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ネットワーク外部性、オープン化、そのメリット

2003/09/30 23:50
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mori

マイクロソフトやマッキンゼーで情報通信分野の戦略立案に携わってきた森祐治さんが、通信・放送業界やエレクトロニクス産業に関連した時事的トピックスについて、アカデミックな視点から分析していきます(このブログの更新は2004年4月9日で終了しました。続きは<a href="http://japan.cnet.com/column/mori/">コラムによる連載</a>をご覧下さい)。
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通勤は相変わらず無いが、続編とちょっと関係した話を優先して書いておく

今日は、山岸さんのblogでのレポートCnet上での速報にもあるように、CNETの「テクノロジー・ビジネス・トレンド2004」が開催された

# 数年前のビットバレー後期を思い出させるメンバーがたくさんいたよ

その基調講演は、McKinseyの大先輩でもある京大末松千尋先生。興味深いお話だったが、いくつか疑問がわいた。これらについては、講演の後に末松先生と話して、議論していきましょう、となったが、先生には伝えきれなかった分も含めて挙げておこう

# 参加されなかった皆さんごめんなさい。でもきっと、上記の速報レポートや今後掲載される詳細レポートを掲載されるから、それと併せて読んでみてくださいな

この疑問がどのくらいレレバンシーが高いのかについては、途中抜け出してパラシオタワーの近所のスタバでこっそり仕事していた僕とばったり会ってしまった、リクルートの井上さん・藤田さん、アクセス向上委員会の橋本さん(ついに会えました!)と話したんだが、結論は出ず・・・

  1. オープン化を正当化するための理論的根拠として「ネットワークの外部性」を援用することは妥当か?

    「ネットワーク外部性」という概念は、間違った適用がされることで有名なもののひとつ。必ずしも「メカトーフの法則(といっても、理論的に立証されているものではなく、経験則でしかない)」を正当化できるものではない。ネットワークの外部性は、そのネットワークに加入することで得られる便益と加入しない場合の便益が逆転するポイントが存在し、ネットワークに加入するメリットが高い状態にある経済状態のことを言うが、実は均衡点は理論的に2点存在し、過剰な人数がネットワークに加入することでネットワークに加入する便益が加入していない場合よりも少なくなる範囲がある。これは、単調増加関数を想定したメカトーフの法則(「ネットワーク便益=ノードの数(n)の組み合わせの総和(n*(n-1)に比例する」んじゃないかなぁ!)とは明らかに異なる・・・

  2. なぜオープン化は良いのか? 誰にとって? どうして?

    これはただぼんやりと分からない点。末松先生は、二つの「オープン化」が混同されて使われていると指摘している。すなわち1)企業間関係、2)知的所有権の所在だ。少なくとも後者については、R&Dおよびマーケティング機能のオープン化をどのように実体化しているかの議論だけでしかないかもしれないし、クローズと二極化した議論が成立するか、確信がもてない。次の疑問でも挙げているが、特許や著作権などとの関係は?コピーレフトなどと、オープンの境界線は?

  3. オープン化によるITのインフラ化に伴い、高付加価値IT産業はどうなるのか?

    末松先生は、オープン化によってテクノロジーはサービス領域という実体経済領域でしか換金できる価値創造領域はなくなるというご説明をされた。Red Hat的な世界ですな。であれば、IT産業における高付加価値創造は夢となるのだろうか?また、知的所有権との区分をどのように線引きするのだろうか

  4. オープン化が進行すると、現在オープン・テクノロジーの進展を支えているエンジニアはどうやって食べていくべきか

    現在、オープン・テクノロジーを支えるボランタリーな経済は、実は成立していない。オープンを支えるエンジニアたちは、何らかの別の業務によって糧を稼いでいる人たちであり、それらの糧が得られる事業領域が上記の質問にあるように、実体経済(要するに汗をかいた量に対してのみ報いが得られる世界)しかないのであれば、彼ら自体の生活基盤が失われる可能性はないのだろうか。オープン自体が、クローズも含めた既存の経済活動に裏打ちされているのであれば、今後どのような展開がありうるのか。通信や金融のアンバンドリングとは、IT(や、レッシングのいうように法律などについても?)におけるオープンとは、本質的に異なる現象ではないのではないか・・・

以上は、僕の勉強不足もあるし、勘違いもあるだろう。しかし、一番最初の質問は、テクニカル話だけれど、ちゃんとしておきたい気がする

まずは「京様式経営 モジュール化戦略」を改めて読んでおこうか

# しかし、意外と会場に女性が多くて驚いた

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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