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「アメーバ携帯」 対談5 「メディア:ブログ 後編」

2007/04/07 10:24
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宮田拓弥

携帯電話向けアプリケーションの業界で、常に新しい製品・サービスを模索・開発してきた宮田拓弥氏(ジェイマジック株式会社代表取締役社長)が「ケータイ用アプリの未来」について考えていきます。
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■近くなるタレントとの距離 : 友達のような感覚?

宮田 本日(取材日2/14)にオープンされたばかりであるという御社の初めての放送スタジオ「アメスタ」の件について、もう少し詳しく話をお伺いできますか?

平田 まずは1年間限定の予定で、本日原宿にオープンしました。基本は生放送で、スタジオで収録する動画コンテンツをそのままアメーバの中で配信しています。

amesta_t.jpg
オープン初日のアメスタ

宮田 モバイルでも生放送が見られるんですか?

平田 残念ながら、まだ生放送は見られません。ただ、過去に放送したアーカイブは見られるようにしていく予定です。基本的には、アメブロが売りにしている有名人ブロガーの方々に出演いただく動画コンテンツが中心となっていきますが、前編でお話したようなアメブロ内で人気が出てきた一般人の方の、デビューに向けての登竜門としても活用していく予定です。

長瀬 ちょっと話は変わりますが、ちょうど3時からアメスタのオープニングがあったんですけど、「アリスナイン」という最近アメブロで10代の女の子にすごく人気があるヴィジュアル系のバンドが出演するということで、「アリスナインがアメスタにくるから、バレンタインチョコを持って集まって!」と会員にメールマガジンを出したところ、こちらの想像以上の反響で、アメスタの前に徹夜組が出るくらいの熱狂振りでした。

平田 実は、このアリスナインのブログはそれほどPVがあるわけではないんです。つまり、我々を含めた一般の人が広く認知しているようなレベルにはまだなっていないのですが、一部のファンの間での盛り上がり方は非常にすごいんですね。これはアメブロの有名人ブログ全体に言えることなんですが、それぞれのファンが「濃い」んです。

宮田 「濃い」と具体的に言うと?

立川 ファン同士、ファンとタレントの「つながり」ですね。例えば、伝言板でのやりとりであるとか、ブログのコメント、オフ会とかそういったものの頻度ですね。

平田 また、ファンとタレントの関係という意味で言うと、テレビで見ている感覚にはなかった「近さ」がブログの特徴だと思います。タレントも本当にプライベートな写真を気軽に上げているので、ファンからすると携帯電話でそれを見ていると、友達の写真を見ているのと同じ様な「近さ」を感じるんだと思うんですね。写真を見て「コメント」というアクションがすぐに起こせて、そのアクションに対してタレント本人からも「ありがとう」というようなコメントがあると、やはり双方向的というか、友達感覚まではいかないかもしれませんが、そんなに遠い存在ではないかというか。

宮田 実際にアメブロ内の有名人ブログのコメントのやりとりなどを見ていると、それほどメジャーではないタレントさんは、かなり丁寧かつタイムリーにコメントに返事をしていたりしますよね。TV時代であれば、たとえ文字のやりとりであってもタレントさんとコミュニケーションできるという機会はまずなかったわけで、しかも日々の生活が垣間見える写真を毎日見てたりすると、タレントさんとかなり近い感覚を持てるんでしょう。

長瀬 たとえファンが300人くらいの小さな規模であっても、タレントさんがそれぞれのファンと濃いコミュニケーションをしていってくれることで、サイトが活性化していくと思っています。全体で500人程度の方が有名人ブログを書いていただいているので、トータルでみるとメディア規模としては相当なものになると思っています。

宮田 タレントさんの側の意識であるとか実際の収入源という意味では、やはり最終的にはテレビ出演だったり、CDなどのパッケージメディアの販売という部分がゴールになるのでしょうか?アメブロの中だけで生計が成り立つような方は出てきていますか?

平田 さすがに、アメブロだけで食べているというタレントはまだ居ないです。ただ、タレントの方の収入源も多様化し始めています。例えば、最近で言うとブログを使って新商品を口コミ的に広告したいという話が多いのですが、そのときにキーマンとしてタレントを使いたいというニーズが高まっています。タレントからすると、ブログの日記にその商品の感想を書くだけでいいんです。このとき当然ファンを多く抱えているブロガーほど設定料金は高くなります。この例に限らず、アメブロの中でタレントさんが収入を得る手段はどんどん増えてきていますので、いずれアメブロ自体が出口というかゴールになっていく可能性はあると思います。

宮田 一昔前に「ネットアイドル」というと非常に特殊な響きがありましたが、モバイルであればコンテンツ課金もしやすいですから、着うた販売や動画販売などでちゃんとビジネスが成り立つようになって、普通にネットやブログ自体をゴールにしたタレントさんが増えてくるのかもしれませんね。現時点でも、500人もタレントさんを抱えているというのは、ある種のメタ芸能事務所というか、テレビの一つのチャンネルのようなもので、メディアとしていろいろな展開ができそうですね。

■MVNOや端末組み込みはまだ。

宮田 最初の方に動画のお話をお伺いしましたが、今後機能的な面で新しいものを追加される予定などはありますか?

