前項「特撮がCGに置き換わるとき」を書いたとき、なぜか「ウルトラ」に関するいろいろなことが思い出された。
@「ウルトラ」の名
「ウルトラ」の名は東京オリンピックの体操で連発された「ウルトラC」からきたものだ。ところが体操競技には「ウルトラC」という難度はない。
日常会話で使用される、「とっておきの大逆転技」という意味で用いられるウルトラCであるが、東京オリンピックでNHKの鈴木文弥アナウンサーが体操の実況で使用した言葉。当時の難度はA,B,Cしかなく、当時最高難度であったC難度よりもさらに難しい技という意味で使用された。が、厳密にはウルトラCという難度ではないし、現在の最高難度はスーパーEである。(体操競技Wiki)
Aウルトラマンの始まりは「ウルトラQ」その「ウルトラQ」の裏番組はW3(ワンダースリー)
ワンダースリーと言えば、手塚治虫の漫画で、ウサギのボッコ、鴨のブッコ、馬のノッコの格好をした宇宙人が地球を破壊するのに相応しいかどうかを調査するために銀河連盟から派遣された調査員の物語である。
放映開始からしばらくは好視聴率をマークしていた。しかしTBSが裏番組に円谷特技プロダクションの特撮番組をぶつけてくることが判明し、円谷の特撮技術をよく知っていた手塚治虫は番組の前途を危惧した。その番組「ウルトラQ」が始まると「W3」の視聴率は急落、月曜19時30分枠への時間帯変更(正確には「快傑黒頭巾」との枠交換)のやむなきに至った。 手塚の息子である手塚眞は当時家族の夕食の席で「W3」ではなく、「ウルトラQ」を観ようとして母親(手塚夫人)から「お父さんの漫画を見なさい」と止められかけた。しかし手塚が「子どもが見たいものを見せてやりなさい」とそれを容認したことを書き記している(『観たり撮ったり映したり(キネマ旬報社刊)』)。 (W3Wiki) 自分はテレビアニメとして自分の漫画を原作にした『ナンバー7』という作品を作成予定だったが、他の制作会社がよく似た企画を立てているということで、内容を変更して秘密機関員、星光一の活劇アニメとし、重要な脇役として超能力を持つボッコというリスを考案した。 ところが、アニメ作品の『宇宙少年ソラン』にボッコと酷似したチャッピーというリスが出ているというので、リスをウサギにし、カモ、ウマを加え、更に光一の弟、真一を加え内容を大幅に変更してアニメ『W3』をなんとか形にした。 その様な経過があり、『ソラン』に対する敵愾心を持っていたところに、漫画『W3』を連載していた週刊少年マガジンに漫画『宇宙少年ソラン』を連載するというので、漫画『W3』は打ちきった。『W3』に対しては愛着があったので、その後、筋書きを変えて週刊少年サンデーに最初から連載した。(『鉄腕アトムクラブ』1965年9月号)(W3事件Wiki) Bウルトラの父伝説 この写真を見てもらいたい。 堂々と墓碑銘に「怪獣生みの親」「ウルトラ星」と書いている、大伴昌司とはいったい誰か。実は、これは「証言構成OHの肖像 大伴昌司とその時代」の中の写真である。この墓は今でも鎌倉霊園にあると言う。大伴昌司は36歳の若さで死んでいるが、その残したものはあまりにも幅広い。 編集者・SF作家・ジャーナリスト。本名:四至本 豊治(ししもと とよじ) 伝説の天才プランナー
このW3、よくよく運に見放されていたらしい。少年マガジンに連載されていたのもわずか6回。しばらくたつと少年サンデーで連載された。なんでも手塚治虫はマガジンで連載が始まる「宇宙少年ソラン」を「W3」の企画を盗まれたと思ったらしい。これがいわゆる「W3事件」である。
おかげで、漫画の神様手塚がマガジンから去ったので、マガジンは売れ行き不振にあえいでいた。そこに登場するのが「ウルトラの父・大伴昌司」である。
「大伴昌司の世界」によると
国際ジャーナリストの四至本八郎の息子として1936年に生まれる。
慶應義塾大学文学部東洋史学科卒、同 法学部政治学科中退
1960年代〜1970年代、少年まんが雑誌の巻頭グラビアの図解シリーズの企画構成や怪獣図鑑、放送脚本など、ポップカルチャーの分野において先駆的な仕事を残した伝説の天才プランナー。元祖オタクとして再評価の熱が急上昇中。
草創期の日本SF界を支える 学生時代から、ミステリーや幻想文学の原稿を多数手がける。日本SF作家クラブの事務局長として、星新一、小松左京、平井和正、光瀬龍、半村良、そして手塚治虫などのツワモノたちの取りまとめを一手に担い、草創期の日本SF界を支える。 円谷英二のブレーンとなり、数々の特撮テレビ番組に関与。昭和40年代の2度にわたる怪獣ブームの仕掛人として大活躍。怪獣や宇宙人、科学兵器のプロフィールを詳細に設定し、怪獣博士の異名をとる。とりわけ、その著『怪獣図鑑』〈1966秋田書店〉は、浩宮さま(現皇太子殿下)が書店で買われた最初の本として名高い。 また「トッポ・ジージョ」など子供番組の脚本や幼児絵本にも携わった。講談社や小学館、朝日ソノラマ、秋田書店など児童ジャーナリズムの分野で、膨大な編・著作を残し、昭和高度成長期のこども達に与えた影響はメガトン級である。 1973年1月27日 日本推理作家協会の新年会で急死。享年36。著名な父や資産家の出生をひた隠し、天涯孤独の身だと偽り、私生活は友人にも死ぬまで一切明かさなかった謎の人である。
「怪獣図鑑」
この怪獣図鑑、解剖図なんかを載せたものだから円谷英二との仲たがいの原因となった。とてもとてもこの大伴昌司を語るスペースはない。ともかく、この大伴昌司と梶原一騎が少年マガジンを救ったのである。
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