アメリカ現地時間の2007年9月5日、AppleはiPodの新しいシリーズを発表した。Wi-Fiに対応したiPhoneのケータイなしヴァージョンであるiPod touchがリリースされた。これは大方の予想通りだったが、Wi-Fiを使って何をするか? というソリューションをきちんと用意したのがAppleらしい。楽曲をWi-Fi経由で検索・購入・ダウンロード出来るようにするiTunes Wi-Fi Music Storeがそれである。 iPod touchについて少し触れる。 CNET Japanでも報じられている通り、iPod touchは8mmという薄さを実現し、iPhoneからケータイの通信機能とカメラといくつかのソフトウエアを取り除いたモノ、と言えば話が早い。表面のボタンは1つだけ。Multi-touchインターフェイスを積んだ3.5インチディスプレイで、大画面でビデオを見たり、アルバムジャケットをぱらぱらめくって選曲が出来るようになった。これに8GBもしくは16GBのメモリとWi-Fiを搭載している。 ウェブブラウザのSafari、YouTube、編集できるようになったアドレスブックとカレンダー機能、電卓、時計といったアプリが付属し、Safariやアドレスブックなどでは日本語入力も、Multi-touchのヴァーチャルキーボードから可能だ。一方でPIM機能として重要だったできの良いメールソフトとメモ書きのアプリは省かれている。 iPhoneには現在日本語入力機能がない(日本人が日本で使うことを想定していないから当然か)ため、メールソフトやメモソフトはあるが日本語が打てないiPhoneと、日本語入力は出来るがメールソフトがないiPod touchの間で思い悩むiPhoneユーザーの日記も散見される。しかしWi-Fiがつながる場所に行けば、Gmailや.Macメールのようなウェブメール、SNSのメール機能などは利用できる。 さて、そんなiPod touchとiPhoneで利用できるようになるのが、iTunes Wi-Fi Music Storeである。名は体を表す。iTunes StoreにiPod touchやiPhoneからアクセスし、楽曲を検索し、視聴し、購入してダウンロードできるサービスだ。ダウンロードした楽曲はMacかPCのiTunesに接続したときに、自動的に転送されてiTunesライブラリに保存される仕組みになっている。 またiTunes Wi-Fi Music Storeの展開に合わせて、アメリカでAppleはStarbucksと提携した。StarbucksでStarbucksは日本でもエスプレッソ系コーヒーショップのカルチャーを確立したチェーンとして知られている。 iPod touchやiPhoneをStarbucksに持って入ると、Wi-FiをキャッチしてiTunes Wi-Fi Music StoreのDock(画面下部のメニュー)にスターバックスのアイコンが現れる(写真)。すると、店内で流れた最新10曲のBGMリストや、Starbucksがセレクトしたプレイリストから楽曲を$0.99で購入することが出来る(スタバはHear Musicというレーベルを持っている)。 つまり、Starbucksで耳に触れた音楽について、その場で購入して持って帰ることが出来るようになるのだ、まるで熱いラテを持って帰るみたいに。 ここまでのことがiPodで出来るようになった、と聴くとなんだかすごい話だな、と思ってしまうが、ツールやサービスをばらして考えれば、別に珍しいことではない。日本人の中高生は着うたフルをケータイでダウンロードして楽しんでいるし、小学生は家電量販店やスーパーに設置されているDSステーションの回りに集まって、Wi-Fi経由でニンテンドーDSに試用ソフトをダウンロードして遊んでいる。 これらを上手くミクスチャした結果が、Starbucksと協業するiTunes Wi-Fi Music Storeの姿である。しかしAppleは、ここに新しいエッセンスを加えることを怠らなかった。それは場所性と経験やブランドのリデザインである。(続く)
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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