正月も近いので、双六と人生ゲームの話題をひとつ。 12月17日に「SE出世双六(すごろく)」というものが出たそうだ。CNET Japanにも「SE出世双六--ITSSに基づいたキャリアアップでSEの仕事を疑似体験」という紹介があった。 It mediaの「ストレス入院からITセレブへ:悶絶!これがSEすごろくだ」にはこんなくだりがある。
しばらく進むと、「ストレスで体調を崩す 1回休み」というマス目が登場する。実はこのゲーム、ストレスや病気などで1回休みというマス目がとても多い。パッケージの裏面を見ると、監修を務める元日立システムアンドサービス取締役社長の名内泰藏氏のコメントが書かれている。「この『SE出世双六』には、システムエンジニアが生涯経験するであろう、リアルな“体験”が散りばめられている」とある。恐るべし、SEすごろく。
僕は、この業界の人間ではないので、想像することしかないのであるが、その世界を知るひとつの方法がある。そのニュースのコメントをみることだ。
たとえば2チャンネルでは「【話題】悶絶!これが「SE出世双六(すごろく)」だ!」、Jcastのコメント、いんたーめっつおのコメントなど、批判的なコメントが多い。ともかく外から見るのと、実情は違うし、その実情をあらわにしては、商品は売れない。そこで、この双六は、そこを考慮して内容を甘くしたのかもしれない。ますます、SEの世界について興味を覚え、「ITプロジェクトの実態」という漫画を先ほどの2チャンネルのリンクしたサイトから見つけた。

この図に対して、説明したサイトを見つけた。Cagylogicの「ITプロジェクトの実態とは!」にこうある。 「顧客が本当に必要だった物」と「顧客が説明した要件」 「顧客が説明した要件」と「営業の表現、約束」 「アナリストのデザイン」
顧客が本当に必要なものは、顧客は自分では説明できない。
結局、本当に必要なものって身の回りでは結構少ない。あると便利だから。とかデザイン(見た目)がいいからとかそんな理由で身の回りのものはそろえられていくのだと思う。
んで、買うときは、どうせ買うんだから安くて良いのが欲しいと思うわけである。
実際問題、ここで「顧客が本当に必要だった物」が一発で手に入ったとしても顧客は喜ばないわけである。いつも顧客はプラスアルファの何かを欲しているのだから。
営業としてはできるだけ、顧客からお金をふんだくらなくてはならない。よくも悪くもそれが仕事である。ということは、ファンシーでハッピーなことをいうわけである。
顧客の説明した要件に枝葉をつけて、こんなんつけたら幸せでしょってな感じでオプションを追加していくわけである。
途中で、ゴムタイヤのブランコで十分だということが気が付いたとしてもそれは口には出さない。手が汚れるから、おしりが痛くなるからソファーの方がいいでしょ。ってな具合になるわけである。
アナリストは顧客に近い立場にいる。アナリストは顧客が何を要求しているのかを考える。しかし、アナリストが「顧客が本当に必要だったもの」を見つけ出すのは難しい。第一、顧客は本当に必要な物は欲しがっていないからである。そこで、何をやりたいのかを悪戦苦闘してあの絵ができてくる。興味深いのは機能としてはちゃんと実現されているところである。
「プロジェクトリーダーの理解」について
「アナリストのデザイン」ではあきらかに不自然な構造を、自然な構造に修正してある。これは現実的な解である。
しかしこのことにより、機能が満たされなくなっている。修正する際には機能は削減されてはいけない。もし削減される場合はちゃんとアナリストやら顧客やらと相談するべきである。「プログラマのコード」
プログラマはできるだけ、楽に実装をしたい。プロジェクトリーダーはその道筋をちゃんと示す義務があると思う。プロジェクトリーダーがその道筋をちゃんと示さない場合は、プログラマは最短経路を進もうとする。ブランコというモジュールがあって、そのモジュールが木にくくりつけられている。という事実からあの絵が出来上がる。
「実装された運用」
プログラマのコードから使える部分だけを取り出して、顧客が実際に運用している絵があのかたちなのだと思われる。
プログラマが一生懸命働いても、ぜんぜん使われないわけである。「得られたサポート」
これがちょっと意味がよくわからない。
僕なら、「実装された運用」の絵に対して、紐の先に結び目くらいつけてあげると思うのだが。。。 「プロジェクトの書類」問題外「顧客への請求金額」問題外
となると、これはコミュニケーションギャップの問題ではない。顧客が欲しいもの先読みし、さかんにPRするが、現実にできたものは、「?」というわけだ。これがSEの実態とすれば、この顧客を満足させるには相当の実力が必要となる。顧客にしても、SEにしても、共通の視点がないのでお互いの言っていることがわからない外国人同士の会話となる。その通訳に当たるのが、営業であり、アナリストである。しかし、彼らの言っていることがチンプンカンプンなので、お互いに伝わることがチンプンカンプンとなり、結果が「?」となることは必定である。これはより幅広い視点を持つリーダーがトップに立つことしかないのではないだろうか。
SEの世界の内情が外からわからない世界であるとすれば、アフリカの世界の内情を私たちは知っているであろうか。これは5月の徳島新聞の記事「「アフリカ版人生ゲーム」製作 吉野川市のNPO法人」で知ったことだが、 参加者は各種類のカードを一枚ずつ引いていき、自分の人生と比べたり、内容についてグループで話し合ったりする。 カードの内容は、ザンビアやモザンビークの実情に基づいて作られています。1歳までの死亡率は10%、5歳までで20%、AIDSの感染率は25%、中学校を卒業できるのは30%、栄養失調は25%などのデータからカードを作っています。 もちろん、SEの出世とアフリカの現実を同列に扱うことには問題があるという意見もあろう。しかし、悲惨なニュースとお笑いを同時に行なっているテレビと変わらない。そして、それが表面的であることも同じである。どれほど、深刻であろうと、私たちは、その社会にどっぷりとはまらない限り、真実を知ることはできない。最もはまればはまるほど抜け出せないのだが。
裏面の内容は「干ばつで十分な食事がとれず発育不良」「エイズに感染する」「妹がひき逃げされて死亡」「地雷を踏む」など。厳しい現実が多いが、いずれもTICOメンバーが現地で支援活動をする中で見聞きしたことを基に、実情が浮かび上がるように考えた。
そこで、TICO(ティコ)のページを見ると、アフリカ・ザンビアの実情を説明するために講師を派遣し、「地球人の人生ゲーム」というのをやっているという。「講師派遣」というページでは
幾つか例を挙げてみましょう。
0歳
母乳が出なくなり、栄養失調に陥る。
父親がAIDSで死亡。
不衛生な井戸水を飲みコレラに罹る。
麻疹から肺炎になり死亡。
1〜5歳
地雷を踏んで片足をなくす。
マラリアに罹り脳に障害が残る。
両親が失業する。
干ばつで村を捨て路上生活者になる。
学童期
制服が買えず学校を辞める。
内戦が始まり両親が死亡。
片道3kmの水汲みを毎日する。
強要され売春をする。
思春期
妊娠し学校を辞める。
内戦で反政府軍に捕まり無理やり兵士にされる。
シンナー中毒になる。
AIDSに感染する。
成人
コーヒー園で日当150円で働く。
NGOの職業訓練を受ける。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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