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「ハイブリッドモデルの重要性 」対談1 「モバイル広告」 後編

2006/12/21 14:55
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宮田拓弥

携帯電話向けアプリケーションの業界で、常に新しい製品・サービスを模索・開発してきた宮田拓弥氏(ジェイマジック株式会社代表取締役社長)が「ケータイ用アプリの未来」について考えていきます。
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宮田 「一般サイト」いわゆる「勝手サイト」へのアクセスの増大という傾向と呼応するように、モバイルでも「ポータル」的なサイトが多く作られていますが、こうした動きをどのように見られていますか?PCでいうYahoo!のような存在が産まれてくるのでしょうか?

早川 「ポータルサイトを作る」→「ユーザが集まる」、そういうシンプルな構図にはならないような気がします。これまで有料コンテンツであったものが無料ゲームとか無料デコメという形で提供され、そういう基本的なところから盛り上がって、そこにSNSの要素もある、アフィリエイトもある、結局気がついた時にコンテンツが盛りだくさんでポータルになっていくみたいなアプローチが正しいのかなと思っています。それと現状ではやはり無視できないのは、キャリアとのアライアンスですね。楽天にせよ、グリーにせよ、特定のサービスに関しては他のキャリアとの付き合いをあきらめるくらいの勢いで一つのキャリアとパートナーシップを組むというのも一つの選択でしょう。その辺特にKDDIは積極的ですよね。いかに一般サイトへのトラフィックが増えていると言っても、モバイルにおいてキャリアの存在感は大きいです。

宮田 なるほど。PCでいうと2000年頃に、infoseekやLycosといったポータルが数多く作られ、それぞれいろいろな「売り」を打ち出して競争をしているうちに今の形に徐々に収斂していったという状況と似ていなくもないということでしょうか。PCでの検索やメールのようにモバイルでもキラーとなるアプリケーションの開発が鍵になると思いますが、キャリアとの距離感も一つの鍵になりそうですね。そうした中、「広告商品」という意味で、今後どんなものが面白いと思いますか?

早川 動画は面白いですよね。ワンセグ的なものも、YouTube的なものも。やはり携帯にはカメラがついているので、YouTubeのような投稿系はあると思う。日本国内の事例で言うと、PCでGyaoが注目されていますが、今のところ広告主様が新しいものということで面白がって広告を出してくれているみたいですけど、二時間の映画を見たあとに、金融商品の動画広告が出てきてもクリックするというのは結構難しいですよね。一方で、まだ事例としてはあまりないですが、モバイルの場合だと、そもそもコンテンツ自体を3分100円とかで課金したりすることもできますし、それにプラスして広告をかませるということが十分できると思います。悲観するわけではないですけど、純粋に広告だけでビジネスを考えないほうがよいと思っています。コマースやコンテンツ課金など多様な収益モデルを持てるのはモバイルの特徴だと思います。それと、後はクロスメディア展開ですね。PCでも最近、雑誌などとの連動企画(「詳しくはウェブで」とか「動画はウェブで」みたいな)が増えてきています。モバイルは、課金モデル中心だったせいかまだそれほど進んでいないのですが、常に携帯しているという意味で、誌面と連動したコマースなど雑誌媒体などとの親和性も高いと思います。

宮田 動画とクロスメディアですか。動画共有サイト関連のニュースも最近非常によく目にしますし、これら二つを組み合わせて「雑誌誌面」→「携帯動画」という流れも増えてきているような気がします。また、米国では以前からありましたが、ゲームの中に広告を埋め込んでいく形の広告にフォーカスした広告会社も次々に設立されています。コンテンツ課金が依然有効であるというモバイルの現状を踏まえると、PC以上に「コンテンツ」「広告」という垣根をなくした形での進化がありえそうです。「モバイル特有」という意味では、位置情報などをベースにしたターゲティング広告はどうですか?

早川 広告商品としての取り組みは増えているのですが、正直本格的に伸びてくるのはこれからだという状況です。ユーザの位置をベースに広告をターゲティング配信するという商品はモバイルに非常に適していると思うのですが、まだ広告在庫が増えていない、つまり広告主側に向けてうまく営業できていない状況です。当然、今後の方向性としては増えていく方向だとは思っていますが、位置連動のターゲティング広告の広告主様は、従来のモバイル広告とは層が違うため、ちらしなど従来から地域情報系のコンテンツ・広告を扱っているような代理店さんが動いていかないと難しいかなと。広告単価で言うとどうしても高いものにはならないので、ある程度ダイレクト販売に近いモデルになっていくのかなと思っています。

宮田 この辺も時間が必要な分野ということでしょうか。最後になりますが、今後のモバイル広告市場についての展望を教えてください。

早川 なんだかんだといいましたが、成長分野であることは事実ですね(笑)。これから2〜3年で流れが、大きく変わると思います。一つ大きな要素は、現在モバイルのコアユーザである高校生くらいの層が大学生くらいになって購買力がついてくるということです。時間が解決するじゃないですけど、PCも最初はオタク層しかつかってないと、広告主から切り捨てられていたものが、ADSLなどが爆発的に普及したことでメディアとして力を持つようになった。モバイルでも同様に、ベースとしての利用者層の広がりが、広告主様にとっても無視できない存在になっていくことが重要だと思います。PCでも、最初バナー広告が出てきた年から、ADSLが普及した年まで5年くらいかかりました。そういう意味では、モバイルのバナー広告がここ3、4年で活性化してきたということで、来年、再来年くらいが面白いと思います。

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 対談初回の今回は、「モバイル広告」に関して、インタースパイアの早川社長との対談でした。
正直、対談前に私が持っていた感覚より、現実はまだ厳しい部分もあるようです。当然、これまでの一大トレンドであった「コンテンツ課金」のモデルから大転換が進むためには、ユーザ層、広告主、コンテンツ、技術、など様々な前提条件が揃うための時間が必要ということのようです。とはいえ、早川社長がおっしゃっていたような「課金+広告」のハイブリッドモデルや動画広告(ワンセグ含む)など、モバイルならではの新しいモデルの萌芽は見えつつあるような気がします。この辺は、次回以降、メディア、ポータルの立場で実際に取り組んでいる事業者の方にもお話を伺ってみたいと思います。
 次回は、「検索」という切り口で、アイレップの紺野取締役との対談です。「検索」はいまや疑うべくもないPCにおけるキラーアプリケーションです。モバイルの分野においても今年導入が一気に進んだ分野ですので、その最先端にいる紺野氏との対談を通して、その現状と今後の展開について考えてみたいと思います

 次回以降もよろしくお願いします。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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