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日本の「ケータイ」という文化消費: フィンランドとの比較で

2003/10/21 09:36
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マイクロソフトやマッキンゼーで情報通信分野の戦略立案に携わってきた森祐治さんが、通信・放送業界やエレクトロニクス産業に関連した時事的トピックスについて、アカデミックな視点から分析していきます(このブログの更新は2004年4月9日で終了しました。続きは<a href="http://japan.cnet.com/column/mori/">コラムによる連載</a>をご覧下さい)。
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# コメントやTrackbackしていただいたものや、個人的にメールをいただいたものに応えておくという意味も含めて

日本での需要の「起源」は何か?について、ちょっとだけ記述。僕は「必須の需要」ではなく、やはり「(消費の)余剰ゆえの需要」なのではないか、と思っている

実は、日本で今一番輸出するべきものは「消費スタイル」だと常々思っているのだけれど、ケータイ文化はその「極」のひとつだ

これは「The City In Your Pocket翻訳版(まだ邦題未定なんですよ)」にも付記されるかもしれないが、テキストメッセージのやりとりは日本のプレ携帯大衆普及期に、ページャー(ポケベル)と公衆電話というかなり無理のあるメディアの組み合わせから始まった。が、フィンランドなどでは同様のメディア(ページャー+公衆電話)があったものの、すでに十分に普及した携帯上でSMSが始まるまではテキストメッセージの流行は発生しなかった

このあたりが、「必須の需要」ではなく、あるものを消費し尽くしてしまう過剰な行動が「余剰の消費」のきっかけになったのではないかと考えている。いわば、一種の文化消費に近く、たくさんのブームを時系列的にそれぞれを短期間で同じ消費者が消費する日本の状況をよく示しているのではないか(欧米などを見ると、異なるブームが、異なるセグメントで、ゆっくりと消費される傾向が強い)

実は僕の博士論文とも関係するのだが、フィンランド国内で年間数十億通のやり取りが行われるようになったSMSの普及のきっかけは、日本におけるiモードなどの普及に類似しているのではないかと思っている。すでにサービスとしては普及し、(当時)平均1.2〜1.3年で交換されていた端末に新たな機能(たとえば、iモード)を埋め込めば、利用者がその機能そのものに興味を持って買い換えているかどうかはともかく、あっという間に普及するし、せっかくついているのだから利用し始める…という、一種のテクノロジードリブン、あるいはストラテジードリブンの結果ではないか

iモードの場合は、eメールやブラウザによる異種ネットワーク間接続で、インターネットという外部経済の取り込みが自動的に行われ、パケット数が増加し、ARPU(利用者単位の月平均利用料)は上昇する、といったメカニズムがユニークであり、決して複雑系経済特有の仕組みによって成功したわけではない

# このあたり、テレビ番組の消費が、欧米では一般視聴者レベルでは「面白い」か否かで語られることが多いが、日本では映画並みに「脚本家」や「プロデューサー(NHKの場合)」などで選択する人すらいるところが、「過剰に成熟した」視聴者の証ではないかと思っている

何はともあれ、日本のケータイ文化を見るとき、先行したポケベルブームなどをリファレンスにすると面白い視点が得られそうだ

ちなみに、フィンランドの通信事業者の構造だが、日本のNTTにあたるSonera(現在は、スウェーデンのTeliaと合併してTelia-Soneraになっている)は、モバイルだけではなく、地域、長距離、国際、ISP、データのすべての通信を提供している統合プレーヤーだ。もともとは国営で、長距離と国際は独占していた。が、地域電話サービスについては、Finnetグループといわれる数十の地域電話会社グループがSoneraよりもたくさんの加入者数を保有している

モバイルについては、Soneraが過半数強の加入者数を誇っている。が、Finnet系のRadiolinjaや電力系などがサポートするDNAなどが、後発ながらSoneraを追い上げている。このあたりの構図は日本と近いかもしれないが、GSM/GPRSという技術標準を利用し、Nokiaという巨大メーカーがむしろテクノロジーそのものを支配するという点で、日本のキャリアとメーカーの関係とはまったく異なっている

この産業論については、「The City In Your Pocket」の僕の担当章で詳細を掲げる予定だ

# スポーツクラブに出かける前に、自宅にて

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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