お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

生き残り企業のジレンマ

2003/05/31 14:29
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

mori

マイクロソフトやマッキンゼーで情報通信分野の戦略立案に携わってきた森祐治さんが、通信・放送業界やエレクトロニクス産業に関連した時事的トピックスについて、アカデミックな視点から分析していきます(このブログの更新は2004年4月9日で終了しました。続きは<a href="http://japan.cnet.com/column/mori/">コラムによる連載</a>をご覧下さい)。
ブログ管理

最近のエントリー

「戦後は終わった」と高らかに宣言されて以来、成長という果実を享受してきた日本企業

バブル期を経て、「右肩上がりが当たり前」という時代から「成熟」というある意味では当然の時代への移行過程で数多くの企業が消え、残っても今までとは全く異なる姿になっているものも多い

そんな変化を生き抜き、「勝ち組」と言われる企業の中でも「今まで通り」でやってこれた企業に今更になっての変調が現れてきている

そこここで悪循環が生じているのだ

プレッシャーに押しつぶされそうになっている事業部トップクラスのマネジャーたちがコスト削減を徹底すると同時に、何らかの成長の手段を見つけようと必死になっている。

現在、事業が安定しているといっても、今後もそれが継続すると信じるには厳しい環境要因の変化が視界に入ってくる。また、株主や経営トップの危機感もひしひしと伝わってくる。何かしなければならない・・・。当然の判断であり、それを実践に結び付けている場合も多い

しかしながら、その実践は往々にして適切ではないルールの基で行われている

それは、自由度の大きな会社単位ではなく事業部単位で、そして今までの「戦略の季節」を始点とする事業計画の一環として、新たな事業を生み出そうとする。必勝を問われ、あらゆる可能性を検討することに疲弊したミドルマネージャ。新たな挑戦をことごとく事業計画という名において否定され、モラルが低まっていく若手社員たち

経営コンサルタントとしして、何度も目にした情景だ

これに対する処方箋は、ただひとつ。事業部単位での努力を止め、全社レベルでのリソースの最適を前提とした「新規事業戦略」を構築することしかない。もちろん、そのためには企業トップが明確な全社戦略を策定し、その一環として「事業を継続する」のではなく「事業を立ち上げる」とういう価値構造と目的を持つ組織を準備することが必要になる

もちろん、「勝利を確実にものにする戦略」などありはしない。「青い鳥」でしかない

リスクをできうる限り分離し、リターンとリスクのバランスを最適化するというゴールではなく、「必ず勝て」という気合ばかりを与えるのでは話にならないことなぞ賢明な人間であれば誰もがわかっている。にもかかわらず、そこら中に「戦略」という名の「気合」が充満しているケースが多いのではないか

「沈黙の10年」を経て、痛みを伴うリストラすら回避できず実施されるにもかかわらず、変化が一向に現れない。この現実に焦燥感を覚え、ついにはハードランディング待望論さえ広く囁かれる現在、ダブルバインドによってリスクを取れなくしてしまったという深刻な悪循環をどう解くかが問われている

しかし、解は意外と身近な努力によって現れることを忘れてしまっている場合が多いのではないだろうか

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー

個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社