長瀬 現状モバイルでのインターネットサービスを提供する場合に大きな問題点となっているのは、キャリアが提供する「ブラウザの仕様」に縛られてしまうという点だと考えています。そこで、「アプリ」としてブラウザ的なものを提供して、自分の好きなタレントの更新情報がRSSで受け取れたり、PC同様の高度なエディット機能を提供したりというようなことは考えています。今後は、モバイル向けのラボ的な取り組みとしてこうしたアプリの開発などを手がけようと思っています。弊社は、基本的にモバイルとPCをそれぞれ分けて別々に考えているので、モバイル独自の機能をどんどん追加していきたいですね。それと、Web2.0的な観点から言うと、タレント関連のコンテンツもそうなんですが、ユーザのデータ自体を色んな形でデータマインニングして、2次利用・3次利用するという部分が、これからの課題になってくると思っています。ユーザに対して、いかに中毒性を持ったサービスにして、もっとアメーバにきてもらうようにもっていきます。

宮田 キャリアさんのお話がでましたが、例えば何度もお話にでた米国のマイスペースは新興キャリアのHelioと提携して、 MySpace on Helioというモバイル向けの取り組みを開始しています。その他にも、MVNOという形で音楽やアーティストコンテンツに力を入れた amp’d Mobileという新興キャリアも出てきています。アメブロは、そうしたキャリアとの提携や自社でMVNOをするというようなご計画はありますか?

MySpaceOnHelio.JPG

MySpace on Helio

長瀬 今のところはまだありません。ただ、MVNOの参入自体の敷居がある程度落ちて、収益モデルが明確になってくれば、可能性としてはあるかもしれません。弊社としては、インターネット関連事業に軸足があるというのが基本ですから、そこから大きく外れない形で実現できるのであればですね。

宮田 確かに海外も含めてMVNO自体まだ完全な成功事例というのもないですからね。ただ、これまでのお話を伺っていると、ユーザがソーシャルな要素を求めているという部分や、タレントを軸にしたコンテンツ展開などを考えると既存のキャリアの枠でサービスを提供するだけでなくて、もう一歩踏み込んで端末やサービスを開発されたら面白いと思います。「アメーバ携帯」みたいな名前で緑色の電話作ったら結構面白いと思うんですけどね。

平田 確かに、面白いですね。今度、社長に話をしておきます(笑)

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最初のくだりで書いたのですが、モバイルでの「メディア」といテーマを取り上げるにあたって、サイバーエージェントさんのアメブロは「ブログ」といういわゆる「ユーザ参加型」、つまりユーザ自身がproactiveに自ら参加して情報を発信するタイプのものの例として考えていました。

ただ、実際にお話を伺ってみると、モバイルではエントリーの件数や頻度が高まっているという話がある一方で、「有名人」を軸にして盛り上げている部分が大きいというお話が印象的でした。この辺は、YouTubeのような動画投稿サイトでの日本からの利用はほとんどが地上波テレビの映像で、パーソナルビデオなどの自己表現の場として使っている人はほとんどいないという話と通ずる部分を感じました。まだサービス自体始まったばかりなので、今後どのような発展を遂げるのかは分かりませんが、こうしたある種の「ミニ・テレビ」的なメディア(情報の出し手と受け手が明確に分かれているという意で)というのが、モバイルにおいても日本人の国民性としては向いている部分があるのかな、と感じました。そういう意味では、やはりワンセグもありなのかもしれません。

ソーシャルメディアという切り口でいうと、モバイル端末にはPCでのサービス以上に大きな可能性があると思っています。言わずもがな、携帯電話にはそれぞれのユーザにユニークな電話番号が振られており、その友達たちの電話番号もアドレス帳に保存されています。つまり日々の通話やメールが、SNSで言う「あしあと」的にずっと記録されている訳で、この辺とソーシャルメディアとをうまく連携したものが出てくると面白いと思います。

アメブロのようにある程度力を持ったメディアサービス自体が、MVNO的な形やキャリアと協力することで端末自体をプロデュースするような形が出てくるともっと面白いサービスが実現できると個人的には期待してます。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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