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公教育の経済化

2003/08/29 11:34
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mori

マイクロソフトやマッキンゼーで情報通信分野の戦略立案に携わってきた森祐治さんが、通信・放送業界やエレクトロニクス産業に関連した時事的トピックスについて、アカデミックな視点から分析していきます(このブログの更新は2004年4月9日で終了しました。続きは<a href="http://japan.cnet.com/column/mori/">コラムによる連載</a>をご覧下さい)。
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ほぼ1週間書き続けられると、自信が出てくるものだ。次の課題は、週明けに再び再始動できるかどうか、というポイントだが・・・

昨日の夜は、ファームの同僚と食事をしながらディスカッションをした。美味しい中華料理もさるものながら、それ以上に美味しかったのはそこでのアイデアのやりとりだった

教育社会学で修士号を米国で取得した彼女は、単に整理のための学としての社会科学ではなく、行動する学問としての研究の姿勢を強く学んだようだ。いかんせん教育学や社会学というと、つまらない分野に聞こえてしまうが、米国の高等教育機関でのその位置づけは社会貢献のための学問であり、アクションリサーチという実験科学ではできない社会の中での比較検証を、自らの手によって作り出していくという立場をよしとしている。老成した権威者だけが社会的な官僚組織に委員や審議官として組み込まれて初めてものを言えるというどこかの国とは大きく異なるのだ

そこで日本の教育領域に積極的な形でコミットするにはどのような手段が最も効果的か、と話になったのだ。昨今教育というと、お受験や企業内教育など、医療で言えば「自由診療」の部分ばかりがとりだたされるが、むしろ「保険診療」の部分の質的向上のほうがインパクトは大きいはずだ

結論から言えば、現在の制度そのものや平等や自由といった哲学的・抽象的な概念を尊重しすぎる慣習は社会状況の変化に立ち遅れており、自らの変化を作り出すのは不可能なほどに硬直化してしまっている。そこで、一部に実験的な手法を用いた比較対象を作り出すこと。それも限定的なものではなく、規模の経済が成立するように効率性という概念を導入したものとし、PFIなどの手法によって私学ではなく、公立学校の経営を支援する仕組みを作ってはどうか、ということだった。その前に第三者評価機関を(現在ある、行政が立ち上げ、大学教員の内輪で評価しあうような仕組みではなく)確立し、その評価基準にあった形での支援が望ましい・・・

もちろん、Charter Schnool(学習成果に対しての契約を明確にした(Carter)学校に、そこでの教育手法を理解し、成果を期待する学童生徒のみが入学する)というやり方もあるものの、あくまで限定的であり実験的でしかないため、「一部に実験的な手法を用いて・・・」という部分の実現に特定される可能性が高い。要するに、自律的には規模の経済の成立を志向することなく、全体への普及の可能性は相変わらず既存の制度任せになってしまう可能性があるからだ

仮に、「実験的な手法を用いた比較となるしくみ」を実現できたときには、その組織自体の成長を支援する仕組みを導入することもやぶさかではないだろう。それは規模の経済を発生させるという大きさの成長ではなく、むしろ「効率」や[収益」の成長を考慮するのだ。ジャストアイデアとしては、教育という1次市場の後ろに来る就職進学といった2次市場への進出や、教育成果の延長上にある手法の販売などを教育の[自由診療」領域に対して行うことなどがありうるだろう

米国の公立学校経営代行会社であるEdison Schoolは経営面で困難な状況が続いているが、IPOなどを指向せず、SRI(社会的責任投資)やNPOによる支援などの仕組みを導入することによる実現の可能性を模索したほうがいいのではないかと思う。場合によっては、地方自治体の年金運用などからの投資があってもいいのではないだろうか・・・

などなど、思考実験としても楽しいし、本当に実現に向かえばもっとエキサイティングになるだろう話には、精力を傾けて尽きることはない

しかして、この夜の会話はその場で突如でてきたものではなく、彼女にとっては長き思考の結果だろうし、僕にとってもちょっと似た公的な領域の経済化というトピックを考えてきたからという背景はあったのだが(このトピックについては、またそのうち明らかにしたい)

ぜんぜん違う話だが、Sigmarion3でつかえるRSSリーダーってないのかな・・・

ううむ、まだ、まだ宿題の原稿が終わっていない・・・。W編集長、もう少し待ってくださいね! と、言っている間に、新たな講演依頼が来て、翻訳+書き下しの本の締め切りが迫ってきた! どうしたものやら。トホホ

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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