最終更新時刻:2009年11月9日(月) 21時11分
-

未成年者の作ったOSSは契約取消可能?

公開日時:
2006/10/15 21:10
著者:
ゆきち99

一ヶ月ぶりですいません。

今から書くことは、あくまで法律素人が人から聞いた話をそのまま書き出すだけです。絶対に鵜呑みにしないでください。

どういうことかというと、表題通り、「未成年者によるOSSへの貢献は、各種OSSライセンスを契約行為とみなした場合、契約が無効になる可能性がある」というものです。これは、民法4条および5条により、以下のように記されていることを基準にしています。

(成年)
第4条  年齢20歳をもって、成年とする。
(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

ただし、いくつかの例外事項があって、参考にしたページによると、以下のようなものがあるそうです。

[1]  未成年者が結婚している場合(民法753条)。
[2]  法定代理人が目的を定めて処分を許した財産を
   その目的の範囲内で使う場合(民法5条)。下宿代、学費等
[3]  目的を定めないで処分を許した財産で、支払いができる場合(民法5条)。小遣い等
[4]  許可された営業に関する行為(民法6条)。
[5]  未成年者が単に権利を得るとか、義務を免れる場合(民法4条)。お年玉をもらう等

これらの法律は、あくまで「未成年者だから無効」ではなく「未成年者の行為にたいして法定代理人が取消請求を出来る」というものですので、裁量は貢献者では無く、あくまでその代理人(普通は親権者、つまり親?)によるというのがミソではないかと思います。逆に言えば、どんな優れた開発者の貢献でも、その親が「そんなものは認めない」といった場合、無効になるということでは無いかと理解しています。

もちろん、この前提には、各種OSSライセンスが契約行為として認められる必要があり、その判断を前提にしない限り進められないのですが、OSS側としては、法的有効性を求めたいところでしょう。ただし、そうなると、既存法の制約下に置かれるわけで、OSSの開発に一定の枷がかけられることは必然でしょう。一方、法的有効性が認められない場合、相当な場面で損をしますが、その分、制約は少なくなるということになります。

これは、相当大きなジレンマだと思うのですが、どうなのでしょうか。僕はずぶの素人なので、こうしたことを人聞きでしか判断できないのですが(法律の世界は、ややこしそうで、手を出し損ねています)、識者の方、意見あれば、何かコメントをください。


以下、追記です。

検索してみたら、このようなpdfの調査、検討報告書がありました。ここでは、新しいライセンスを定義しており、この中の「当初検討案」とされるライセンスで、

第5条 (申込みの効力)
1 本著作権者は、自らが未成年者ないし成年被後見者、被保佐人ではないことを保証す
る。ただし、本契約書の末尾において、本著作権者が自ら未成年者ないし成年被後見者、
被保佐人であることを特記した場合はこの限りではない。
2 本著作権者は、未成年者である場合は、本契約により権利義務を取得することにつき、
法定代理人の同意を得ていることを保証する。
3 本プログラムに本契約書を添付してこれを流布した後に本著作権が第三者に譲渡され
た場合には、譲受人が本契約の申込者としての地位を承継していることを保証する。

という項を設け、

本契約の締結行為は法律行為の一種ですから、未成年者が法定代理人の同意を得ずして
これを行った場合は法定代理人が事後的にこれを取り消すことができますし(民法4条2
項)、成年被後見人が行った場合もまた事後的に取り消すことができます(民法9条本文)。
被保佐人が行った場合は、微妙なところですが、「重要ナル財産ニ関スル権利ノ得喪ヲ目的
トスル行為」として取消の対象となるとの考え方もあり得ます。
本プログラムの利用者は本著作権者がどのような人物であるかを知らないのが通常です
から、本著作権者が制限能力者であったとしていつ本契約が取り消されるかわからないと
いうのでは、安心して本プログラムを利用することができなくなります。そこで、本契約
書においては、本著作権者に制限能力者ではないことを宣言させて、後に契約を取り消さ
れないようにしました。
つまり、5条1項のように本著作権者に自らが制限能力者でないことを宣言・保証させ
ることにより、あとになって本著作権者は制限無能力者であったから本契約を取り消す旨
の主張がなされても、本著作権者は能力者であることを信じさせるべく詐術を用いたのだ
から、今更本契約の取消を主張することは許されないと主張できる余地を残そうというの
です。これが1項の趣旨です。
2項は、未成年者について、法定代理人の同意を得ていることを宣言させ、保証させよ
うというものです。前項の場合と異なり、法定代理人の同意を得ていると信じさせるべく
詐術を用いた場合には取消権の行使は許されないとする規定はないので、この条項があっ
たからといって、本契約が取り消されなくなるわけではありません。ただし、オープンソ
ースソフトウェアを開発する程度の能力がある子供でしたら、不法行為を行う能力はある
のが通常ですから、法定代理人の同意を得ていないのに法定代理人の同意を得ていること
を宣言し、保証してしまった未成年者に対しては、これを信じて本契約利用者となって本
プログラムを利用した者としては、本契約の取消によって生じた損害について、詐欺によ
る不法行為に基づく損害賠償責任を追及するということも考えられます。

と解説されています。「オープンソースソフトウェアを開発する程度の能力がある子供でしたら、不法行為を行う能力はあるのが通常ですから」という解釈も少々怪しいところですが、やはり、こうした日本の法律にあった形での策定が必要という認識のようです。

まだこうした件についての判決は出ていないですが、どうにかして、未成年の開発者の青果物を有効に使える解釈が出来て欲しいものです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。