CNET Japanの「料金、速度競争は自らを土管にする行為」--ソフトバンク孫氏、スペインで講演」のニュースで、
「Microsoftという小さい会社があった。20年以上昔の話だが。当時、Microsoftは子犬のようなもので、Hewlett-PackardやIBMから『かわいいね』といわれるような存在だった。それが急激に成長し、いまや巨人となった。携帯電話会社は同じ過ちをしてはいけない」
では、携帯電話会社は何をするべきなのか。孫氏はインテグレーション(統合)が鍵だと話す。
「システムやコンテンツなどを統合し、優れたユーザーインターフェースを提供する必要がある。料金や速度で競争していては、自らを(ネットワークの)土管にしてしまう」
孫社長は、マイクロソフトがその土管を使って、成長してきたことを揶揄している。いわば、軒先を貸して母屋を取られるようなものだ。
マイクロソフトは、IBMのパソコンを使ってたくみに成長してきた。
マイクロソフトの歴史から一部を抜き出してみる。
DOS(Disk Operating System)は、マイクロソフトを真の成功へと導いたオペレーティングシステムであった。1981年8月12日、Digital Research社との交渉が決裂した後、IBM社は、CP/Mオペレーティングシステムのバージョンの一つをマイクロソフトに提供する契約を交わした。これは近く発売されるIBMのパーソナルコンピュータで使用される予定のものであった。取引の条件として、マイクロソフトは86-DOSと呼ばれるCP/Mのクローンを50,000米ドル以下でSeattle Computer Products社のティム・ピーターソンから購入した。これはIBMによってPC-DOSと改名された。IBMは、潜在的な著作権侵害のおそれを避けるため、CP/MとPC-DOSの両方をそれぞれ240米ドル、40米ドルで販売した。これにより、PC-DOSは低価格のため次第に標準となっていった。1983年前後には、多数の会社との提携により、マイクロソフトは家庭用コンピュータシステムMSXを開発した。これはMSX-DOSと名づけられた独自のDOSオペレーティングシステムを搭載していた。これは日本、ヨーロッパ、南アメリカで比較的好評を得た。後に、Columbia Data Products社がIBM BIOSのクローンで成功を収め、Eagle Computer社とCompaq社がそれに続くと、市場はIBM PCのクローンであふれるようになった。IBMとの取引により、マイクロソフトはQDOSから派生したMS-DOSを自由に管理する権利を与えられていた。IBM-PCのクローンの製造者への積極的なマーケティングにより、マイクロソフトは弱小企業から家庭コンピュータ産業における主要なソフトウェアベンダへと成長した。1983年5月2日のMicrosoft Mouseの発売を皮切りに、マイクロソフトは他の市場へも製品ラインを拡大していった。
今では、IBMのパソコン事業は中国のレノボに売られ、そのブランドも消えつつある。
レノボ、IBMブランドの使用中止へ--業績好調で計画前倒し
Lenovoは同社の製品でIBMロゴを使用することを中止する計画であり、2008年夏の北京オリンピックの前には完全に切り替える予定である。
中国のLenovoは3年前にIBMのPC事業を買収し、現在は世界第4位のPCメーカーである。同社は以前からIBMブランドを徐々に廃止する計画だったが、予測よりも市場での業績が良かったために計画よりも早くIBMブランドの使用を中止する予定であるとLenovoの最高経営責任者(CEO)は述べている。
マイクロソフトの立場は変わり、グーグルに対して同じようなことを言っている。グーグル、マイクロソフト、ヤフー、それぞれの思惑の中で、
米国出版者協会(AAP)の年次総会では「他人が作ったコンテンツに寄りかかっているだけの会社が広告や株式公開(IPO)で何億と稼いでいる」とグーグルへの対抗姿勢を強めていた。(サンケイWeb「検索市場 独走グーグル MS、ヤフー危機感」)
孫社長の話と同じような話を読んだことがある。αブロガーの佐々木利尚氏の「ネットvsリアルの衝突」(文春新書) の中で、
「高速道路が整備されているが、車が走っていないのと同じだ」
ブロードバンドインフラは整備されているものの、それをどう利用すればいいのか、誰もわかっていない。この(総務省)幹部は、そんな自省も含めて皮肉ったのだった。
これは2003年当時の佐々木氏のインタビューで語っていたのだが、そのページに「2005年世界IT報告書」(世界経済フォーラム)なるものが載っていた。インターネットなどを活用したネットワークへの対応度を示す指数を表しているという。最新の2007年版はこれ。
1 デンマーク
2 スウェーデン
3 シンガポール
4 フィンランド
5 スイス
6 オランダ
7 アメリカ
8 アイスランド
9 イギリス
10 ノルウェー
11 カナダ
12 香港
13 台湾
14 日本
15 オーストラリア
流すべきコンテンツがアメリカ製であっては、結局、軒先を貸して母屋を取られるのと変わりはない。
MSのヤフー買収の狙いはホーム・ネットワークの垂直統合化かによれば、
2008年初頭に行われたConsumer Electronics Show(CES)で,MSのビル・ゲイツ氏は「the connected experience」という言葉で,端末の区別なくコンテンツをより楽しむ環境になることを示唆した。例えば,テレビとパソコンの垣根をなくし,パソコンでテレビを見たり,テレビでインターネット接続するといったビジョンだ。
MSの戦略では,XBoxがインターネットの映像コンテンツをテレビに運ぶセットトップ・ボックスに位置付けられている。そのため,インターネット・コンテンツをテレビに映す「Extender」と呼ぶソフトウエア・プラットフォームの強化を進めている。
ただし,誰がインターネット・コンテンツを集め,使いやすく整理するのかといった要素がMSの戦略には抜けている。ところが同じCESにおいて,ヤフーのジェリー・ヤン氏は,あらゆるメディアでヤフーを「the best starting point」(どんな端末でも最初に訪れるページをヤフーにする)にしたいと宣言している。両社のビジョンは,偶然か必然かは分からないが互いに補完する関係になった。
仮にMSによるヤフー買収が成立すれば,MSは端末,ソフトウエア,コンテンツ配信をすべて手掛ける垂直統合的なサービスが可能になる。
着実に、日本製の土管に流すコンテンツの準備は整ってきているようだ。果たして、アメリカの土管に流せる日本のコンテンツは存在するだろうか。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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