9月20日に新型PSPが発売された。その一週間前に発売されたのがスクウェアエニックスのクライシスコアファイナルファンタジーVII(CCFF VII)である。このCCFF VIIは、10年前の1997年1月31日に発売されたファイナルファンタジーVII(FF VII)のストーリーの7年前を描いている。思えば、このFF VIIによってプレイステーションの命運が決められたといってよい。当時、スクウェア(エニックスと合併する前)は、任天堂のサードパーティの中ではスーパーファミコンを牽引する主力企業であった。しかもこのFF VIIは本来NINTENDO64で発売する予定だったという。その理由はWikiにこうある。
本作は、当初NINTENDO64(N64)で発売される予定だったという。しかし下記のような理由から最終的にプレイステーション(PS)で発売される事となった。
・N64の発売年は1996年であったが、PSが発売された時は1994年であった。その事に関連してN64の発売時期の遅れから、企業的側面と開発者の意向で64発売日以前にPSで「FF」を作る事が先に決まってしまった為。
・N64のグラフィック性能やメモリ容量は当時としては最大で、性能面では大幅にPSを超えているが、メディアのROMカセットの特性から膨大な容量を必要とするムービーなどを取り込む事が極めて難しく、CD-ROMを採用しているPSでFFを作る事を決定した為。
なぜ、そのような思惑違いが生じたか。任天堂インサイドにこんな記事があった。
別れは意外な所から・・・任天堂とスクウェアはその関係が良好である事を示すためか共同でゲームを開発する事になりました。SFCで発売された『スーパーマリオRPG』がそれです。初めて任天堂とスクウェアがタッグを組んだ作品の評判は良好でした、名作と呼ぶ人も多く居ます。しかしこれが悲劇の元だったのです。後の両者を見れば一目瞭然ですが、お互いのゲーム観は決して一致しているとは言えませんでした。
ちょうどパンドラの箱を開けたようなものです。利益配分、発売時期。アクションの任天堂とRPGのスクウェアという対立。ゲーム観の違いは決定的でした。その後両者の間は急速に冷めます。当時開発中であったSFC向け作品の多くが中途半端な形で発売されていきました。ここから両者は磁石のように反対の方向に向けて歩み始めます。
96年2月、スクウェアはPSへの参入を明らかにしました。同時にこれは任天堂との絶縁宣言でした。N64向けに密かに用意されつつあったFFは陽の目を見ることはありませんでした。大容量を生かしたPS・FFシリーズの成功、新たな流通ルートの開拓、スクウェアは頂点を極めつつありました。
このように任天堂とスクウェアの関係は切れていった。ソニー側は、ソフトメーカーを一社ずつ粘り強く説得していった。当時の、スーパーファミコンのサードパーティたちは、任天堂に限界を感じていたのである。最初にナムコがプレイステーション入りしていった。AV評論家の麻倉怜士氏の「久多良木健のプレステ革命」(ワック出版)にこうある。
「これまでのことを振り返ってみると、ゲーム戦争はまるで、オセロでした。オセロは途中どんなにうまくいっていても、四角を取っていなかったら、最後に大逆転され、色を塗り替えられてしまいますよね。プレイステーションの四角取りは、まさにナムコさんの参加が、そのきっかけでした」(丸山茂雄元SCE取締役会長)
ナムコで角を押さえ、それから二年後にスクウェアでその対の角を押さえ、さらにエニックスでその隣の角を押さえた。この三角が白黒大逆転の立役者となった。(麻倉怜士著「久多良木健のプレステ革命」ワック出版)
特に「FF VII」はプレイステーションのブレイクをもたらした。最近発売された「ファイナルファンタジーVII 10thアニバーサリー アルティマニア」(スタジオベント)によれば、国内出荷数402万本(アルティメットヒッツ含む)、海外では1000万本にも及ぶという。今回、新型PSPとともにCCFF VIIが発売されたが、売れ行きはすさまじく48万7千本(メディアクリエイト調べ)だという。PSPが発売されてもう3年になる。PS2ならともかく、PSPである。僕は新型のテレビ出力機能が大きな要因であると思っている。小さい画面で進めるよりもテレビに映してPSPはそのままコントローラーになるからだ。また新型PSPが発売された初日は13万台売れているという。
ともかく、「FF」20年間の歴史の中で、「FF VII」は10年の命脈を持っている。それほど、インパクトが強いのである。PS3でリメイクが見たいと思うのも理解できる。たとえば、「ファイナルファンタジーVII 10thアニバーサリー アルティマニア」(スタジオベント)の座談会で制作関係者たちのこんな言葉が載っていた。
北瀬(佳範CCプロデューサー/FF VIIディレクター)「それこそあるかどうか全然わからないですけど、もし『FF VII』をPS3でリメイクするなんて話になったときでも、ここにいる3人(野島一成・CC/FF VIIシナリオライター、野村哲也・CCクリエイティブプロデューサー&キャラクターデザイン/FF VIIキャラクターデザイン)はきっとかかわることになるんじゃないかと。『CC(FF VII)』の開発を通して『FF VII』は「一生付き合っていく作品」なんだなって感じました。『CC』のシナリオをキレイに『FF VII』につなぐのは、野島さんにしかできなかったと思いますし、エンディングのムービーが『FF VII』と感動的なつながりを見せたのも、野村のこだわりを持った演出と編集がなせたワザだと思いますし。自分たちは、そういった“つなげていく”責任を背負っているんでしょうね。」
時代の転換点には、必ずそれを象徴する作品や人間が現れる。「FF VII」もまた、その役割を担っている。
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FF VIIは、ゲームの流れを変えた作品である事は間違いない。
スーパーファミコンまでは、ユーザがストーリーに参加するまさしくRPGがゲームの主流だったが、プレイステーション(PS)以降は、RPGというよりも映画を見るという雰囲気に変わったと思う。
ユーザがストーリーに参加するRPGは、ゲームの進行とともにユーザはレベルアップしていくが、映画を見るのは受動的であり視聴者の感受性に訴える作品となる。これらを比べると、ユーザの質は異なり、新規にゲームをする人が増えたが、従来のゲームが好きな人はゲームをやらなくなった。ゲームと映画の人口では、映画人口の方が多いので、従来のゲーム好きが減少しても、従来のゲーム人口よりも裾野が広った結果、消費は拡大したのである。
しかし、映画を見る人にとって、ゲームはやはりゲームであり、徐々にあきられていったのが昨今のゲーム離れにつながっていると思う。
それに比べて、根っからのゲーム屋である任天堂はゲームの本質を主張し続けた結果が、DSやWiiのヒットにつながっていると思われる。特にDSはファミコンの発展のようなモノで、原点回帰する事によって従来のユーザ(ゲームの主要顧客は子供であり、子供は2Dの漫