前項「オリジナルとメディア」で映画館盗撮防止法をとりあげたが、実はこの映画館盗撮防止法、国内の映画館や映画会社からの要望ではなくて、アメリカの要望だったという。それを知ったのはニュースサイトGIGAZINEの「著作権の非親告罪化やP2Pによる共有の違法化は誰が言い始めたのか?」
さて、次の文章を読んでもらいたい。
II-A-5. 映画の海賊版 海賊版DVD製造に利用される盗撮版の主要な供給源を断ち切るために、映画館内における撮影機器の使用を取り締まる効果的な盗撮禁止法を制定する。
(日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書 2006 年12 月5日 (仮訳)20頁)
この米国政府要望書は年次改革要望書と呼ばれている。この年次改革要望書によって日本政府のアメリカの要望を次々と成し遂げられていった。それではその主なものをあげよう。(Wiki年次改革要望書から)
日本の内政との密接な関係
1997年 独占禁止法改正、持株会社の解禁
1998年 大規模小売店舗法廃止、大規模小売店舗立地法成立(2000年施行)、建築基準法改正
1999年 労働者派遣法の改正、人材派遣の自由化
2002年 健康保険において本人3割負担を導入
2003年 郵政事業庁廃止、日本郵政公社成立
2004年 法科大学院の設置と司法試験制度変更
2005年 道路公団解散、分割民営化
つまり、小泉首相の起こした郵政民営化もアメリカ年次改革要望書から要求されたものだ。そういえば、映画館で盗撮されると一番困るのはアメリカの映画会社だからだ。アメリカの企業に都合のよい要望が次々と達成されていくのは、いまだに日本はアメリカの占領国なのか。
同じ要望書の20頁の項目にこんなことが書かれている。
II-A-2. 著作権保護期間の延長 一般的な著作物については著作者の死後70年、また保護期間が生存期間と関係のない著作物に関しては発表後95年という現在の世界的傾向と整合性を保つよう、音声録音および著作権法で保護されるその他すべての著作物の保護期間を延長する。
II-A-3. 職権の付与 起訴する際に必要な権利保有者の同意要件を廃止し、警察や検察側が主導して著作権侵害事件を捜査・起訴することが可能となるよう、より広範な権限を警察や検察に付与する。(日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書 2006 年12 月5日 (仮訳)20頁)
著作保護期間の延長については「著作権保護延長とディズニー」に書いた。これも、要望書の成果だったのだ。同じくアメリカ映画会社の要求であろう。
さて、II-A-3. 職権の付与については、反対意見が多い。例えば編集家・竹熊健太郎氏のブログ「たけくまメモ」では
今の動きをかいつまんで書くなら、「著作権法の非親告罪化」に向けた準備が政府機関によって進行しているいうことです。これまでも現在も、著作権侵害というものは「侵害されたと思う側」が民事裁判に提訴するなり、あるいは刑事告訴をしない限り逮捕することも裁判を起こすこともできない「親告罪」とされているわけです。
それが「非親告罪」ということになると、警察・司法が独自の判断で著作権侵害とみなした行為者を逮捕することができることになり、商業的な出版・放送・上演・演奏のみならず、コミケの二次創作・パロディ同人誌などにも深刻なダメージが加わる可能性があります。
これが「II-A-3. 職権の付与 起訴する際に必要な権利保有者の同意要件を廃止し、警察や検察側が主導して著作権侵害事件を捜査・起訴することが可能となるよう、より広範な権限を警察や検察に付与する。」を意味していることは言うまでもない。
さて、ニュースサイトGIGAZINEはこういう。
アメリカ政府がこの年次改革要望書で要望していることは要するにアメリカ国内の企業にとって利益となるような動きを政府レベルで後押しして実現させようというもの。アメリカはかつてのロビー活動に代表されるように企業が政治をうまく利用するのが慣例となっており、経済のグローバル化を日本もともに推し進めようじゃないかと言っているものの、その実態はアメリカ企業が日本国内で経済活動をしやすくするための便宜を図る、あるいはその逆で日本企業が経済活動を行いにくくするというものがほとんどです。
アメリカはオリジナルコンテンツを生み出す企業が多く、日本はテレビやビデオなどコンテンツをコピーするハードやソフトといってもパロディが主流のアニメや漫画が多い。アメリカが知的財産の権利を日本に押し付ける一方、そのパロディやコピーを許さない方向(例えばコピーワンスの問題)に向かえば、結局は日本の知的財産は萎縮に向かうしかない。
6月1日の著作権法の親告罪見直し 海賊版の出品・ダウンロード違法化も検討 07年知財計画では
ネット上に違法に公開された海賊版をユーザーがダウンロードしたり、海賊版CD・DVDからのコピーを、現状の著作権法が認めている「私的複製」の許容範囲から除外することも検討。「個人の著作物の利用を過度に萎縮させることのないよう留意しながら」、07年度中に結論を出す。
また今国会で成立した、映画館での映画の盗撮を禁止する「映画の盗撮の防止に関する法律」について、周知徹底や取り締まりを官民挙げて強化する。
コンテンツ産業の振興策では、テレビ番組のネット配信などをスムーズに配信できる仕組み作りやマルチユースを前提とした契約ルール作り、ネット上のコンテンツマーケット整備などが盛り込まれた。私的録音録画補償金制度の見直しも07年度中に行う。
着々とアメリカの年次改革要望書が実践されつつある。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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アメリカのための政権政党として、自由党と民主党で自民党を作っています。
さらに二大政党とするために、やらせの民社党も作りましたが、これは失敗しました。こんどの民主党はうまくいっているほうです。
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