パソコン並の値段設定を発表して波紋を呼んだPS3だが、今度はその心臓であるCELLチップの歩留まりに関する具体的な数字がIBMの半導体部門の副社長、Tom Reevesによってリークされてしまったので業界で波紋を呼んでいる。
問題の記事は、Electronic Newsによるインタビュー記事「Turn Down the Heat」。次世代のチップにおける製造上の課題などをストレートに語るTom Reevesの誠実な態度も好ましいが、Cellチップの歩留まり(=製造したチップのうち、ちゃんと動作するものの割合)の具体的な数字まで引き出してしまったインタビュアーの技量はすごい。
なぜ、CELLチップのように面積が大きくいマルチコアなプロセッサーの歩留まりが低くなるかに関しては、私が以前に別のブログで書いた、「続・CELLの美学、歩留まり編」を読んでいただくのが一番良いが、Tom Reevesが語った「良くて10〜20%の歩留まり」という数字が、私がその記事でサンプルとして使用した37%という数字よりもはるかに低いことには驚かされた。
IBMにしろインテルにしろ、最新のチップに関しては歩留まりが低いことは良く知られていることだが、ここまで具体的な数字が出てくることは希である。
ちなみに、インテルの場合は、例え最新のチップで10〜20%という低い歩留まりしか出なかったとしても、彼らにとってはその手のハイエンドなチップは出荷量も少ないし、値段も高く設定できるので、さしたる問題はない。しかし、ソニーの場合は月産100万台の規模でPS3を製造しなければならないし(参照)、初期ロットのPS3だけ高く売るようなことも出来ないので、死活問題になってくる。
2003年の記事に「ソニーは3年後に月産で1万3000枚の300mmウエハーを処理できる量産体制を確立する」とあるので(参照)、これを元に計算すれば221平方mmのCELLチップ(ただし、これは試作チップの大きさ)が月産で約400万個作れる計算になる(150mm X 150mm X 3.14 / 221平方mm X 13000)。実際には、これに歩留まりを掛けた数字が実際の製造能力になるわけで、そこで歩留まりが10%なのか40%なのかが非常に大きな意味を持ってくるのである。
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