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「ワカモノの文字盤」たるケータイ(上)

2006/09/25 17:40
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 僕は大学生の頃、ものすごい勢いでコンピュータのフォントを集めていた。日本語のフォントはお金がかかるモノがほとんどで、ソフトウエアにバンドルされてくるモノ以外持っていなかったけれど、いろいろなフリーの欧文フォントを見つけてはインストールしておき、ここぞとばかりに雰囲気に合わせて使っていたのを覚えている。 ケータイは意外なほどに文字とのつきあいが深い。まず使い始めるときに機能の設定ところから、文字がなければやりようがない。ディスプレイに表示された文字を見ながら、時刻設定、基本的な動作設定をしてから使い始める。使い始めてからも電話帳、送受信のメール、ケータイ向けウェブサイトなど、ケータイのディスプレイの文字ばかり見ている。 腕時計を持っていないケータイ世代は、しょっちゅうケータイのディスプレイを眺めているが、多くは時計で時間を見ているのである(メールの有無も同時に見ることになるけれど)。もちろんこのときにも、デジタルやアナログの形式の時計がケータイのディスプレイの待ち受けに表示されている。「文字盤」というとアナログ時計の盤面を思い浮かべるが、現代の文字盤はケータイのディスプレイのことを差すのだろう。 先日、タイポグラファーでJfonts協議会理事長の長村玄さんの講演をうかがう機会があった。文字に関する様々なお話を伺うことが出来たが、聴いて驚いたのは明朝体には本来、画数や書き順の情報が含まれているものだ、と言うことだった。明朝体を詳しく見ると、起筆部や止めの墨だまり、払いなど、確かに書き順がわかる用になっている。明朝体は機能的なフォントだったのだ。長村さんの言葉を借りれば「文化伝承を意図を鮮明にした明朝体」という姿が浮かび上がる。 長村さんによると、日本の漢字教育においてこの明朝体を使っていくことで、構造や属性、書き順や画数を学べるようにしているのだという。例えば、表題に独特のフォントが使われている朝日新聞、小学生向けの姉妹紙である「朝日小学生新聞」には、独特のフォントではなく明朝体を使っている。これも明朝体が持つ機能を見越した配慮だと、長村さんは指摘している。しかし果たして明朝体に込められている思いは、正しく伝わっているのだろうか。 「世の中で明朝体以外の文字があまりにもあふれすぎている。また同じような明朝体の雰囲気を出していても、デザイン性に富んだこれまでとは違う“明朝体風フォント”にも人気が集まっている。このような状況に対応しない学校教育は、果たして正しいのか?」と、長村さんは疑問を呈している。確かに、日本人と文字とのつきあい、日本人への文字教育について、何らかの新たな局面が必要なのかもしれない。 さて「ワカモノの文字盤」たるケータイでのフォントは、いったいどうなっているだろうか?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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