再び、マイクロソフトは、ヤフーの買収に動いているという。昨年の5月、僕は、「マイクロソフトがヤフーを買収する?」の中で僕は、こんなことを書いた。
それはマイクロソフトのGoogleに対する危機感としかいえない。飲み込むか飲み込まれるかという事態になったとき、比較的中くらいの企業が邪魔になる(つまり相手がその企業を買収してしまう)前に、マイクロソフトがその企業を買収してしまえばよい。そういう論理だ。いよいよ対決が近いという兆しでもある。
そして、それほどまでのマイクロソフトがGoogleに対する危機感とは何か。
「グーグル、マイクロソフト、ヤフー、それぞれの思惑」の中で
検索市場 独走グーグル MS、ヤフー危機感(産経新聞)を引用して
グーグルは米リサーチ会社が選んだ今年の「最も影響力のあるブランド」の1位に選ばれ、マイクロソフトは3位とグーグルの後塵(こうじん)を拝した。オンライン広告大手ダブルクリックも先月、グーグルに31億ドルで先に買収され、マイクロソフトの危機感はピークに達した。米国出版者協会(AAP)の年次総会では「他人が作ったコンテンツに寄りかかっているだけの会社が広告や株式公開(IPO)で何億と稼いでいる」とグーグルへの対抗姿勢を強めていた。
この「他人が作ったコンテンツに寄りかかっているだけの会社が広告や株式公開(IPO)で何億と稼いでいる」という言葉がグーグルに対する危機感を表している。
そういえば、最近も
CNET Japanの「マイクロソフト、米ヤフーに総額446億ドルの買収提案」の中で
Microsoftは発表の中で、Googleを名指しすることはなかったが、この買収提案は競合他社に対抗することを目的としていると示唆していた。
「現在、市場はますます単独プレーヤーによって支配されている。このプレーヤーは買収を通じて支配力を強化している」とMicrosoftは述べ、「一緒になれることで、MicrosoftとYahooは消費者や広告主、パブリッシャーに信頼できる別の選択肢を提供することができる」と語った。
という。また、僕は
「グーグル、マイクロソフト、ヤフー、それぞれの思惑」の中で梅田望夫氏の言葉を引用した。
−− この本の中で、リアルな世界を「こちら側」、バーチャルな世界を「あちら側」と表現していますね。そして、Microsoft社のBill Gates氏も、あちら側には行けなかったと論評しています。Microsoft社も、かつてNetscape社との闘いで勝利したように、再びGoogleを追撃するのではないでしょうか。
梅田氏 Bill Gatesはあちら側にはなれないと思います。なぜならその出発点がこちら側にあるから。
Googleの重要性についてMicrosoftが気付くまで驚くほど時間がかかった。遅すぎたんです。相変わらず「あちら側」の本質が何なのか,体では理解できなかったのでしょう。
Netscapeを追いかけた時は,わずか1年遅れでした。しかし,Googleの創業は1998年です。まずYahoo!が覚醒し,Yahoo! Search Engineを作ったのが2002年から2003年。それでもMicrosoftは、この領域に参戦しませんでした。Microsoftはネット事業の会社を買収していません。興味がなかったんだと思います。視点をあちら側に移すことができなかったんです。(「ウェブ進化論」の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”)
マイクロソフトは、こちら側の企業だから、あちら側のグーグルを理解できないというのである。今まで、コンテンツは閉じた世界に囲い込むことで、収益があったのに、 オープンにして収益を得るという方法も理解できなかったに違いない。
昨年までは、マイクロソフトはこれからの市場はネット配信とにらみ、せっせとXbox360を世界中に配布した。ソニーのPS戦略で学んだのだろう。とりあえずゲーム機という名のもとに、セットトップボックスともなるXbox360を普及させてきたのである。そして、「マイクロソフト・ユニバーサルが「フォーマット戦争を継続させなければならなかった」理由と著作権問題(ホーム・サーバの戦い・第3章)」で書いたとおり、ブルーレイ×HD DVDのフォーマット戦争を引き伸ばすための策略までした。これは、対ソニー戦略でもあり、同時に膨大な映画コンテンツを持つ映画会社との接近できるという戦略でもあった。
