著作権保護期間を延長することの弊害とはを見ると、著作権の保護を50年から70年に延ばすべきかどうかに議論が起きているという。70年が世界の大勢であるというのだ。ところで、なぜか2004年4月1日に「日本映画」のみ限定で70年に改正されている。今回は、その映画以外の著作物を延長しようというのである。
映画といえば、本屋で500円のビデオ・DVDを見たことがあると思う。発売しているのは、ファーストトレーディング社など数社。同社が「ローマの休日」を発売したところパラマウント映画から訴訟されることになった。これは、後に「ローマの休日」問題といわれることになる。
映画の著作物の著作権保護期間はもともと公表後50年だったが、2004年1月1日に施行された新法により70年に延長された。ファーストトレーディング社などは、2003年12月31日いっぱいで、1953年公開の映画の保護期間は終了したと判断、この保護期間を延長する規定は1954年公開作品から適用されるとしており、1953年に公開された「ローマの休日」など2作品のDVDを製造・販売している。
さて、東京地裁では1953年公開の「ローマの休日」は著作権が切れているという判断。したがって、今、本屋に出ている名作ビデオは、1953年公開以前の作品ばかりである。
なぜ、70年が世界の大勢というのか。それは、IT Media 「米国の前例に見る著作権法延長の是非」にこんな記事が載っていた。
――米国が著作権保護期間を延長したときのいきさつからまずお伺いしたいのですが。
城所氏(成蹊大学法学部教授、米国弁護士): 1998年の著作権法改正時に、それまで著作者の死後50年だったのが、70年になったわけですね。その理由として上げられたのが、ディズニーのミッキーマウスの著作権。あれは1928年に公開されています。会社やなんかに勤めている人の著作物の場合は、職務著作というんですが、これの保護期間は公表後75年だった。それを95年に延長したわけです。ミッキーマウスは28年に誕生(公開)したので、2003年に切れるはずだったんですね。それを延ばそうということでディズニーがロビー運動をした。それが功を奏して実現したので、ミッキーマウス保護法というニックネームが付けられているわけです。
――著作権延長を実現したのは、米国が一番最初ですか?
城所: いや、EUがすでに1993年に、70年に延長しているんですね。米国ではそれに対抗するためというのが、実は最大の理由だったんです。
――対抗する理由とはなんでしょう?
城所: ヨーロッパが70年で、他の国が50年のままだったとすると、その国の著作物はヨーロッパの中で50年でいいよと。低い方に合わせるよということなんです。これを「相互主義」と言います。つまりこのままでは、米国が損するので、その対抗上延ばそうというのが一番大きな理由だったんです。そのほかにも寿命が延びてるとか、子供を作るのが遅くなってるとかいった理由もあったようです。
ともかく、ディズニーアニメも500円ビデオとして発売されている。ところが、ディズニーからでているそれぞれの価格は「ピノキオ」「白雪姫」「ピーター・パン」「ファンタジア」「ダンボ」「バンビ」「シンデレラ」「不思議の国のアリス」である。確かに変だが、過去の著作物に頼って、権利を主張するのは、なんだか遺族年金を引き伸ばしているようであまり気持ちがいいことだとは思わない。
確かに、優れた文化遺産にはそれなりの対価を払うのは当然だが、著作者ならともかく、その著作物の権利を遺族にまで与えられるべきだとは思わないからだ。
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