日本流が通用しないといっても、拉致問題が進展しない日本政府の嘆きだけではない。携帯の世界でもこんな記事がある。
例えば、CNET Japanのスペシャルレポート「世界標準になれないモバイル業界の内側・第一回:なぜ“異例づくめの研究会” は開催されたのか」ではこんな言葉から始まっている。
「ケータイ先進国日本」に暗雲が漂っている。
国内ではすでに当たり前となった携帯電話によるメール送受信やサイト閲覧ができる「ケータイ文化」は、世界の追従を許さないところまで発展している。しかし、今のところ海外ではそうした習慣を受け入れられる通信インフラは十分に整備されておらず、ケータイ文化の形成を下支えしてきた日本の携帯電話関連ビジネスは、世界市場から孤立してしまった。
日本独自の文明の進歩が、世界からの孤立を作っているのはなぜか。その現状を海部美知さんのブログTech Mom from Silicon Valleyでは「パラダイス鎖国」と呼んでいる。
[日本]パラダイス的新鎖国時代到来(その4)- 産業編・携帯電話端末のケーススタディ
一方で、日本ではiモードが花開き、薄型で美しい液晶を搭載し、音もきれいで高機能な電話機が次々と出る。サービスでも端末でも、日本のケータイは「世界一」になった。日本の国内市場が成長するスピードについていくのに、メーカーも必死である。どの方式を開発すればいいかさえ決められない、アメリカなど、相手にしている暇はなかった。日本は世界をリードする携帯技術を手に入れたが、先に行きすぎて、他の市場を捨ててしまったという皮肉な結果になった。
(中略)
こうして、日本の大手メーカーはアメリカでの地位を失い、欧州でも苦戦、一方日本ではどんどん進んだ端末が出る、という、典型的な「パラダイス鎖国」状態となってしまったのである。
パラダイス鎖国とは、「自国が住みやすくなりすぎ、外国のことに興味を持つ必要がなくなってしまった状態」である。昨年の夏、日本に行った時に感じたことなのだが、第一回の記事に書いたように、アメリカは世界一の鎖国パラダイスである。
悔しいことに、アメリカはそれでもコトが済んでしまう。このところの住宅バブルもあって、アメリカの消費額は全世界の消費の3分の一だと日経新聞に書いてあった。たくさん買うお客は強い。それに、アメリカには移民だの永住外国人だのがたくさんいて、それらの国とのつなぎ役の専門家集団をかかえているようなものだ。9/11まで、アメリカがテロの標的にならなかったのはそのためもある。
しかし、日本はそうはいかない。かといって、一般の日本人が住みやすい日本を離れたくないのは無理もないことだし、一般人のパラダイス鎖国状況は仕方ないと思っている。
この「パラダイス鎖国」、日本国内のみで収益が足りているうちはいいのだが、海外に売り込むときに問題になってくる。それは携帯電話に限らない。テレビ番組のコンテンツでも同じである。鎖国はいつかは、開国しなければならない。テレビ業界も現在、放送免許という鎖国が許されているが、将来、ネットを通して放送することが必要になってくるだろう。
BBCが世界に向けてVODの準備をしているといわれているが、これからは世界に売れるコンテンツを作らなければ生きていけない時代になってくるからだ。もし、それに乗り遅れたら、海外から優良なコンテンツがインターネットを通して流れてきて、日本のテレビ局は立ち行かなくなるのではないだろうか。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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