ところが、いつの間にかApple TVに先を越された。「Apple TVの衝撃 (家電屋VSコンピュータ屋、ホームサーバの戦い・第2章)」に書いたとおり、 ちゃんと自分の機器だけダウンロードできるようにして。
Apple TVが、純粋にiPodの延長であったのに対し、Xbox360のユーザーが(ソニーのPSよりも)コアゲーマーであったために、着地点を間違えたのである。
しかし、マイクロソフトのような金持ちなら、ヤフーにこだわる必要がないではないか。むしろ、映画会社を買えば、当分、自分のところのコンテンツを心配しなくてすむはずなのに。
しかし、こんな記事を見つけた。
米ヤフー、Maven Networksを買収か--米報道
マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くMaven Networksは、メディア企業がビデオコンテンツを自社ウェブサイトに掲載する支援を行う。Fox NewsやCBS Sports、CNET(News.comの親会社)が顧客となっている。
さらに、
GoogleとMSが目を付けた新興企業は?
ここでは3社の買収企業が載っていた。
Goldmailは11月にコンシューマー向けのボイスオーバーメッセージングアプリケーションを立ち上げ、1月29日に企業向けのバージョンをリリースした。
同社のユーザーはビデオメッセージを埋め込んだ電子メールを送信できる。メッセージをクリックすると、メールを読む代わりに「視聴する」ことができる。コラボレーションソフト市場でMicrosoftに攻勢をかけようとしているGoogleには、こうしたアプリケーションは非常に有用かもしれない。
(中略)
Notebookz.comのiLeonardoは、検索、ブックマーク、ソーシャルネットワークをまとめた結果とユーザーが決めたランキングを表示する。
Googleは数式ベースのアルゴリズムで今日の最大手検索エンジンとなったが、iLeonardoのようなものを加えれば、ユーザーの検索行動をもっと理解する上で役に立つ。検索行動をより理解すれば、Googleはユーザーに合わせてオンライン広告を調整できるだろう。
だが、iLeonardoをどうやってGoogleに取り込むのか、人的影響を受けるiLeonardoのランキングがGoogleのPageRankにどう影響するかといった疑問が出てくる。
Blistはまずはコンシューマーをターゲットにしているが、GoogleやMicrosoftなど、オンラインで情報を整理できる機能を目指しているベンダーを求めているかもしれない。
Blistでは、Flashベースのインタフェースを使って、スプレッドシートのような形で簡単に利用できるオンラインデータベースを作成できる。Blistのケビン・メリットCEOは、いずれ企業をターゲットにすると語った。
なるほど、ユーザーをこのようなサービスをつけることで囲い込むことを狙っているのだなと思う。おそらく、マイクロソフトにとってのどから手が出るほどの特許を持っている企業がヤフーの子会社になっているのだろう。
たびたび引用しているアルビン・トフラーが「富の未来」で使われているトフラーの造語「生産消費者(プロシューマー)」をたくさん囲い込む企業がこれから勝ちになる。今までのようなテレビや映画を買い込んでいるだけでは、新しいコンテンツは生み出せない。なぜなら、現在のアメリカの映画会社や日本のテレビ局を見ればわかる。ストーリーの多くが漫画を題材にしているからだ。すでに、今までのコンテンツは出尽くしたのである。これからは、ユーザーの中から新しいクリエイターを積極的に見出していかないと、生き残れない時代がやってきたのだ。
そのためにはグーグルやマイクロソフトは、さまざまな情報を集めて、これからのクリエイターを見つけるために努力するだろう。そのことが、アルビン・トフラーの言う「富の未来」、つまり知識(コンテンツ)こそが富となる時代となっていくのである。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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