ニュースサイトでこんなタイトルを付けるのもなんだが、おそらくこの10年ほどでニュースの形が変わると思ってよいようだ。 きっかけはブログ・アワードで西田編集長の「ニュースサイトのページビュー(PV)よりブログのPV率が高いという話を聞いたことだ。CNET Japanとて、営利企業である。収益が上がらなければ存続が危ぶまれる。
同じ西田編集長がIt mediaの発行人と対談したポッドキャスティング(アイティメディアキーマン対談)があった。その中の「「Web2.0」──CNET Japan 西田編集長に聞く」によると、収益の主なものは広告収入であり、これからも変わらないこと、似たようなサービスは淘汰され、とがった企業だけが残るであろうということを語っている。 そこで、冒頭の西田編集長の言葉になる。ブロガーのコンテンツにより、PV数が増えていることは、ニュースサイトとブログのバランスが変わりかねない。新聞や雑誌には、読者の投稿欄がある。これはあくまでもニュース記事の付録である。それに、ニュース記事とタイムラグがあり、その選択も編集者の都合で恣意的になる。ところが、ニュースサイトのブログは、ほとんどタイムラグもなく、よほどのことがない限り、編集されることはない。つまり、読者の意見がストレートに出やすい。そうなると、ニュースサイトの編集権はどうなるのか、それは、ジャーナリズムの問題と重なる。 思えば、グーグルニュースでもヤフーニュースでも、直接のジャーナリストはいない。アルゴリズムというアーキテクチャーがあるだけだ。そこに人間が存在すれば、どうしても編集者の恣意的な記事ばかり並ぶことになる。一方で、ジャーナリストにとって、このような純粋なランキングによるニュースサイトは当然、批判の対象になるだろう。 ――フリージャーナリストでイラクなどを取材している人がいても、今ではなかなか大きなメディアには載らない。そういうのを入れていこうとは思わないのか 佐々木氏は、堀江前社長がAERA(2005/2/11)で産経新聞を批判したことで、2/18日に産経新聞の<主張>でこんな反論をされたことに触れている。 経済合理性の観点からメディア戦略を構築しようとしているだけで、言論・報道機関を言論性でなく、むしろそうした色あいをできるだけ薄めた情報娯楽産業としかみていないのは驚くべきことといわなければならない。(佐々木俊尚著「ネット未来地図」文春新書) だが堀江前社長の一連の発言からは、現代のジャーナリズムが内在している問題点が浮かび上がってきているのも事実である。彼の発言はたしかに極論に過ぎるように思えるが、しかし「言論・報道機関を言論性でなく」「情報娯楽産業としかみていない」のを、なぜ産経新聞は不愉快と感じるのであろうか?そもそも新聞を、情報産業というビジネスを展開する企業として自己認識しているのであれば、このような反論にはならなかったはずだ。(佐々木俊尚著「ネット未来地図」文春新書) 僕は「新聞は生き残れるか」の中で インターネットがどんどん普及すれば、わざわざ有料の新聞を読む人は減ってくるのは当然である。新聞は何のためにあるか。 ジャーナリズムって何?
同じポッドキャスティング(アイティメディアキーマン対談)に、「ネット時代のITとメディアの関係について──ジャーナリスト 佐々木俊尚氏に聞く」というのがあった。佐々木氏はCNET Japanでもαブロガーとして投稿している。そこでは、インターネットのジャーナリズムは、ジャーナリストのいないアーキテクチャーのジャーナリズムであることが語られている。
(この話は)重要だといって、あえて能動的に吸い上げようと? それって、メディアの意思が入っているじゃないですか。意思なんて入れる必要ないって言ってるんですよ。載せたいなら、読者の関心が低い記事にはお金は払えないけど、勝手にウェッブサイトに載せる分にはいいですよ。お金は払えないけど、来るモノは拒まずだから。
ただ、それを紙に挙げる時にはランキングによる。そこのところで情報操作をする気はない。ランキングが一番になれば原稿もありますから、チャンスはありますよ。(そうした記事は)ウェルカムですけど、あえて収集するつもりはない。
人気がなければ消えていく、人気が上がれば大きく扱われる。完全に市場原理。我々は、操作をせずに、読み手と書き手をマッチングさせるだけだから。(「新聞・テレビを殺します」 〜ライブドアのメディア戦略江川紹子ジャーナル)
先にあげた本「新聞の時代錯誤」(大塚将司著/東洋経済新報社)では、新聞は「言論報道機関」ではなく、「情報サービス会社」であるという。自分の保身のために「言論の自由」をふりまわす会社というわけだ。国民のために必要なメディアなら、インターネットの荒波が来ようと残るであろうが、ただの情報サービスなら世の中にはいて捨てるほどある。
ここでいう、情報娯楽産業も情報サービス会社も同じ意味である。インターネットという横並びのなかで、ユーザーにとってすべて同じコンテンツの一種であるからだ。そのコンテンツにジャーナリズム精神があるとかないとかで、選ぶことはない。
インターネットになって、コンシューマーが豊富なメディアから好きなようにコンテンツを選び取れる時代になると、今までの新聞・雑誌のように種々雑多のコンテンツの塊より、より狭いより深い自分好みのコンテンツを求めるようになる。マスメディアがパーソナルメディアにならざるを得ないのだ。その点では、インターネットのウェブ商店街は格好のスタイルである。まず、店舗が要らないから、従業員を雇う必要がない。収益は少ないが、あたれば大きい。だが、店舗数が増えれば増えるほど、今度は店のアピールに金をかけなければ埋没してしまう。
広告も同じだ。今まで、発売部数や視聴率で広告を出していたが、どうしても歩留まりが悪い。むしろ、広告よりも狭告で、ピンポイント攻撃で攻めるしかなくなってくる。じゅうたん爆撃ではあまりにも無駄弾が多いのである。資金が豊富な企業なら許されることでも、シビアな企業ではどうしてもピンポイント攻撃しか選べない。 旧メディアの弱点は、このインタラクティブ性がないことであり、インターネットが普及すればますますその弱点を自覚せざる得ないだろう。ともかく、ニュースのありようが変わりつつあることは、確実である。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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