最終更新時刻:2009年11月27日(金) 20時14分
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コラボレーションのマナー

公開日時:
2007/03/13 23:10
著者:
ゆきち99

Wikiというツールに今現在ひどく熱中していますが、Wikipediaのような巨大Wikiを編集していると、いろいろと考えることがあります。そのひとつに「コラボレーションのマナー」というのがあります。

というのも、Wikipediaに長くかかわっていると、どうしても他の編集者との衝突が避けられないのですが、こいうときに、「共同編集を行う際の共通理解が不足しているなぁ」と感じるからです。

マナーといっても、僕が考えているのは、「編集をする際には、人に相談してから」とか、「相手を慮って行動しましょう」といった従来のマナーの踏襲ではありません。そうではなくて、僕が提唱するのは、その逆です。いくつか例をあげるなら、

  • 全ての編集は、それまでの経過を顧みること無く、その時点で最高のものを施すこと
    • それまでの経緯に足を取られていては、新しい文書を生み出せないからです。それまでの事は括弧に入れて(フッサール的!)、その場で考えうる最高のものを記事にするべきです。
  • 既にその記事を書いた執筆者は存在しないものとして編集すること
    • これには、理由があり、Wikipediaのような、公開型の長期のプロジェクトになれば、執筆者が既にプロジェクトにかかわらないということは十分考えられるからです。そのためにも、常に今までの執筆者を当てにせずに執筆する必要が出てきます。
  • その逆に、自分の書いた部分は、全て消去されるものと思って執筆すること
    • 上記の大胆な編集方針は、逆に自分にも適用されると考えるべきです。自分の知識を上回る人は、いくらでもいると考える方が合理的です。
  • 責任を放棄すること
    • ある意味、一番突拍子もないマナーかもしれませんが、共同編集ツールを使い、時にはライセンスによって改変の権利が認められる場合には、その後の改変が必然的に発生します。そうなると、その記事に対して一執筆者が責任を持とうとすれば、それは、改変に対する妨げにしかなりません。上記の大胆な編集を押し進めるためにも、安易な「責任」は、編集を妨げる行為になると自覚するべきです。

といった感じでしょうか。

どうしてこのようなことを「マナー」として提唱するか。まずは第一に「共同編集」とはどういうものかということ考えなければなりません。従来、文書、記事、書物というものは、(20世紀的には?)ひとり、または特定の複数の人間が執筆、その人(たち)の責任において出版されました。その際、多くの場面では、役割がここの人間に分割されてあたえられているものと推察します。ところが、それでも、個々の人間には限界があり、数量や、記事の品質について、完璧では無い場合もありました。そこで出てきたのが、Wikiのようなコラボレーションツールであると思います。特に、Wikipediaは、多くの人の目に記事を晒し、記事そのものを全て編集できるようにして執筆に参加させることによって、数量や品質をあげようとしています。

この際、新旧の編集概念が衝突します。責任をもって特定領域の記事を書き上げ、内容を固定する方法と、全ての記事を永続的に編集できるようにする方法とが、それぞれ衝突することになります。ところが、新しい方法が出てきているにもかかわらず、古いマナーのまま編集していては、この新しい方法がまったく活きて来ません。新しい方法には、新しいマナーが必要と僕は考えます。そこで、上記のようなマナーを提案したまでです。

これは、Wikipediaのような公開型のツールを前提にしていますが、おそらくは、ビジネス文書のような非公開型のツールでも適用可能だと思っています。ビジネスの現場では、多くの場合、個々の責任範囲が定められ、それを逸脱することは常に避けられますが、時には、この分業体制が、作業のスピードを遅くすることがあります。特に、今後はWikiツールの導入なども進み、共同編集の機会も増えることでしょう、このときに、また古い慣習のままドキュメントを作成するようであれば、速度は落ちるどころか、却って遅くなることすらあるでしょう。そこで、その速度を実現するための共通認識が必要となるはずです。

Wikiという、非常に新しいタイプのツールに慣れている人は、まだそれほど多くありません。しかし、ネットワークが発達し、いろんなところでコラボレーションが発生する可能性のある現在、慣れないことを理由に編集することを避けることは出来ません。今はまだよちよち歩きのツールかもしれませんが、そのうち、意識する必要すら無くなるくらい、広く世の中に受け入れられるものと僕は期待しています。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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