時間はかかりますが、その分、すべてのカテゴリや自由なキーワードで検索できます。

    △番組は過去約30日間×24時間(ハードディスクの容量が1TBの場合)すべてが録画されていますが、それ以上になると一番古いものから上書きされてゆきます。とっておきたい番組は、お気に入りに登録しておくことができます。時間の余裕があるときに、番組を検索して、お気に入りに登録して、見るときは、お気に入りメニューから、見たい番組を選ぶというのがガラポンTVの視聴スタイルになります。

    △また、ガラポンメニューや検索システムはすべてオープンプラットフォームになっているため、APIを誰でも自由に利用して、独自のメニュー仕様や独自のデザインなどに変更可能です。ガラポン本体が普及すれば、独自のアプリなどが誰でも作って供給できる楽しみがでます。


    ■テレビ番組のある瞬間を一意のURLで表現できることにある(特許を出願中)ということですが、テレビ視聴のソーシャル化についてどんなお考えでしょうか?


    ガラポンTVをiPadで視聴する様子(全画面再生も可能)


    △ガラポンで録画された番組は、随時システム内でガラポン独自の共通ID(タイムコードも含む)を振る仕様になっています。IDはガラポン利用者共通のものになっています。なのでそのIDをツイッターなどで共有すれば、他の人がおもしろいと言っている番組や瞬間のシーンを自分の録画データから瞬時に探し出すことができます。

    △テレビを通常見ない時間に、テレビ好きの仲間と、昨晩の面白かった番組談義をソーシャルな場所で交わし、お気に入りに登録しておくなどすれば、テレビ番組を媒介にしたソーシャルコミュニティーが実現します。


    ■それは現在のテレビ局のビジネスも大きく伸ばす可能性があるとのことですが、各局との連携などは交渉されているのでしょうか?


    △画質はあくまでワンセグ画質のため、番組によっては、ガラポンでちょっと見て、物足りなくなって、ちゃんとお茶の間の大画面で見たくなることもあります。そんなときに、各局のオンデマンドサービスと連携できるようになれば、さらに視聴者の夢は広がるのでは?そのような各局との連携ができればすばらしいと思っています。現在、各局とも話を始めているところです。


    ■あえてお聞きすると、株式会社PTPの「スパイダー」や東芝「セルレグザ」などについてはどう思われますか?スパイダーの強力な検索機能、CM検索などができれば、マーケティング機器としても広告会社や放送局が欲しがるのでは?


    △スパイダーやセルレグザは、デバイスとしてのテレビをターゲットにしたサービス(特徴は高画質、高価格、視聴場所はテレビの前)。ガラポンTVは、スマートフォンやタブレット端末、PCをターゲットにしたサービス(特徴は低画質、低価格、ロケーションフリー)。

    △ちょうどPCインターネットしかなかった頃には、モバイルインターネットなど使わないと言っていた人が沢山いましたが、事実、モバイルインターネットはその利便性から圧倒的な支持を得ました。同じようにテレビ番組の視聴も、低画質で低価格で場所を選ばず視聴できることに魅力を感じてくれる人が増えていると考えています。


    ■申し込み件数は当初予定されていた出荷台数の10倍ほどの数百に達したとのことですが・・。


    △昨年秋、ガラポンTV(初号機)の販売期間(4日間)に数百の申し込みがあり、準備していた台数を大幅に超えてしまい抽選となってしまったため、抽選に外れた方にはすぐに納品できませんでした。その際、納品した方からいくつかの想定外のトラブルや問い合わせがありましたので、随時ファームウェアのバージョンアップやマニュアルの充実等対策を講じ、順次改良を進めておりました。

    △この4月に、初号機をお待ちいただいていた数百人のうち約35%の方へ、改良されたガラポンTV(弐号機)の納品がようやく完了したところです。

    △それでも現在、まだお手元に届いていない方々がいらっしゃいます。申し訳ございません。「ガラポンTVを申し込んでくださった全てのお客様に満足いただけるよう、精神誠意頑張ろう」と、ガラポン社員4名で品質改善に取り組んでおりますので、いましばらくお待ちいただければ幸いです。


    ■「年内に1万台は売りたい」とのことですが、ガラポンが成功したと言えるのはどれくらい?


