この読者ブロガーのエントリーの一番最初「脳化社会とWii」でこんなことを書いた。
「脳化社会」という言葉は養老孟司氏によって伝えられた。(中略)人間は進化するたびに自分たちに都合のよい社会に作り変えていく。人間は自然を避けて都市を作り人工物に囲まれて生きていく。人工物であるから、ある程度の危険は予測できる。このような「ああすればこうなる」社会が「脳化社会」であるという。つまり、脳の中で作った社会が現実化しているというわけだ。
(中略)
幼い頃、体いっぱいで喜びを表現していた子も、学校に入り次第に「脳化」していく。やがて「あんなバカなことをしたくない」とか「子供っぽい」とかいって頭を使うことがいかにも大切なことかのように生意気になっていく。そうやって体を動かす喜びを失っていく。そうこの「体を動かす喜び」こそが子供の中に残っていた「自然」の萌芽なのだ。
つまり、人間が集まって社会を作っている限り、「脳化社会」への変化は避けられない。Wiiなどの遊具(今までのゲームと違い、全身を使って遊ぶ点では遊具に近い)やDS、ipod touchなどのタッチメディアはこの「脳化社会」からの自然(または身体・子供)へのゆり戻し作用である。
さらに「iPhoneやDSが暗示するタッチメディアの可能性」でも
任天堂DSやWiiが売れたのは、コントローラーやキーボードを操作する感覚でなく、直接自分で手触りできるという感覚が受けたのだろう。これは、タッチスクリーンやタッチディスプレイなどのタッチメディアがこれから大流行するのではないだろうか。
ゲームをする人間には、二種類の人種がいる。映画の中の主人公として活躍したいというリアル志向と、ビジュアルなんか関係ない、みんなでワイワイゲームをしたいという遊び志向だ。プラズマテレビや液晶テレビなど薄型テレビの普及は、一方でゲームにビジュアルのリアル化を求める。PS3やXbox360などHDメディアに直接、接続するタイプであり、当然、これらの機器がホームサーバ化の端末を担っていることは暗黙の了解(というのは、PS3が堂々とそれに名乗りを上げることは結局機器の売り上げを阻害するから)である。なぜ、そう考えるか。それは「脳化社会」がインターネットを中心としてそれを求めているからだ。
僕は「脳化社会とホームサーバ」でこう書いている。
メディアはその五感のうち、視覚、聴覚を刺激する。本来、その現場にいなければ見ることもできないものが目に飛び込んだり(テレビ・映画)、コンサート会場にいなければ聴くこともできなかった音楽をCDとして手に入れることができる。すなわち、メディアは目や耳の延長ということができる。そのメディアが集めたものを今度は、自分の嗜好で選別する。家にいながらにして集め、知識として保存することができるのがパソコンであり、特に、インターネットから降り注がれる映画や音楽に特化してテレビに映し出すことができるのがホームサーバである。
いわば、脳の縮図を模式化したものがホームサーバなのだ。そして同じようなものとして携帯電話がある。本来の目的の電話機能のジャンルを超えて、テレビ・カメラ・クレジット・音楽・メール、ありとあらゆるものがその小さな筐体に圧縮されている。すなわち、携帯電話は第二の脳であり、脳の外付けハードディスクドライブである。
アップルのiPod touchがうまいのは、視覚と聴覚に加え、この指でタッチするという身体的な部分(触覚)とネットにつながってダウンロードするというホームサーバ(「脳化社会」化)指向がうまく合体している点だ。しかも、システム上(規格的にも、販売奨励金問題でも)iPhoneが普及しにくい日本において撒き餌のようにiPod touchを販売してしまった。当然ながら、買った人たちは、iPhoneの国内販売を待ち焦がれる。しかし、アップルが販売奨励金を出すとは考えられない。そうなると、日本のケータイの国際化が促進される可能性もある。
もし、これが当たり前になれば、そのうち、テレビは指で触るものとなり(指紋だらけになる可能性はあるが、指紋がつかない技術が発明される必要がある、その発明は一方で犯罪に応用される危険性も増してしまうが)、まったく新しいメディアが創造される可能性も夢ではない。
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