iPhoneが発売される。米国内ではiPhoneは現地時間の6月29日午後6時に販売がスタートし直営店のApple Storeでは当日は深夜0時まで、翌日の6月30日からは営業時間を午前9時に早めて対応するそうだ。写真はSilicon Valleyにいるナンバトシミチさん撮影。Palo AltoのUniversity AvenueにあるApple Storeの前。リリース前日から報道陣やギークたちが群がっていて、ウィンドウの真ん中には「巨大なiPhone」を模したすっきりとした動く広告がでんと構えている。なんだか盛り上がっている雰囲気が伝わってきますね。
iPhone購入者はApple Storeでの無料ワークショップが実施され、iPhoneを使いこなすための手ほどきまで行われるそうだ。新しいメディアを使ったり広めたりしようとするとき、ユーザーが体験しながら良さを理解しなければならないことを痛感させられる。ちょっとiPhoneの話をからそれるけれども。
僕が2000年にSFCで授業情報を核にしたSNS(当時はSNSなんていう言葉は使ってませんでしたが)の運営、普及に携わっていた頃も、授業情報をシェアすると何が良いのか、その仕組みの上で行うことの簡単さや付加価値などを、言葉ではなく使ってもらうのが一番早かった。もちろん使い始めるコストはちょっとした登録だけだし、学生は授業情報がのどから手が出るほど欲しいわけだから、割とすんなりとキャンパスのインフラになった。
けれどもSFCでBlogを流行らせようとしたときはちょっと大変だった。ウェブ日記をキャンパスの半分以上の人たちがつけているような状況はちょっと有利だったかも知れない。しかし放っておいてBlog的なコミュニケーションや、アーカイヴがたまることへのメリットを感じてもらうまでに到達できたかどうかは、正直分からない。少なくともウェブ日記を簡単につけられるCMSとして導入してもらうことが出来ただろうけれど。
SNSであるとか、Flickrであるとか、YouTubeであるとか、Twitterであるとか、新しいサービスを使ってもらうときに、初期に熱中できるかどうか、その後メリットを感じながら使い続けることが出来るかどうか。そういった2段ブーストのロケットみたいな浸透のさせ方が出来るかどうかがポイントだ。たぶんTwitterはこれまでとは違うパターンで、そもそも熱中しないで気楽にというゆるさが売り。これはまた別の機会に考えましょう。
さてメリットを感じてもらったり、面白いと感じてもらったりするための努力というのは必要だ。メディア、ツールの「エデュケーショナリング」というようだけれど、要するにそのメディアやツールについて、何がそんなに面白いのか、何でそんなに便利なのか? ということを伝え、体験してもらう作業だ。
話を聞くだけではなくて、アクティビティを伴って伝えていく。これはメディアやツールの普及だけでなく、広告やマーケティングなどを含む情報環境全般に対してとても重要なプロトコルになっていくだろうと思うが、とにかく手を動かしてもらいながら知ってもらう、という努力はいずれにしても必要ですよね、という話だ。
iPhoneの話に戻る。
iPhoneはケータイであるはずだ。これは誰も疑うことはない。しかしボタンを正面に1つしか置かないインターフェイスに始まり、ネット革命に続くWeb2.0革命をケータイに実装したような機能性、(米国の)ケータイでは想像しなかったようなメディア体験まで盛り込んだ端末を、Appleは今までのケータイと同一視して欲しいわけがない。
たぶんタッチパネルのインターフェイスは今までのケータイのそれとは一線を画す操作性だし、機能にアクセスするためのタップ数は今までのケータイに比べると増えてしまうかも知れないが、Appleが作る製品のことだ。説明書を読まなきゃ使えないなんてことはない。メールだってPCのメールソフトに近いだろうし、そもそもケータイユーザーなら誰だってiPhoneで電話をかけられるはずだ。
それでもAppleはiPhoneのためのワークショップを開催するのだ。他のMacやソフトウエア向けにワークショップを行っているように。もちろんユーザー向けのサービスと取ることもできるが、どことなく、AppleがiPhoneを今までのケータイとは違うメディアですよ、と強烈に位置づけてユーザーに受け入れてもらいたがっているように思える。
ならば、今までのケータイは何だったのか? iPhoneはなんなのか? という点を考えていくことで、未来のケータイはどうなるのか? むしろ「どうなったらいいのか?」という問題にリーチしていくことが出来そうだ。このBlogで「今までのケータイ」と「iPhoneというモノ」を比較する事を、7月にやってみてはどうだろう。
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