    △10万台は販売したいと思っています。ここまでくれば、ガラポンとしての存在も世間に認められることになり、さらなるコンテンツ業界への還元が出来ると思っています。還元することによって、さらに良いテレビ番組が誕生し、またまたガラポンを利用したくなる~そういう良い循環ができることを夢見ています。

    △ガラポンは、あくまでワンセグにこだわり、ひたすら軽いサービス。モバイルに特化したテレビ視聴は、忙しい現代の視聴者には欠かせないサブカルチャーだと思っています。現在事前予約の方の35%の方々に納品が終了し、いくつかの不具合を修正しつつ、なんとか夏ごろまでには100%の方々への納品を間に合わせたいと思っています。いま、興味を持っていただいた方々には、それ以降の納品になってしまうかもしれませんが、この夏より、随時、オープンAPIを利用したガラポンTV関連サービスも続々登場して参りますので、ぜひ今後ともご期待ください。


    ■今日はお時間頂き、ありがとうございました。


    株式会社ガラポン保田社長


    スマートTVの国内での流れを改めて思い起こしてみたくなった・・・。

    かつて1999年、米国で「TiVo(ティーボ)」という世界初の「おまかせ録画」機能のついたHDDレコーダーが登場。これがチャンネルサーバーという概念を生み、日本に飛び火して「CoCoon(コクーン)」が誕生(2002年)。その流れで「おまかせ・マル録」「スゴ録」と進化していった。このあたりから、インターネット回線を通じて、自宅の機器を外出先から録画予約の操作できるなど、スマートTVの要素が姿を現し始める。

    そして「ロケフリ」(前出)で一気にテレビとパソコンの融合が加速されたが、その後、テレビにパソコンの機能はさまざま組み込まれていったものの、オンデマンド機能などテレビ番組以外の充実が主流となり、飛びつきたくなるほど興味をそそるものは出てこなかった。

    昨年のiPadの登場は、久々に胸躍るものだったが、スマートTVの観点からすれば、日本では米国のような利用方法に至るには、まだ相当な時間がかかると予想され、もはや法改正などを待つしか国産スマートTVの誕生はあり得ないのかと思っていた。

    そこに彗星のごとく現れた「ガラポンTV」はまさに僕にとってのほぼ完璧なスマートTVのコンセプトを感じさせた。改めて教えられた。日本人にとってのスマートTVの最も重要な要素は「モバイル」なのだと、そして主要コンテンツは地上波であること。GoogleTVもAppleTVもその要素は満たしてくれない。でも「ガラポンTV」は十分に満足できる要素を秘めている。

    「ガラポンTV」が日本のテレビ視聴スタイルに革命を起こしてくれることを心から祈っている。



    (リンク)



    ガラポン
    http://garapon.tv/

    よくある質問
    http://garapon.tv/garapontv-2nd-faq.html

    2011.03.08 東京IT新聞に掲載
    http://www.tokyoitshinbun.jp/news/entry/2683

    【WISH2010】9.ガラポンTV2010/8/30
    http://www.youtube.com/watch?v=JT-4DN4-doQ&NR=1

    ガラポンTVをipadで使ってみた
    http://www.youtube.com/watch?v=S2aHqlMmKno&NR=1

    スマートTVサミット
    http://techon.nikkeibp.co.jp/article/SEMINAR/20110420/191258/

    WISH2010
    http://agilemedia.jp/wish2010/

    AMN主催イベント「WISH2010」、大賞は「ブクログのパブー」に(2010/08/31)
    http://japan.cnet.com/news/service/20419178/

    ティーボ
    http://www.tivo.com/
    http://ja.wikipedia.org/wiki/TiVo

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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