前回の投稿からしばらく忙しい時期が続いたため、その間にあった様々な通信業界関連の報道について見逃してしまいました。
わずかな時間にも関わらず、この業界は凄まじいスピードで状況が変化していくためなかなかキャッチアップできないところがありますが、まずは比較的最近の報道の中から気になるトピックとしてNGMN(Next Generation Mobile Networks)に関する状況を観察してみたいと思います。
◆ ドコモなど7社、次世代モバイル規格を推進するNGMNを設立
若輩の投稿を読まれている方々にとっては殆ど既知のところであろうが、NTTドコモを含む世界の主要な7つの携帯電話事業者は、いわゆる3.5G以降の通信ネットワークのロードマップ策定を目的として、NGMN(※注1)を設立した。
(※注1):この記事にも書かれているが、これまでもNGMN Initiativeという名称で同様の活動がなされてきた。
ここで、同じ日に目にした某海外サイトでは、NGMNに関して以下のような報道があった。
◆ Carriers Form 4G Pressure Group
こちらの記事では、3GPPや3GPP2、GSM Association、CDMA Development Groupといった様々な標準化団体・業界団体がある中で、なぜ新たにNGMNのような組織が必要とされるのか、という問いに対して、答えのヒントとなるようなコメントが書かれている。
Sprint Nextelにて国際標準を担当されている方のコメントによれば、そもそも携帯電話事業者は2Gや3Gの展開の際には、十分に早い段階でオペレータとしての思惑やビジョンを伝えることができなかったという思い(反省?)があるらしい。
そのような過去の経験を踏まえ、次世代規格では早期の段階からオペレータ側の理念やガイドラインを関連プレイヤーに対して幅広く浸透させるべく、オペレータのみで構成される組織が必要と考えられたのだろう。
では、今回NGMNが策定しようとしているガイドラインとは具体的にどのようなものなのだろうか?
NGMNのサイトに掲載されているニュースの抄訳であるが、NTTドコモのプレスリリースではその点について触れられている。
◆ NGMN(Next Generation Mobile Networks)社による報道発表について
この記事によれば、ガイドラインの主な項目としては「周波数の利用効率の向上」や「運用・メンテナンスコストの低減」などであり、さらに「…ドコモでは、本活動をこれまで取り組んできたSuper3Gの標準化、実用化の一環と位置づけ…」とあることから、より具体的には、3GPPで取り組まれているLTE(Long-Term-Evolution)やSAE(System-Architecuture-Evolution)の実現がターゲットなのであろう。
ところで、NGMNという形で通信事業者側の動向に関する報道があった一方で、同じ日に通信機器メーカ側の動向として以下のような報道を目にすることができた。
この記事によれば、Ericssonは「今こそ、IPネットワーク・マルチメディアの融合におけるリーダーシップをとるタイミングであり、マーケットを主導する役割を担う」という戦略にあわせて、大掛かりな?組織変更を行う、とある。
その中で、アプリケーションやサービスの開発を手がける「Multimedia」部門は、一部では今後5年間で収益が5倍になるとも目されるほど成長が期待されており、アプリケーション開発等を加速させるために新たに500人規模でエンジニアを募集するようである。
さらに後日、SonyとEricssonの合弁会社であるSony Ericssonに関して、携帯端末向けの音楽配信サービス「M-BUZZ」を開始するとの報道があった。
◆ New mobile and web-based digital music space ‘M-BUZZ’
少し前にはNOKIAによるLoudeyeの買収報道があったが、これら一連の記事では、オペレータはOPEX削減などの厳しい環境の中でも次世代通信インフラの実現に向けて邁進する一方で、メーカはより上位に位置するサービスレイヤーへと進出を図るという構図となっており、将来的にどんな勢力がより多くのユーザエクスペリエンスを獲得することになるのか、あらためて興味深く感じられた。
固定通信におけるNGNの議論ともあわせて(※注2)移動体通信においても、サービスプロバイダ、オペレータ、メーカ・ベンダそれぞれの動向を今後ともウォッチしていきたい。
(※注2):若輩は以前にNGN関連の記事として似たようなエントリを書いているので、もし宜しければそちらも一読頂ければ幸いです(NGNの見方 Ericssonの動向から垣間見えるキャリアの危うさ)
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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