最終更新時刻:2009年11月27日(金) 8時00分
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既存のウェブサイトをAJAX化する意味が本当にあるのか?

公開日時:
2006/06/24 09:52
著者:
中島聡

 木曜日に、Java World Day 2006 でAJAXに関する講演をしてきたのだが、そこでこんな質問が出た。「エンタープライズ系やe-commerce系のウェブサイトをAJAXする意義が本当にあるのか?」という質問である。

 とても良い質問である。新しいテクノロジーやトレンドが注目を浴びるたびに、「これからはAJAXだ!」、「Web2.0の時代だ!」と大騒ぎをするマスコミに煽られて、あっちにフラフラ、こっちにフラフラしていては自分を見失ってしまう。

 心の底には「AJAXって本当に必要なの?」と疑いの気持ちを持ちつつ、「皆があれだけAJAX、AJAXと騒ぐのだから、たぶん私だけが勘違いしているに違いない」とAJAXの勉強を始める人がいると、それを横から見ていた別の人が、「あいつが勉強しているのだから、とても重要なテクノロジーなのだろう。僕も勉強しなきゃ」という具合にバブルが始まるのである。

 社会心理学では、そんな心理状態を「多元的無知」と呼ぶが、そんな時に遠慮せずに、自身を持って「AJAXって本当に必要なの?」と問いかける姿勢はとても大切である。

 ちなみに、上の質問に対する私の答えは「たぶん無いでしょう。アマゾンがAJAX化しないのは理由があると思います。AJAX化したとしても売り上げが上がるとは私には思えません」である。

 既存のウェブ・サービスのAJAX化は、確かに使い勝手を向上させるが、それに伴うコストも考慮した上で、AJAX化する価値があるかどうかを慎重に決めるべきである。さまざまなバージョンの複数のブラウザーでちゃんと動くようにするのは簡単ではないし、ブラウザーのバージョンアップとともにちゃんと動かなくなってしまう可能性もある。E-commerceサイトにおいては、使い勝手を良くすることによるメリットより、AJAX化によって個別商品ページへのPermalinkが貼れなくなる(もしくは貼りにくくなる)ことのデメリットの方がたぶん大きい。

 講演でも強調したのだが、AJAXの本当の価値は、「今までの単純なHTMLページの組み合わせでは実現できなかったサービス、実現できたとしても使い勝手が悪くて誰も使ってくれなかったようなサービス」にこそ見出せると私は考えている。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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