「バベル」と「スパイダーマン3」、この2つの映画は根っからの悪人は登場しない。みんなまじめによいことをしようとしているのに、ささいなことで感情が行き違ったり、自分の行動は正しいのだと執着して他人のことに気づかずに傷つけてしまう。
@「いいえ、私は悪い人間じゃない。愚かなことをしただけ」(乳母アメリアの言葉)
良かれと思ってした事がどんどん悪い方向に転がっていく。一人の日本人のハンター(役所広司)がモロッコのガイドに一丁のライフルを友情の記念に与えたために、アメリカの夫婦と子供たちの人生が大きく変わっていく。映画「バベル」はディス・コミュニケーションの物語だ。このタイトルの「バベル」とは「バベルの塔」のことである。
遠い昔、言葉は一つだった。神に近づこうと人間たちは天まで届く塔を建てようとした。神は怒り、言われた。“言葉を乱し、世界をバラバラにしよう”やがてその街は、バベルと呼ばれた。(旧約聖書 創世記?章/映画「バベル」プログラムより)
思えばスターウォーズのダースベイダーであるアナキン・スカイウォーカーも
アナキンは執着することでさらなる力を追求し、ついには宇宙を支配できると考えるところにまで行き着いてしまう。(ジョージ・ルーカス「スター・ウォーズエピソード?シスの復讐」プログラムより)
「バベル」は4カ国(モロッコ・アメリカ・メキシコ・日本)の話が進行する物語である。イニャリトゥ監督も
「撮影中、私たちは“コミュニケーションの難しさ”という、この映画のテーマと同じ問題を抱えていた。例えばモロッコでの撮影では、アラビア語、ベルベル語、フランス語、英語、イタリア語、そしてスペイン語が飛び交った。しかし、撮影を進めるうちに、本当の境界線は言葉ではなく、私たち自身の中にあると気づいた。人を幸せにするものは国によって違うけれど、惨めにするものは、文化、人種、言語、貧富を超えて、みんな同じだ。人間の大きな悲劇は、愛し合いされる能力に欠けていること。愛こそが、すべての人間の生と死に意味を与えるものなのに。(中略)一番よかったのは、人を隔てる壁についての映画を撮り始めたのに、人と人を結びつけるものについての映画に変わったことだ。つまり、愛と痛みについての映画だ」(映画「バベル」プログラムより)
A「復讐はまるで麻薬よ。気がつくと人をすっかり変えてしまうわ」(メイ伯母さん・予告編より)
「ピーター・パーカーはヒーローであることを意識し、正しいことをするために犠牲にしなければならないこともわかり始めている。ところが急に誰かに憧れられたり、励まされたりするようになったことが、予想外の影響を及ぼすんだ。彼の性格の高慢な部分が刺激されて、ダーク・サイドへの移行が始まる。(中略)でもクライマックスでは、ピーターは自分の暗黒面を追い払わなければならない。復讐の気持ちを捨て去ることになるんだ。私たちは皆罪人で、誰もが誰より勝るということはない。この物語でピーターは、相手を“許す”ということを覚えるんだ」(映画「スパイダーマン3」プログラムより)
B唯一の方法は、相手の心の中に善があると信じること
このダークサイドから抜ける唯一の方法は「贖罪」である。
最初の「エピソード?」から見ていくと、全体がアナキンの贖罪の物語となってくる。オビ=ワンとヨーダはアナキンの子供たちがダース・ベイダーを倒すことを望んでいるが、彼らが理解していなかったのは、目的を達成する唯一の方法は、子供たちがアナキンの中に善があると信じることだった。アナキンの子供たちへの愛情が、ダークサイドから彼を引き戻し、真の悪である皇帝を抹殺して、予言通りフォースにバランスをもたらすのだ。だからこそ、アナキンはすべての源なのである。(ジョージ・ルーカス「スター・ウォーズエピソード?シスの復讐」プログラムより)
私たち現代日本人も、ダークサイドに落ちていないだろうか。自分の偏見から傲慢になり、相手とコミュニケーションをとるのを忘れ、一人ひとりが孤立していないだろうか。対立している相手の心の中にも必ず善の心があり、自分のにごった眼で見えなかったことを知らなければならないのだ。
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