私は5年ほど前に1年間集中して携帯分野の仕事をしたことがあります。
そのときに愕然としたのは、日本はこれほど携帯事業が盛んで、ユーザの関心度もダントツに高いのに、日本の携帯メーカーの世界市場でのシェアが驚くほど低かったことです。確か、シェア1位のNECが7〜8%くらいだったと記憶しています。それに比して、ノキアの世界でのシェアは当時40%を超えていました。
しかし、少し調べているうちにその原因がわかりました。
この記事”アップル、「iPhone」日本投入でドコモとソフトバンクと交渉”でもこういう文章があります。
「世界でも最も進んだ携帯電話市場における無線ネットワークへの接続を支援してくれる国内提携先を必要としている。」
”日本が最も進んだ携帯電話市場”という箇所の”進んだ”という文言がミソなのです。”大きな”ではないのです。”進んだ”という意味には、”技術が進んだ”、”利用形態が進んだ”、”普及率が進んだ”ということが考えられます。技術面で高機能な携帯電話が普及しているということが、意外にも2つの障壁を生んでいました。
当時、第3世代携帯が市場に投入し始めた頃で、動画やFlashプレーヤーなどリッチなアプリケーションが利用できるようになりました。しかし、このことはそれ以前の世代の端末とのコミュニケーションを排除することになります。
日本市場だけを考えた場合には、時間の差はあれ、ある一定期間内にほとんど第3世代携帯に移行することは想像できるので問題ありませんが、世界を想定するとその考えは成り立ちません。ノキアが一人勝ちしていた中東・北アフリカ エリアなどを考えれば一目瞭然です。これは一つの典型的な例ですが、私はよくPCでBBCのラジオニュースを聴きます。短波放送の時代から世界中で聴かれているメディアです。この放送はコアにMediaPlayerやRealPlayerを使用しているようですが、独自のプラグインプレーヤを使用していて、Windows VistaやXPでなくても、私のMEでも快適に聴くことができます。それはそうですよね。日本は別ですが、世界中のほとんどの国がWindows VistaのPCを持っているとは限らないですから。
さらにもう一つ原因と考えられたのは、当時ではドコモのiアプリ、最近ではワンセグが典型的ですが、国内というクローズした市場やエリアでしか普及もしくは使用できないアプリやコンテンツの存在です。これらは明らかに世界市場進出への障壁となっています。
海外メーカーからすると、日本市場はお金をもらいながら技術を立証できる場、プリ・マーケッティング・データを収集できる場として貴重なマーケットとなっています。
もしそうだとしたら、高付加価値製品や技術を、受け身ではなく、こちらがイニシアティブを持って評価することをビジネスとできるようなモデルを作り上げることが重要ではないかと考えます。”技術の実験場”的なイメージでしょうか。
The Bit Times <私のWeblog マガジン>
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
沢村大和 on 2007/12/26
私も数年前に携帯関連企業をクライアントに持った時に同じように日本の携帯の世界でのプレゼンスの低さに驚きました。
高い技術力はあっても世界的な標準作りに関してはいつも欧米企業に遅れをとってしまっていますよね。同僚は、植民地政策時代になぞらえて、国民性の気質の違いじゃないか、なんて言ってましたが(笑)。やっとここに来て日本の携帯も世界で使えるように準備が進んできているようですので、今後に期待しましょう。近い将来には、日本で使っている携帯で海外の地下鉄の乗り降りができたりするようになるとか。
Mika on 2007/12/25
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Mikaさんへ
コメントありがとうございます。
IT技術の場合、HWの上にのるコンテンツも絡んでくるので、どうしても国内でクローズしがちです(音楽業界のように)。
HWのみだと、自動車メーカーのように世界戦略に成功を収められることが立証されているのですが(2007年トヨタは販売台数No.1を確定したそうです).....