2008年1月10日から、SoftBankのケータイに電話をかけると、「プププップププッ」という音が鳴るようになった。SoftBank同士だけでなく、他社のケータイや固定電話からSoftBankのケータイに電話をかけてもこの音が鳴るのも戦略的だ。 テレビのコマーシャルで、SoftBank呼び出し音を聞かせて覚えさせる、と言う広告もやっている。けれども実際に電話口で聞こえてくる「プププップププッ」と言う音は、テレビで聞いているそれよりも固く、なんだかせかされているような印象。テレビだとソフトに聞こえているのですね。 SoftBankは絶好調だ。2008年1月の発表では、実に8ヶ月連続で契約者数の純増トップを確保。DoCoMoも905iと新料金プランで既存顧客の満足度を高めてきた。これまでトップを独走していたauはKCP+端末の遅れで小休止といった2008年の年明けとなった。 そんなSoftBankのウリは、1時から21時までのSoftBank同士の通話定額。これは2007年の賞を取ったCMなどの広告効果で、かなり浸透してきている。もちろんウィルコムのお株を認知度や価格の面で奪った形ではあるが、ここまで数字が付いてくるとは少々驚いている人も多い。 「ケータイなんて通話よりもパケットじゃない?」 ホワイトプランで通話が条件付きの定額になったとき、その利用者への影響が限定的であることを示唆していた向きがあった。そもそもワカモノがメールでのコミュニケーションに傾倒していったからそう考えるのも無理もないのだが、そもそもの原因は通話料が高かったからだ。 実際、僕も社会人になれば、学生の頃よりも通話料を気にしたりケチケチしたりしなくなるだろうと思っていたけれど、なにしろ高校、大学の7年間もケチケチしながらケータイの通話を使ってきたのだ。そのクセが抜けることなく、SoftBankのホワイトプラン以前はやはり必要であっても通話を手短に済ませることが習慣づけられていた。 価格からくる通話への抵抗感は、文字でのコミュニケーションが主体となったケータイカルチャーを生みだして日本人にフィットした。ケータイを耳に当てずに使っていながら、しかしそれでも、必要なときには通話をするし、通話に対する欲求は捨てられていなかったのは、ケータイが電話であるからだろうか。 家族や恋人などの決まった相手がいる場合は、とりあえずメールではなく電話で連絡を取ってみるようになる。駅から目的地に歩いていくときに、とりあえず電話をして話をしながら時間をつぶすようになる。家にいたら、電話をかけた上でハンズフリー、スピーカーフォンのモードにして、生活音まで共有しながらだらだらと会話をしたり。 手短に会話して後はメールでやりとりしてきた仕事上の連絡も、通話料にせかされることなく落ち着いて話すようになる。はたしてメリットなのかどうかはもう少し考える必要はあるけれど、ある種の針が振り切った状態で通話を使っていくと、音、声ならではのコミュニケーションの良さにどっぷりとひたることができる。 そういう「通話リッチ」の良さに関して、口コミとして広がる土壌が整いつつある中で、このSoftBank呼び出し音の導入は大きい。 SoftBank同士なら、1時から21時までの間、無料で話せる合図になるし、他社のケータイを使っているユーザーからすれば、何の音だろう?と話題に上る。回りに相手がそれなりにいるのなら、と乗り換えるメリットを感じさせるきっかけにもなるかもしれない。 SoftBankはこの呼び出し音の意味をさらに巧みに告知していくことが必要だし、他のキャリアが通話に対してどのように対処していくのかも興味深いところだ。 ちなみにauのケータイも呼び出しの時に「プップップップ」と鳴るが、このときはまだ相手に接続されていないため、この音の間に切ってもワン切りにはならない。しかしSoftBank場合、「プププップププッ」と鳴っていると既に相手に呼び出しをかけている状態。相手の着信音は鳴っているため、この音が鳴ったときに切るとワン切りになる。 ワン切りを常用している人もいないと思うけれど、念のために。
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