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「広告主≠ターゲット層 」対談1 「モバイル広告」 前編

2006/12/15 10:58
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宮田拓弥

携帯電話向けアプリケーションの業界で、常に新しい製品・サービスを模索・開発してきた宮田拓弥氏(ジェイマジック株式会社代表取締役社長)が「ケータイ用アプリの未来」について考えていきます。
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 対談第一回目の今回は、「収益モデル」という切り口で今後のモバイルインターネットを考える場合に非常に重要となる「モバイル広告」を取り上げたいと思います。2005年の時点でモバイル広告市場は288億円にまで拡大しています。一方、ご存知の通り、これまでのモバイルインターネットを支えてきたビジネスモデルは、「ユーザ課金」でした。携帯キャリアがその料金回収システムの上に決済プラットフォームを構築し、月額300円とか一曲100円という小額課金を可能にした「公式サイト」という仕組みが、これまでのモバイルインターネットの成長エンジンとなりコンテンツ・サービス提供者の成長を加速させてきました。

 その結果として、「着メロ」「占い」というモバイルならではのヒットコンテンツも多く産み出されましたが、一方でPCのインターネットのようなオープンな競争を阻害してきたという側面があることも否めません。パケットの定額化やキャリアによる検索エンジンの導入などの流れにより、ある統計では、公式サイトでないいわゆる「勝手サイト」の利用が公式サイトの利用を上回り始めたというデータも出てきています。この勝手サイトを支える収益モデルの一つが、広告です。

 モバイルは画面が小さい、表現の自由度が低い、位置情報が取れる、などPCとは違った側面が数多くありますが、現状、モバイルにおける広告はどのようになっているのか、専門家は今後の展開をどのように見ているのか、という点でモバイル専業の広告会社、インタースパイア、早川社長に、モバイル広告の現状と今後への展望を伺いました。


インタースパイア 早川社長

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宮田 まず、最初に会社の概要と沿革を教えてください。

早川 設立は、2004年12月になります。今年4月にDAC(ヘラクレス上場のメディアレップ)から増資を受けいれて事業を拡大してきました。モバイルに特化して事業展開していますが、事業領域としては大きく分けて、3つ、「メディアレップ事業」「メディア事業」「Eコマース事業」があります。現状、売り上げ的に一番大きいのは「メディアレップ事業」です。幅広いモバイルメディア(広告枠)をバイイングして、広告代理店様向けにメディアのプランニング及び、販売をしています。また、一方で、自社でのメディア開発にも力を入れており、携帯ブログ検索サイト「ブロマ」や、女性向けエンターテインメントサイト「HONEY」等も運営しています。加えて、Eコマース事業も先月から始めました。現在は、大手公式サイトと提携して主にスィーツなどを中心に展開し、価格競争に陥らないよう、こだわりの商材を販売しています。メディア事業、コマース事業共に、近々公式サイトを複数立ち上げる予定です。

宮田 メディアレップに特化するのではなく、メディア・広告周りの事業を幅広く取り組まれようとしているという印象ですが、理由はありますか?

早川 後でも詳しく述べますが、モバイル広告のレップ事業はある程度の規模になっていますが、企業としてはまだ特化すべきではないと思っています。まだまだあらゆる領域にチャンスがある、それが現状のモバイルマーケティング市場ですから。ただ、あまり無計画多くの領域に分散すると先行投資はかさむので、短期的には各事業間の相乗効果が見込めるメディアレップ、メディア、コマースの3つの領域での規模拡大を狙います。また、モバイルでは自分たちでメディアを作って、レップとして販売し、また、場合によっては直接販売もやるという垂直統合ができる可能性もあると思っている。モバイル広告領域で広告販売レイヤーのみに特化すると、まだまだ企業として十分な収益を生み出せる市場規模にないことも背景にあります。

宮田 広告や広告主の側のトレンドはどのようになっていますか?

早川 ほんの少し前までは、割と手軽に一般サイトが広告で収益を作り安い環境にありました。懸賞サイトやポイント系サイトなどユーザに分かりやすいメリットのある形の仕組みで、そこに金融系の広告主様などが多く広告を出されていました。しかしながら、そのモデルがサイトのユーザ数の伸びが鈍化したり、セールスプロモーション的視点で見た際の効果が低下傾向にあることから、モバイルメディアや広告主を取り巻く状況は大きく変わってきています。最近、広告主として伸びているのは、高校生くらいをターゲットにした「教育」系、「アルバイト」などの人材系、後一つ目立っているのは「公式サイトCP」の一般サイト活用ですね。例えば、デコメの無料一般サイトから、同じくデコメ有料課金の公式サイトへの誘導といったような手法は非常に有効で、うまく一般サイトと公式サイトが共存している例ですね。また、以前は単純にインプレッションなどを気にする広告主様も多かったですが、最近は、「何件資料請求がきた」とか「何人がカード作った」等の効果を測定する際に、PC同様、媒体・キャリア別の効果検証をするためにトラッキングツールを導入するケースが増えてきています。これまではどちらかというと、モバイル広告の場合は「いくら使って、何件取れた」レベルの大まかな効果検証が多かった。これは、PC広告に比して、現状アフィリエイト形式の枠販売の比率が大きいことにも起因していると思います。また、モバゲータウンに代表されるようなユーザーロイヤリティの高いサイトではタイアップ広告に代表されるような企画力が求められる広告形態のニーズも増えています。あとやはり大きいのは、キャリアポータルサイトへの検索エンジン導入に伴い、リスティングがものすごい勢いで伸びています。

宮田 そうすると、大分広告主の側もPCと同じようなトレンドに近づきつつあると?

早川 いや、残念ながら全体としては必ずしもそうではないですね。PCと比較して大きな違いは、広告主、特に宣伝部の方々が、そもそも携帯電話でインターネットを使うコアな層ではないというのがあります。モバイルインターネットのコアユーザーはやはり10代〜20代前半の層なので実感があまり持てない。ユーザが増えてきて、広告出す価値がありそうなことは感じていても、実際自分では使っていない。それと、PCで大きな広告主になっているナショナルクライアントなどからすると、彼らがターゲットとする大人の層がモバイル自体を使っていないという思い込みも大きな要素です。実際に比率はまだ低いので、もっともっとこうした層が使うようなサービスが出てこないと広告も出てこない。ただそれに呼応すべく、前向きな話しとしては、ユーザの一般サイト利用が増える中でコンテンツのクオリティがどんどん上がってきていたり、これまでより上の年齢層に向けたモバイルサイトを立ち上げようという動きも活発化しているので、PCインターネットで広告を出している方々が出稿しやすい素地はできつつあります。

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後編に続きます。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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