中国の天洋食品製造の冷凍食品のギョーザが農薬入りで中毒者を出した問題。おそらく、主婦たちはスーパーで困惑したことだろう。なぜなら、冷凍食品のパッケージは、原産地中華人民共和国とあるだけで、どこにも天洋食品の名前が記載されていないからだ。テレビで流される、冷凍食品の名前。どれも似たような名前で、とても覚えきれないし、これなら中国産全部だめということにするしかない。
おそらく一社だけだろうが、この風評被害は中国生産に大きなダメージを与えるにちがいない。
輸入食品、加工冷凍食品の農薬残留検査は行わず(読売新聞1/30)
海外から輸入される食品については、厚生労働省の各検疫所で、全体の1割程度を対象に、農薬や抗生物質など有害物質の混入がないかどうかをサンプル検査している。
しかし、今回の冷凍ギョーザのように多くの原材料を加工した冷凍食品の場合、通常は細菌数や添加物の検査はするものの、農薬の残留検査は原則として行われていない。
これは、基準を超える農薬が検出されたとしても、どの原材料が原因なのか特定できないためだ。
このため、今回の冷凍ギョーザが輸入段階で汚染されていたとしても検疫所で発見できる可能性はほとんどなかったことになる。これについて厚労省食品安全部では「検疫所による検査だけがすべてではない。製造段階での安全確認は、輸入業者の責務だ」としている。
それなら、たとえば、この原産地表示を食品会社の名まで載せるとすればいいのかという問題でもない。加工食品である以上、原材料の生産地は複数あるし、その生産地の農場名や一次加工、二次加工の食品会社をすべて載せるわけにもいかない。また、「製造段階での安全確認は、輸入業者の責務だ」とはいうが、その安全管理のコストを商品に上乗せすることはできないだろう。輸入業者としては、製造した食品会社の責任だと答えるしかない。
そうやって不安は募るが、結局、効果的な手を打つこともできず、うやむやになってしまうだろう。食料自給率40%(カロリーベース)ともいうように、日本は海外に依存している。「コストカットが無駄を作り出す」で述べたように、いまさら地産地消を訴えたところで、いくら安全でもそんなに高いギョーザが買えますかということになる。やはり、中国に日本の安全技術を輸出して管理してもらうしかないのではないか。もっとも、そのことは中国への内政干渉になるのか?
ともかく、今回の事件は、日本がいかに中国の生産物に頼っているかが浮き彫りにされた。もし、中国と関係を絶ってしまえば、お互いの企業の半分以上が立ち行かなくなってしまうに違いない。
「個人情報が輸出される「フラット化する世界」」でこんなことを書いた。
もし、メディアが中国の「食の安全」キャンペーンを突き詰めると、ニュースを提供するスポンサーが誰もいなくなるかもしれない。
つまり、日本と中国は、そこまで深くのっぴきならない関係に陥っているのである。
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